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旅行は行く前が1番楽しい

旅行は行く前が1番楽しい。そう感じたことが多々ある。もちろん旅行自体はとても楽しいが、それ以上に旅行前の高揚感がたまらないのだ。

旅行前は "絶対に行くべき絶景スポット10選" や" 〜での食べ歩きグルメ10選" を意味もなく何度もネットで検索したり(結局ほとんどが頭に残らない)、旅行先に持って行く便利グッズや"旅行のため"という大義名分で買う新しい服を探したり、色々とやることが多い。

これが楽しいのだ。

友達と旅行に行く場合は、旅行の計画を立てようと言ってわざわざ昼から集まって、カフェに行って、公園をウロウロしたりして、結局何一つ旅行の計画は立てられずに解散となる。

これが楽しいのだ。

かなり前から準備していたつもりでも前日に必要なものを買い忘れたことに気付いたり、ネットで見て絶対に観たいor食べたい と思ったものがいざ実際にご対面すると案外普通だったりする。旅行はそういうものである。

旅行に限らず、私は "過程" を楽しむタイプの人間なのかもしれない。

例えば最近めちゃくちゃ高いブーツを買った(めちゃくちゃ高いとは言っても読者の皆さんからしたら大して高くないかもしれないが)。私はかねてからいつか良いブーツを買おうと思っており、たびたびブーツを調べていた。色んなブランドを調べたり、ブーツのソールの縫い方を学んだり、色んな人のブログでブーツの経年変化を見たりした。そしてブーツを欲しいと思ってから約5年が経ち、ふと私に臨時収入が舞い込んだので決心した。

そうだ、ブーツを買おう。

私は約5年間のリサーチから選び出したとあるブーツを買うことに何の迷いもなかった。5年という歳月が私に相当な自信をくれたのだ。ブーツを買う瞬間のことは今でも忘れない。あの時の私は口角と目尻がくっつくくらいの笑みを浮かべていたことだろう。

そのブーツは今でも大切に履いている。そしてあの時買って良かったと心から思っている。ただ高揚感に関しては、ブーツを買った後より買う前の方が大きかったように思える。


他にも "過程" が楽しいと思えることがある。これは共感する人も多いのではないか。

恋愛 である。

「恋愛は過程が楽しい」なんて安いラブソングにありそうなセリフは口が裂けても公には言えないが(まあ今言っているのだが)、実際その節はある。

付き合う前の、お互い好きなのかどうか探りあっているあの期間、ボクシングで言うところのお互いが距離を測りながらちょこちょこジャブを打ち合っているあの期間(私は今日からこの期間をジャブジャブ期と呼ぶことにする)、私は常に鼓動が高鳴っている。あんなに一つのことに意識が集中し続け、しかも毎日ワクワクする期間があるだろうか。ジャブジャブ期は、相手のLINEのほんの一言で一喜一憂し、自分のLINEのほんの一文を送るのに何時間もかけられる、そんな幸福の時間である。


目標としていたことに到達してしまったり、欲していたものが得られたりすると、「案外こんなもんか」と興奮が冷めてしまうことはよくある。これは恋愛で言うところのジャブジャブ期の終了を意味する。

あんなにも欲していたはずなのに…

なんであのときあんなに気分が高鳴っていたんだろうか…

そんな風に思うことはよくある。

恋愛に限らず、人生においては色々なジャブジャブ期がある。

あれが欲しい。あの会社に就職したい。あの服が欲しい。あれをしたい。これをしたい。

そんな欲求に駆られ必死に努力する。そんな時間、すなわちジャブジャブ期はとてもワクワクするし充実している。

人生において、生きている限り人は何かを欲する。大小はあるにせよ、常になにか目標がある。そしてそれを常に追い求め、それを楽しんでいるのだ。人の欲求は死ぬまで尽きることはないのだろう。というか人はその欲求のおかげで楽しむことができるのだから、そもそも欲求は人生を楽しむためにあるのかもしれない。


そう思うとなんだか安心できる。
欲求がある限り人生は楽しめる。飽きることはないし、どんなに辛いことが続いても楽しむ余白がある。
大きな目で見ると、人生自体がジャブジャブ期なのだ。



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