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【続いてる写経 1519日め】”茶会”は日本文化の見本市のようだった

「茶道を学べば、日本文化全体を学べるよ」

以前茶道を嗜んでいる方に言われたことがあります。

先日茶道における”お茶会”に参加してみて、この意味するところがようやくわかりました。

確かに、茶道は日本の伝統的な文化を抱合していました
茶道で使われるものは、すべて日本文化の粋を集めたもの
従って各要素を知らないと、理解するのが難しいのです。

ゆえに、茶席ではたくさんの前提知識が必要だと感じました。

茶室に入ると、まず茶席のテーマとなる”掛け軸”を眺め、釜(お茶を入れるための湯が入っている)を眺めます。

”掛け軸”は、草書で書かれていることが多いので、書の知識が必要です。
茶道具類の釜、その蓋を置くための蓋置、茶を入れる棗、茶杓などの道具などもそれぞれ見せるためのしつらえもの。工芸品の知識も必要です。

花器に生けられたお花や、お香も焚かれています。
お花や香の知識もあるにこしたことはありません。

当然出されるお茶碗の陶芸類の知識も必要。
そして、”お菓子”にも季節ごとの素材があり、その知識もいります。
お茶葉は「お詰め」といってどこの産地のどの茶園かは重要ポイントのようです。

また、道具類の命名由来やモチーフとなっているものが何かも知っておくのが望ましいでしょう。中国の故事か、日本の偉人のものか、和歌なのか、仏教用語かなどなど、、。

要は、随所で前提となる知識、いわゆる”教養”や”蘊蓄”が求められるのでした。

何かしら知識があれば、亭主が語るそれぞれのお話を聞いて、理解できるのでしょう。

けれども、大抵は、
へえ〜(そうなんだ)

で終わってしまいました。

何か知っている知識と少しでも照合できれば、
ほお〜(あれのことかあ〜)と思えます。

正直、初心者が「ほお〜」となるのはかなりハードル高そうです。

ただし、こういった知識が絶対必要なのは正客(しょうきゃく)とよばれる茶席の筆頭席に座る人
茶席では唯一亭主と会話できる人物であるため、亭主の話の内容を理解し、応対できる知識と機敏が求められるのでした。

よって、正客はあらかじめ”それなりの方”が決められていることが多いようです。

なので、それ以降に座る客はさほどプレッシャーはかかりません。
へえ〜っと感心していれば良いのでした。

でも、色々知識があって、わかっていったら面白いのだろうなあ…。
強く感じました。

今まで美術館や博物館で観てきた茶道具類が、とたんに身近に思えたのも事実。もっと故事成語や古典にも親しみたい。
色んなお茶席行って、お道具みてみたい。

なんだか学習意欲というか、吸収したい欲求が高まりました。

ただ茶道のハイコンテキストの世界は、排他的に感じられることは間違いないです。

日本文化のどの分野にも興味がなければ、つまらないかもしれません

ただし、知識不要で気軽な初心者向け体験の場や、神社仏閣内のお茶席など広く開かれた場所もたくさんあります。

茶道の間口は決して狭いわけではないと思います。

けどね…。

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