Disparity

就活性同士で情報交換を兼ねた勉強会。


都市部のフードコートに集まった。フードコートと呼んでいいのか?

田舎育もんは洒落た新鮮な空気に飲まれた。

地方大学へ進学した劣等感も相まって都市部が苦手である。

毛根から爪の先まで武装した人々が

マウントを取りながら肩で風をきっていく。

推敲を重ねた渾身の一着を身に着けているのに、

自分が最下層の人間であるような気がしてくる。


密をなしている列に並び、少し値の張るアイスティーを買った。


行きたくても行けなかった大学に通っている人たちと会話する。

常に自分が評価されているような気がする。

価値のない人間だということが露呈すれば

要らないと判断される危機感。

そんなことばかり考えて粗相の無いように過ごす。

気が休まらない。


彼らからは与えられるばかりで、

こちらから提供できる有益な情報は何もない。

鼻から対等な立場にない。


コミュ力お化けならぬ就活お化けに食らいつく。


あらゆる格差を微塵でも感じさせたくない。

同じレベルである雰囲気を無理やり演出し、におわせる。

私は優れているふりをして過ごした。


帰りの電車で言い聞かせる。

まだ私は誰にも負けていない。

着地地点で勝敗が決まる。

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