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詩「季節外れの暑さの中で」


四季に当てはまらない
突然の熱に微睡む
私は
存在しない季節の隙間に埋もれる
(確かにいつも色々と決めていたのは人間だった。)

思わぬ汗が噴き出る
長めのシャツをたくしあげて
無理矢理半袖にする
(いつも辻褄をあわせようとして歪になるのは私の悪い癖だ。)

アイスが欲しい
アイスが欲しい
アイスが欲しい
(人間の欲望は熱で一旦は溶けるが時間が経てば また再生する。)

今日に限って
小さめのハンカチしか持ってない
ダラダラと流れる汗を
何回も何回も拭うしかない
面倒だが何度もこまめに拭くしかない
何度も
(適度にやり過ごすしかない。こんな季節外れの異常な暑さは。)

アイスが欲しい
アイスが欲しい
アイスが欲しい
(季節の隙間に売店はない。)

入道雲でもない
誰も何も定めていない雲が空にぷかんと浮かんでいる
(人の目の形に とてもよく似ている。)

こんな日に限って風は吹かない
(アイスが欲しい。
 アイスが欲しい。
 アイスが欲しい…。)

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