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産むか?産まないか?悩んだ日々を振り返る

 こんにちは、カレー部長です。あっという間に息子も一歳半を過ぎました。息子は息をしているだけでも本当に可愛くて、毎晩息子の寝顔を眺めながら「くぅ〜〜可愛い〜〜」と悶えながら私も眠りについています。
 こういう幸せな日々が送れるのは、過去の私が「子供を産みたい。授かりたい。」と決断したからです。でも、大学時代からずっとキャリアウーマンに憧れてきた私にとって、その決断は簡単ではありませんでした。
 この記事では、当時の私の悩みや、参考にしていた本を紹介します。

1. 私の話

 私が息子を授かったのは2018年の暮れ。入社10年目、31歳のときでした。妊娠が分かった時の気持ちは「嬉しい!けど、仕事どうしよう」。私は2017年に本部をまたがる異動を経験し、社内転職したような状態でした。そのため、妊娠が分かった時は、社歴こそ長いものの、1年ちょっとしかその部署で働いていなかったのです。加えて私自身も、その部署での仕事に非常にやりがいを感じており、できれば同じ仕事をずっと続けたいと思っていました。
 そんな状態で妊活なんて!と呆れられる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私の背中を押した要因は2つありました。
 ひとつは、年齢です。やはり女性は(実は男性も)年齢を重ねれば重ねるほど、授かりにくくなるという事実があります。特に、私は2012年当時のNHKスペシャル「卵子老化の衝撃」とそれにまつわる一連の反応をリアルタイムで見ていたので、経年については非常に危機感を持っていました。

2. 先輩のことば

 でも何と言っても、私の背中を押したのは、2人のお子さんを持ちながら働く会社の先輩の言葉です。

「カレーちゃん。仕事楽しいでしょ?今は仕事からは離れられないって思っているでしょ?でもね、これから歳を重ねれば、どんどん出来ることが増えて、もっと楽しくなるよ。そしたら、もっともっと、離れづらくなるよ。そしたら、永遠に妊娠なんてできないから。少しでも授かりたい気持ちがあるなら、仕事のことは考えすぎない方が良いよ。」

この一言はパンチがありました。先輩の言うとおり、私のような仕事好きなタイプは、”暇な”タイミングなんて、絶対になさそう…。それにもし仮に今後そういうタイミングが来たとしても、35歳を超えていたら?仕事を優先したとして、自分の子供に会えない覚悟は出来るのか?
 この言葉がきっかけとなり、いろいろ考えた結果、私は、妊活へ踏み出すことを決意しました。この先輩がいなかったら、私は今も息子に会えないまま仕事に打ち込んでいたかもしれません。

3. 参考にした本

 妊娠を考えるにあたって、いろいろな本も読みました。こちらでは、その中で特に参考になった3冊ご紹介します。

①犬山紙子『私、子供欲しいかもしれない。』(平凡社、2017年)

こちら、とってもおすすめです。犬山さんご自身が、タレント・エッセイストとしてのキャリアを大切に思うがために、妊娠に二の足を踏まれたというご経験があり、タイトルのとおり、「欲しいかもしれない」という中途半端な気持ちに、そっと寄り添ってくれます。

悩んでいる人、専業主婦の人、仕事をしながら子どもを育てている人、シングルマザーの人、子どもを持たない選択をした人…。人生に正解なんかないと思うから、いろんな人の話を聞いて聞いて聞きまくって、いま抱えている不安をちょっとでも肯定できたらいいな。(犬山紙子『私、子供欲しいかもしれない。』より)

 この本の面白いところは、子どもがいないカップルや、同性婚カップル、ワーママ、専業主婦など、いろいろな立場の人にインタビューしているところです。「どの選択肢も正解だし、どの人生も正しいよ。授かっても楽しいし、なんとかなるし、それに授からなくても楽しいよ。」そういうポジティブなメッセージにとても共感しました。

②齋藤秀和・白河桃子『妊活バイブル』(講談社α新書、2012年)

 産婦人科医の齋藤先生と、ジャーナリスト白河桃子さんの共著です。生物学的には20歳から34歳が妊娠に適した年齢とされており、不妊治療の現場を経験なさった齋藤先生が、年齢を重ねることに対するリスクを、冷静に説明なさっています。しかし現代女性にとって、20代の早い時期に妊娠・出産することは、社会的に可能なのか?その点、白河さんがジャーナリストの目線で、現代女性の生きづらさを丁寧に論じていらっしゃいます。
 もちろん子どもを持つことが人生の正解ではありません。でも少なくとも、今の社会で「仕事も子どもも」と願うのであれば、戦略的に動いていかないというのが本書の主張です。初版から9年経っていますが、今でも参考になるところが多い本だと思います。

社会が整うまで、カラダは待ってはくれない。自らの将来を決めるのは自分です。知識を持ち、ライフプランを考え、この産みにくい時代に、子供を持っていただきたい。(白河桃子『妊活バイブル』「はじめに」より)

③河合蘭『卵子老化の真実』(文春新書、2013年)

ジャーナリストの河合蘭さんが、出産や不妊治療に関する豊富な取材経験を元に、年齢を重ねることに伴う様々な不都合な事実を紹介しています。
 一方、ショッキングなタイトルとは裏腹に、全4章のうち 2章は「第3章 高齢出産」「第4章 高齢母の育児」と、高齢出産&育児に焦点をあてており、冷静に現実は見据えつつも、比較的高い年齢での出産・育児にエールを送る本でもあります。

私は若い人にも、もっと妊娠、出産のリスクを知って欲しいし、高齢出産の人には年齢が高いからといって自尊心を失って欲しくありません。〜中略〜いつどのように妊娠すべきかという問いに、私は正解はないと思っています。でも、それを考えるための材料として、これからお話しすることがお役に立てれば幸いです。(河合蘭『卵子老化の真実』「はじめに」より)

本書は、もし自分がこの35歳以上まで授からなかったら、その先にどういう未来があるのだろう?とシミュレーションするのにとても役立ちました。

4. おわりに

以上、私の体験と、私にとっての参考図書をご紹介しました。犬山さんや白河さん、河合さんが論じていらっしゃるように、すべての人に絶対に正しい道というのは、無いと思います。ただ、考える材料として、この記事が、かつての私と同じように悩んでいる人のお役に立つとすれば、これ以上嬉しいことはありません。


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