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Genderまわりのこと

Gender/Sexual orientationまわりで、これまで見てきたことを書いてみました。


勇気のある子

留学するための学校に入った初日の夜。その日会ったばかりのクラスメイトが、テレビでcoming outをしていた。

私は夏や1カ月前の講座を受けていたので、クラスのほとんどが知り合いだった。簡単にみんなで自己紹介を、ということで、クラス形式ではなく、歩き回りながら1対1で話す、というものだったように思う。
その子は、にっこりと、名前を言った。いい印象だった。

その夜、新しい学校がいよいよ始まり、不安もあり手持無沙汰でもあった私は、寮の部屋についていたテレビを見ていた。
普段この時間にテレビを見ることはないが、たまたま石田衣良のNHKの番組があった。石田衣良は好きだったので、見ていると、昼間自己紹介をした彼が出ていた。
「勇気あるよね、顔出しで、名前も」
と、石田衣良に言われていた彼は、下の名前カタカナだった。
彼は、初恋が男の子で葛藤したこと、親には本を渡して理解してもらったが、兄弟には言っていないことを話していた。
当時私は、同性が好きな人は、好んでそうしていると思っていたが、そうではなかった。
これが私のopenly gayな人との出会いだった。

翌日学校に彼は来ていたが、なんせ何と言ったらいいのかわからず、もう少し仲良くなってから伝えよう…と思っているうちに、彼は学校に来なくなってしまい、辞めてしまった。その後会うことはないのだけど、クラスの共通の友達を通じて、私がテレビで彼を見ていたことは伝えてくれたそうだ。

Openly closeted

私がアメリカに行ったころ、ちょうどgay marriageが合法になり、大学の教授も男同士で結婚したんだって、と聞いた。

ここで私はgender studies classを取った。NYでとてもお世話になった教授は、Speechが専門だったが、gender studiesも教えていたからである。その頃教科書も書いていた(今は出版されている)。

このclassで、genderを体系的に、しっかり学んだ。しかもこの人は"Openly closeted"ということで、partnerがいて子供たちもbiologicalであることは認めるけれど、partnerの性別や自分のorientationは明かさない、という方針だった。普段いかにHeteronormativeであるかをstudentsに考えさせるためにやっていた。なぜgenderに興味を持ったのか?と聞いたところ、「時代的に、そういうことに関心を持つようになったんだ」とのこと。

このgender classには、openly gayな子がいた。
「このクラスでopenly gayなのは、僕だけかい?Straightのみんな、安心してね。今までstraightのやつらを何人も落としてきてるから」
と言っていて、すごい自信だと思った。

また、Sociology classでは、"結婚という制度は好きじゃないけれど、ひとりのpartnerと一緒に生活したいと思っている"という人がわりといて驚いた。

Authors

ちょうどNYにいたときに、libraryでジャケ買いならぬジャケ借りをして読んだYAの本の著者は、openly gayだった。

Nina LaCourというこの人は、高校の英語の先生で(think: 瀬尾まいこ)、女性と結婚してCAに住んでいた(今も住んでいる)。私が読んだのはこの人の第1作で、主人公はstraightだったが、転校生がgayだった。2作目も主人公はstraightだったが、一緒に旅をする仲間はgayで、3作目以降は主人公がgayである。
ただ性別が違うというだけで、そのほかは普通の(という表現も良くないけれど)、とても楽しめる小説だった。以来この人の新作はすべて読んでいる。この人が共著した人たちの本も読んでいる。

ちなみに、英語でgayと言うときは、性別は関係ない。女性でも、I'm gay, と言う。Queerと言うときも、狭義だけでなく、gay/bi/transgender/queerあたりをすべてこう呼んでいて、実際はgay/biを指すことが多いけれど。LGBTQIA+と同義で使われるように思う。
Queerもgayも、元々は"ちょっと変わってる"とか"楽しい"なんて意味。

Nancy

私はpodcastsが好きで、queer podcastも聞いていた。
このseriesはすぐに終わってしまったのだが、なかなか楽しかった。

Dorm

State Collegeで同じ家に住んでいた40人のうち、3人はgayだった…と日本の友達に言ったところ、"10%というから、もう1人だね"と言われて驚いた。(それは私もだったと言えなくもない)
ひとりは全然喋らず、まわりと関わらない子だった。男っぽい女の子というかんじ。
もうひとりはboyfriendがいて、おしゃれな子だった。
もうひとりは、のちに日本に旅行に来た子で、Halloweenでは相撲取りの人形付きのcostumeを着ていた。この子を含め、street fighterを家ですることがあったのだが、男キャラクターにかっこいい~と言っていて、そういうもんなんだな、と思った。

この家ではそのあとbiの子にも会った。私はそれまで会ったことがなかったので、迂闊に聞いてしまったが、
「Straightだって異性全員を好きになるわけじゃないから、biだからといって誰でも好きになることはないんだよ」と教えてくれた。

再会すると

そうしてアメリカにいる間、夏に帰国してみると、再開した女友達に彼女がいたり、バイトで一緒になった子がtransだったり、友達がbiでnon-binaryであることがわかったりした。
いるのだ、結構。そして、aceもそうだけれど、"自分だけじゃなくて、あの人も似てるところあるよなあ"と思う相手は、やはり同じような葛藤を抱えている。

友達は

私がアメリカを出る頃、she/her, theyとpronounsを言う文化が広まった。
一緒に勉強していた子が、その後non-binaryになったり、友達の結婚式に行って再会した子には、Trans partnerがいたりする。

ベルギーでは

ベルギーの制度はアメリカとほぼ同じで、genderの価値観も同じ印象だったのだが、じつはこちらのほうが寛容で生きやすいかもしれないと最近感じる。実際、gay couplesは町中でよく見るし、musicalにいるというのもあって、いろんなorientationの子がいる。Gay marriageは当然ながらできるし、"同棲しているpartner"という制度もあって、結婚とほぼ同じ権利がもらえる。ひとりで、いわゆるsperm donorを使って(それも目の色とか学歴とか選べて、男子大学生のバイトだったりする)子供を持つこともできる。

友達と話していても、対象の性別が変わるだけ、という自由を感じる。Musicalほどではないけれど、Urban Studiesにもqueerが多いらしい。

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