【小説】うちのにゃんこ
今日、初めてにゃんこに某動画サイトを見せてみた。
いつものようにタブレットを提示して、いつもと画面が違うことに気づいたにゃんこは、伺うように頭を傾けてこちらを覗き込んでくる。
ふわふわの髪を撫でてそれに応え、誰かの飼い猫の動画を再生する。
レーザーポインターをものすごい勢いで追いかける猫と、そこに合わせられた効果音が楽しい。
にゃんこはしばらく私の様子を眺めて、それから一緒に動画を見始めた。
飼い主を伺うその挙動が、飼い犬を彷彿とさせて可愛らしい。
タブレットごとにゃんこに渡してみたけれど、にゃんこは動画が終わっても自分で画面をさわることはなくて、終わったよってこっちを見つめるだけだった。
「好きなの見ていいよ?」っていっても、「ねこがいいのがいい」とだけ。
ふわりと微笑んで、「ねこ、楽しそうだった」と言われてしまったから、なんだか心がぽかぽかする。
今日もにゃんこは私の内側。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?