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【続いてる写経 772日め】〜覚えた単語はТоварищ(同志)でした

おそらくこれを逃すと当面お目にかかれない、と思われたロシア映画『親愛なる同志たちへ』を観てきました。

これは戦争映画ではなく、1962年のソ連で実際に起きた「ノボチェルカッスク事件」を題材としたものです。

「ノボチェルカッスク事件」
フルシチョフ政権によって1950年代後半から1960年代前半に導入された経済・貨幣改革により、物価上昇と食料不足が国中を蔓延する。
1962年6月1日(土)、給与カットに対する労働者の不満が高まり、ロシア南西部の町ノヴォチェルカッスクの国営機関車工場で大規模なストライキが発生。群衆は5000人を超え、鉄道を封鎖し、現地共産党幹部が集結する工場の管理棟を占拠するなど暴徒化した。
翌6月2日(日)、戦車とともにソ連軍がノボチェルカッスクに入り、群衆を暴力的に鎮圧。
KGBのデータによると死者26人(非公式では約100人)、負傷者数十人、処刑者7人、投獄者数百人に達した。この事件はソ連が崩壊するまで約30年間隠蔽されていた。

https://shinai-doshi.com/より引用

映画はこの事件の前後3日間、共産党市政委員会のリューダを主人公に描かれます。
リューダは、第二次世界大戦の最前線で看護師を務め、その最中に妊娠、出産し現在はシングルマザー。父親と娘の3人で暮らしています。

このリューダがまあ、エリート特権を使って物資を手に入れるところとか、会議での発言ぶりを見ていくと、ちょっと鼻につくキャラ。

ソ連万歳、共産党万歳って人です。
(そうでなきゃ市の幹部にはなれないでしょうけど)

それに対して、娘のスヴェッカは工場で一般の労働者として働いており、母親とは意見が合わないのです。

そんな中で工場での大規模ストライキが起こります。
当然ストライキにはスヴェッカも参加、事件に巻き込まれてしまいました。

市の本部に大勢の労働者が暴徒のように押し迫る中、ストライキの混乱を制圧するため、労働者への発砲が始まりました。
目の前で撃たれ、倒れる人々を目の当たりにしたリューダには、党の方針への疑念が生じてきます。

スヴェッカは行方知れずになり、病院や遺体安置所などを探すも見つからない。
放心状態になった彼女のところにはKGB(ソ連時代の諜報機関、秘密警察)の捜索も入りました。

リューダはここから共産党員の姿を捨て、1人の母親として娘を探すことになります。

そして、その彼女を手助けするキーマンが、なんとKGBの職員。
しかも、劇中で唯一といっていい感じの昔の俳優さん風イケメン。

この辺りは映画的演出なんですが、こうした少し甘ったるい設定がないと救われないかも・・。

とにかくこの事件の当局の隠蔽ぶりがすっごいのですよ・・・

つづく


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