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詩「しずく」



今日と同じ日は二度と来ない
今日と同じ雨は二度と降らない
しずくはたった一瞬を一生を懸けて駆け抜ける
膨張し続ける世界を中に閉じ込めて

僕はふいに立ち止まる
誰かに言われた事で
頭が真っ白になる
しずくは物にも跳ねないで
何の音も立てず
地面に吸い込まれていった
地上に降り注いだのに
爪痕さえ残せなかった
僕の不甲斐ない後ろ姿に無音の雨が落ちた

街は発光する
太陽の日差しを中に受け止めて
昨日とは違う顔を覗かせる
消えてしまう直前に輝きを増す

僕の胸の中で
最初で最後の星が流れて消えていった

不甲斐ない僕は
もう二度とない感触を
感じる事は出来なかったのだけれど

今日と同じ日は二度と来ない
今日と同じ雨は二度と降らない
今日と同じしずくは落ちない







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