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詩「あの日 誰かを好きだった」


いつまでも思い出せない映画のタイトル
大切な台詞が抜け落ちて
嵌まらなくなったパズルのピース
あの熱情は
急速に褪せていった
モノクロの無声映画の様に
完結出来なかったのは
きっと
大切な何かが足りなかったんだろう
(鮮やかな色や激しく揺さ振り続ける音が…。)

でも
それは″悲しい″だけじゃない
自分以外の誰かを好きになれた事
この感情は
私には良かった

振り返れば道があり 沢山の出会いがあった
少なくとも
あの日の私は笑っていた
心の底から

この気持ちを忘れない…
(あの日に感じた揺るぎない熱。大切に胸の奥に閉じ込める事は出来なかったけれど…。)

確かに
私は
あの日 誰かを好きだった

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