写真人生のすべてをかけて。空から撮る憧れの街。|Artist Interview - Yukinori Hasumi 4/6
What’s “Artist Interview” ?
写真のCURBONが、「写真の階段の登り方」をテーマに、活躍中のアーティストにインタビューする連載企画。Hasumi Yukinoriさんのインタビューを公開中です。
Hasumi's profile (@833__3)
埼玉県出身。”都市”の魅力を表現することを追求しているフォトグラファー。癒しや安堵を与えてくれる夜の街明かりをアイデンティティとし、東京とニューヨークへの強い愛着を原動力に、”都会への憧れ”を想起させるような作品を創ることを目指している。大学時代に建築を学んでいたことから、近代建築にも造詣が深い。
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ーー Hasumiさんがニューヨークでヘリコプターに乗って夜景を撮ったお話を、noteで拝読しました。あのnote(以下リンク)がすごく印象的で。
特に「インスタント食品を日本から持参した」というくだりが好きでした。ひとくちに「ニューヨークに行く」と言っても、目的は人それぞれですよね。
美食であったり、買い物であったり、お金の使いどころは人によって違う。そんな中でHasumiさんは、「ニューヨークの夜景を撮る」という経験に全力投球した。その選択って、もはや一種の美学だなと思いまして。
いやいや、僕はただのバカなんです(笑)。
なんて言うのかな、人生の中で一番燃えている瞬間と言いますか、もっとも楽しい瞬間が、空からニューヨークを撮る時なんですね。ヘリから写真を撮っている時こそが、生きているうちで最高の瞬間なんです。自分の中で、これより上の経験は絶対ないんです。何もない。
その瞬間を経験するためには、当然お金も時間もかかります。言ってしまえば、僕の生活のすべてはニューヨークのためなんですよ。家賃を含む生活費もすべてマイルにしてるんです。
ーー 徹底してますね!
これから先も、この考えは変わらないと思います。お金はかかりますけど(笑)。
あと、ニューヨークの写真をストックフォトとして販売しているのですが、そこで何年か前から好評いただけるようになりまして。機材の購入には費用がかかりましたが、ありがたいことにその分もペイできました。
ーーなんだか最初のコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)の話と対照的ですね。はじめはカメラに投資するのが怖くてコンデジを買ったとおっしゃってましたが、コンデジで撮った写真からお仕事には繋がらなかったわけですもんね。
えいやっ!とカメラに投資したことが、結果として良い循環になっている、と。
投資というか、ニューヨークを好きになりすぎちゃったんですよ……(笑)
ーー 愛がすごい。でも、結果として、お金をかけた分が戻ってきたわけですよね。
そうですね。ニューヨークへ行くためにお金をかけたら、その結果としてニューヨークで撮った写真が売れるようになった。それを狙って始めたわけではなかったのですが、あとからお金がついてきました。
ーー いいなぁ。それってきっと、「好き」の理想型の一つですよね。良い循環が生まれてて。
そうかもしれません。幸せなことだなとは思っています。
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Interviewer / Writer : 片渕ゆり(@yuriponzuu)
大学卒業後、コピーライターとして働いたのち、どうしても長い旅がしたいという思いから退職。2019年9月から旅暮らしをはじめ、TwitterやnoteなどのSNSで旅にまつわる文章や写真を発信している
Editor :伊佐知美(@tomomi_isa)
「旅と写真と文章と」をこよなく愛す編集者、フォトグラファー。日本一周、世界二周、4年間の旅×仕事の日々を経て、2020年夏より日本で一番人口の少ない沖縄県読谷村にて、海と空とさとうきびに囲まれた暮らしを開始
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