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理学療法士の質は本当に下がっているのか?

理学療法士の質の低下を懸念する意見が聞かれたことがありました。

実際に質が低下しているのでしょうか。
むしろ向上している部分もあるのではないでしょうか。

私見を交えて考察してみたいと思います。

数十年前の理学療法士の話を聞くと、今では到底考えられないような指導があったそうです。

たとえば、肩の可動域訓練を行うとき、患者が強い痛みを訴えても、そのまま動かすのが普通だったそうです。

いいか、患者が痛いと言っても、手を離したらいかんぞ。

と、先輩の理学療法士から指導されたのだとか。

これは当時の医療全体の時代背景を考慮する必要がありますが、少なくとも技術や患者への配慮の面では、今の方が大きく向上していることは間違いないでしょう。

一方で最近は、理学療法士の数そのものが急増し、学力面で不安を抱える実力不足の者が入ってきていたり、十分な実践力を身につけていない者も少なからずいるのが実情かもしれません。

しかし他方で、学びの機会が飛躍的に増えているのも事実です。

私が学生だったころに比べて、今は情報が相当程度、手に入れやすくなりました。
YouTubeでも、著名な理学療法士が、リハビリの考え方やテクニックを無料で教えてくれています。
セミナーを探しやすくもなりました。
オンラインで勉強することもできるようになりました。

地理的条件や時間的制約を気にせず積極的に学習できる環境が整ったと言えます。

情報過多で判断するのが難しくなるリスクはありますが。

知識面では、今の理学療法士の方が、圧倒的に質が高いように思えます。

同時に、勉強していない理学療法士と、勉強している理学療法士の差は、昔よりも遙かに大きくなっているはずです。

患者の間で、理学療法士に「当たり」「ハズレ」があると、ウワサされているのを聞いたことがあります。

患者は、自分に合った理学療法士を選ぶことは難しいです。
医療のことは、分からないですから。

自分の担当になった理学療法士が、勉強している理学療法士なのか、勉強していない理学療法士なのかは、運次第な面も大きいでしょう。

それって、どうなのかな?

せめて、私は、患者や利用者にとって、「当たり」の理学療法士でありたいと思い、日々、勉強を続けています。

総じて私は、理学療法士個々の能力には差が生じているとしても、全体としての質が低下しているとは思えません。

むしろ向上している部分も大きいと感じています。

さて、このブログを読んだ理学療法士のみなさんは、どう感じたでしょうか?

意見があれば、ぜひコメントにて、教えて下さい。

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