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【建築家の頭の断面図】「ELLISE:エリッセ」(NEMO)という照明のコト(照明)

照明でインテリアはかなり変わるってことを今まで話してきましたが、今回はNEMO社のELLISE(エリッセ)を採用するときのコトをお話しようと思います。

ちょっと話はそれるんですが、僕はTVを見ないので(そもそもTVが無い生活)、夕食の時間やお酒を飲むときの楽しみとして、「照明のカタログ」を見て楽しむことがあります。

そんな時に「次はこれを入れたい」とか考えて、どういうバランスで入れたら照明が魅力的になるかなどをイメージするのですが、エリッセに関してはかなりバランスを考えて設置した記憶があります。

エリッセ照明の見え方

エリッセのこの3つのリングは角度と高さが比較的自由に変えれます。また下二つのリングは下向きの光、一番上のリングは上向きの光なので、大きな空間で上下に光ることを想定しているんじゃないかなぁって思います。

そういう場所となると、この照明は吹抜か階段に設置されることが多いと思うのですが、ポイントは吊っているワイヤーの長さです。個人的にはマンションのような天井高が低いところでは照明の良さをあまり発揮しないかなぁって思います。(光の出方が天井面と床面それぞれに近いため)

エリッセの吊る位置

この写真のように、吹抜があった場合は天井から2,500㎜くらい下に落とすと、バランスがとりやすいかなぁって思います。

結局は部屋の広さとのバランスなので、エリッセを採用したい方、エリッセを要望された方はこの部屋との大きさで適正かどうかリングの角度は適正か、そしてそれを協力してくれる施工会社かどうかがポイントなので、しっかりコミュニケーション取りながら採用することをお勧めします。(決して安い照明ではないので、最大限力を発揮できるようにしたいですよねぇ)

先ほど施工会社が協力してくれるか(特に電気屋さん)がポイントと言いましたが、エリッセ含めてこういう海外の照明はいくつか注意点があります。
cdw以外の現場でもよく聞く現場の注意点をまとめると・・・

  • 施工するときに足場があるので思った高さ(低さ)まで照明を持ってこれない

  • 器具が重いためボルト吊りするのですが、ボルトが出ていない、ボルトが短い現場がめちゃめちゃ多い

  • フランジを埋め込む孔を大きめに開けてしまい、隙間ができる

などです。
この辺りはハウスメーカー、工務店、設計事務所全てにおいて、ホントによく聞く話です。これが起こるとどうなるかっていうと、天井はがして下地やボルトを入れなおすということになります。結果的に工期が遅れてクライアントに迷惑がかかるということで、注意が必要です。

僕もこの現場は着工前から、工務店の現場監督に会うたびに、「ボルト忘れないで」とか「フランジ開口にクリアランス取りすぎると失敗するよ」とかを言い続けた記憶があります。(たぶん面倒くさい設計者と思われてたかも)

このエリッセの取扱説明書の抜粋と、取り扱いしているヤマギワのURLを載せておいたので参考にしてもらえればと思います。

フランジ部施工

上部画像はエリッセ取扱説明書抜粋

yamagiwa HP内-ELLISSE PENDANT TRIPLE
181F-330W 取扱説明書引用

エリッセを少し低い位置に置くと、上部からも見れるので照明を2度楽しめます

上部から見るエリッセ

この照明のデザイナーは今をときめくデザイナー「マイケル・アナスタシアデス」です。
(下記にマイケル・アナスタシアデスの紹介が書いてあるURLを載せておきます)

この方に関しては、また他の記事で話をしようと思いますが、皆さんも一度は見たことある照明があるかもです。非常に意匠性に優れているので僕も大好きなデザイナーの一人です。

今回は私の好きな「エリッセ」についてのお話でした。照明のデザインだけではなく、どのように吊るとよいか、施工上の注意はどうかなども合わせて様々な分野の方に見てもらえたら嬉しいです。

今回のエリッセの物件はworksの「ARTBOX」の事例なので、興味があれば下記のURLから覗いてみてください。

youtubeにも「ARTBOX」をUPしておりますので、そちらもお楽しみいただけたら嬉しいです。


また、面白かった、参考になったと思う方は♡を押してもらうとcdw看板犬の「羅王(ラオ)」が喜びます。

今回はここまで。
ありがとうございました。