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詩「木」


淡い光を浴びて
様々な植物が胞子を出していた
違う事ばかりに
神経を尖らせていた僕は
今まで
気付くことができなかった
この時を
生きるのに
必死な僕を
嘲笑うかの様に
植物が僕達を選んでいた

必要なのは、誰か?
お前か?

喉に、まとわりつく胞子を吐き出そうと
僕は、必死に咳をしたけど
体の奥に入っていくだけで
取り出す事が出来ない

様々な植物は
僕等の気付かない所で
胞子を出している

淡い光に、さらされた時だけ
目に見る事は、できるけど
大半の人は
目先の事に笑って
通り過ぎるだけ

明日には
ほら
僕の腕から枝が伸びて
公園のベンチの隅に
ちょこんと
座っているかもしれない

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