【羨望に似た気持ち】NHKスペシャル 山口一郎 “うつ”と生きる~サカナクション 復活への日々~
正直、とてもうらやましく感じた。
という言葉が適切か今もよくわからない。
サカナクションの山口一郎さんがうつを経験され、
そのドキュメンタリーがNHKでやっていたそうですね。
精神的な不調を、少しずつでも公共の場で口にできるようになるのは
本当に大事で、その必要性を語りだすときりがないので端折りますが
この仕事をしていることもあってとにかく感じますし、
自身の体験を通しても思うところがありすぎるほど。
特に、音楽業界におけるメンタルヘルス普及は
私自身の夢でもあります。
そういう思いの身からすると
このシーンを代表する方が
うつを告白すること、それがドキュメンタリーになること
それはきっととても意味があることなんだろうと思っておりました。
番組自体は見れていませんが、Xでの視聴者の方々の反応や
もちろんnoteでも拝見したり「ふむふむなるほど」と思ったところ。
そして冒頭の言葉に戻ります。
うらやましいと感じたのには2つ意味があって
①うつ経験者として
②メンタル不調によりステージを去ったアーティストのファンとして
この2つです。
※番組を見ていないので、意図を汲み取れていない可能性があります。
その場合は大変申し訳ありません!
どうしても書きたかったので書かせてください!笑
NHKがあげている数秒のダイジェスト(事前CM?)において
開始直後、ステージ上で告白する山口一郎さんの言葉
「僕が患った病気はうつ病です」
このシーンにものすごく最初驚き、
ちょっとした動悸が走り
最後うらやましいという感覚になったのでした。
①うつ経験者として
私の20代後半はうつとともにありました。
今思い出そうとしても、湧いてくるのはグレーっぽいイメージばかり。
ああ本当に、なんで生まれてきたんだろう
抗うつ剤、抗不安薬の作用によりぼんやりした頭で
考えるのはそんなことばかり。
命を断つ勇気はなかったので、死のうとはしませんでしたが
これが何十年も続くのか~と思うと、
ますます死にたくなるという謎のパラドクス。笑
精神障害がある方へのサポートを事業をしている組織にいたため
自分がうつになったからといって
周囲から圧力をかけられたりなどはもちろんなかったですが
理解や浸透はまだまだ、何よりも「すぐ隣の人がうつである」
という直接的な感覚からうっすら目をそらす方が多かった印象があります。
うつと診断されたと伝えることに抵抗は感じませんでしたが
(感じる余裕もなかったといったほうが正しいかもしれない)
その後、たまに会う同僚・先輩からは、やや遠慮がちに
「体調・・・どう?」と体調ばかり言及されることに辟易。
体調どう?じゃないんだよ、そんなのこっちがしりてぇよぉぉぉおお!!
と心の中で悪態をつくのでした。てへ。
うつは自分の一部でしかないのに、
自分=うつ という考え方に自身が囚われてしまうこと
そう思われたくないからますます相談はしなくなること
視野はどんどん狭くなり袋小路にはまっていくこと
その時の私が降臨してきて
「僕が患った病気はうつ病です」とステージ上で告白する山口さんが
眩しく、そして受けとめてもらえる環境があるんだなぁと
うらやましさに繋がったのかもしれません。
(山口さん自身に葛藤、苦しみ、ステージで告白する意図が
さまざまあったと思います。それをどうこういいたいのでなく
その場面に投影した私のざわざわ感の話です。)
②メンタル不調によりステージを去ったアーティストのファンとして
14年間、日本の端から端まで追いかけるほど
私が好きだったアーティストがステージを去ったのが2020年。
よりによってコロナ禍。
お別れも満足にいうことは難しかったですが
彼は最後の日までギターを弾いてくれました。
言葉で表現することが苦手だった方でしたが
自分ではなく、一緒に走ってきたメンバーのため
関わってきたスタッフのため、ファンのみんなのため
にギターを弾いている、ありがとうが伝わってくるステージでした。
自身が去ることになった説明を
ステージ上で彼がしてくれた姿を今でも忘れません。
明確にこれ、と言葉にしたわけではないですが
精神的に限界がきたことが理由であると
話せるラインぎりぎりまで話してくれた
彼の誠実さに今でも感謝するばかりです。
山口さんの告白の場面はそれを思い出させたのでした。
私はその方のことが大好きなので
彼の決断を大いに応援したかったですし
それは今でも変わりません。
同時に
もう少し早く、話せていたなら
もう少し周囲に受け止められる度量があったなら
ありもしない「もしも」が頭をよぎるのも正直な気持ちです。
そんなことから
音楽業界のメンタルヘルス普及に想いを持つことになったわけです。
ここから未来のお話^^
どうやら山口さん、以前からもご自身の体調について
インスタライブなどで話されていたようで、動画を拝見しました。
自分たちのマネジメントをしてくれる事務所サイドに
しっかりとメンタル面のケアをする仕組みがあるとのこと、
また、今後そういう必要な体制を業界に創っていきたいと
話されていました。
自分の状態、状況を受け止められていないと
そういう想いには至らないんじゃないかなって思って
なんだかとても感銘を受けたのでした。
※感情の起伏が創造性に繋がる、でもそれが危険になることも
あると話されていて
それはとても私が気になっていたことだったので
これからまた噛み砕いていきたいです。
音楽は人を救います。
音楽に携わるすべての人の音が響き続けますように。
そう心から願っています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?