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経済を回して『日記:2024.5.5』

私は大学入学と同時にアルバイトを始めた。自分で使えるお金が出来てから、お金を費やすことを「経済を回している」と表現していた。

大学2年の時にコロナウイルスが蔓延し始めた。幸いにも私のアルバイトは影響を受けることはなく、むしろシフトを増やして働いていた。

落ち着いてきた頃、アルバイトの先輩や友人のご飯に行く機会があったり、趣味に費やすことが多くなった。ネットショッピングやデリバリーサービスに疎い私は、一歩も外に出られなかった時期は手持ち無沙汰で、バイト以外に何をしていたか思い出せないくらいだった。

何も無い私と私の周り。心が磨り減った気がした。

仕事を辞めた時、同じような気持ちになったことを思い出した。


仕事が忙しく「経済を回す」動作が全く出来なかった。友達の誘いは忙しいと断り、家族と過ごす時間より良質な睡眠と布団の温かさを欲していた。やっと社会人という立場になったのに、経済を回すどころか、経済とは掛け離れてしまっていた。

だから少しばかりの貯金があった。大して高くは無い金銭だったが、使わない分増える。減ってはいたけど、増える。繰り返していたし、仕事をしていない今も、月々払わなければいけないものを滞りなく行えているくらいはあった。

でも不安だった。節約しないとと思って、趣味にかけるお金を減らした。

心が磨り減った気がした。

それでも、働いていない自分が悪いし、趣味にうつつを抜かす時間があるなら小説や脚本を書かなければいけないと思った。


そして今日。私は雑誌を3冊買った。ついこの間好きなアーティストのCDを買ったし、好きなキャラクターのグッズを買った。もうすぐ夏だから、サンダルが履けるように新しいペディキュアを購入する予定である。

仕事を辞めてから7ヶ月。私は「経済を回して」過ごし始めている。

仕事を始めた訳でもない、収入が得られるようになった訳でもない、ただ貯金を使っているだけだ。

何も出来ないと心が磨り減っているその姿は、仕事で精一杯だった私が望んでいた私だったのかと考えてしまった。私が求めていたのは、好きなことに囲まれ、好きなことで生きていく人生なのではないか。
そんな気持ちが私を書店に、キャラクターショップに連れて行くのだ。

そのおかげで、私は今趣味に溢れた生活をしている。机や壁やバッグの中まで好きなもので溢れている。
節約するのも大切だが、私はそうやって先々の事を考えたことなど一度もないし、考えていたら仕事も辞めていないだろう。

どうせ切羽詰まった時にしか動けない人間なのだから、自分の楽しみである「経済を回す」を必要なことだと思ってやり切ろうと思う。


芸人雑誌も買った。私の部屋が私の好きな物で染まる。

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