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【続いてる写経 1394日め】”印泥”(いんでい)とは、かくも危険で尊いものだった

書道の昇段試験、月末の締切にむけラストスパート。

書道の先生から、注意点として、
「印泥(いんでい)の出がイマイチだから、よく練ってから使うように」
と、注意を受けていました。

印泥とは、書道や書画でハンコを押す際に使用する朱肉

なかなかナゾアイテムで、陶器に入った赤い物体は、結構ネチャネチャしています。
スライムが固くなって、ベタベタになったような。不思議なものです。
必ず”ヘラ”が付属しており、このヘラを使って赤い物体を練るのでした。

こんな感じ。

よく考えたら、何で練るのかしらん?
そもそも、これ何で出来てるの?

今まで長いこと使っていたのに、全然これが何でできているかも、気にしたことがなかったのです。

というわけで改めて”印泥”を調べてみました。

すると、

印泥は、辰砂(硫化第二水銀)を主原料に、「もぐさ」と呼ばれる植物の繊維と油を混ぜて作られていると言われています

印泥は中国で作られ、それぞれの職人が秘伝として継承しているため、詳細はわからないのです。

「上海西冷印社」の印泥が有名です。

辰砂(硫化第二水銀)は体に有毒なので、誤って口に入れないように注意してください。

https://syoyu-e.com/article/tools_how/tenkoku-indei-trivia

な、なんとあれは辰砂(硫化第二水銀)だった!!
つまり、神社の鳥居の朱色に使われた顔料と一緒でした。

そりゃあ、秘伝にもなりますわね。

この辰砂は”丹”や”丹生”とも呼ばれて、これが算出される場所には”丹”と名付けられているのです。

高野山の麓にある丹生都比売神社は、丹生の神様を祀っているのでございます。

急に”印泥”がめちゃくちゃ神秘的なものに思えてきました。。

ちなみに、なぜに練るかというと、

練り混ぜず使ってしまうと、印泥の同じところばかりが減って、使ううちにどんどん印泥がつけにくくなってしまったり、朱と油が分離して印がきれいに押せなくなってしまうためです。

https://syoyu-e.com/article/tools_how/tenkoku-indei

なるほど、混ぜると切れるのではなく、混ぜないと固まって使えなくなるのですね。

というわけで、印泥様をリスペクトするとともにしっかり練り込み、しっかりとキメ押印して、無事投函。

今回の昇段試験、無知なる自分を知る良い体験でした。


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