報われない世界に僕は【創作:読めるラジオ】
[この番組は、ひとりっ子のひーちゃんが視聴者の様々な悩み・愚痴・不安・期待を自分の事のように真剣に考える視聴者一体型ラジオです。]
[なお、ラジオ内容は全てフィクションです。特定の人物とは一切関係ありません。すべて作者の妄想です。]
皆さんこんばんは。
ひーちゃんの日常、始まりました。
皆さんのお相手を務めますのは、生まれてこの方ひとりっ子、ひーちゃんです。
この番組は、リスナーが抱えているモヤモヤをひーちゃんの主観100%でお話していきます。
もしかしたら、傷付く方も、救われる方もいるかもしれません。「こんな考えをする奴もいるもんだ」と軽い気持ちで捉えてくださいね。
それではさっそく参りましょう。
ラジオネーム[打ちっぱなしに住む某アーティスト]さんからです。
[ひーちゃんこんばんは。僕は、小説家を目指す二十三歳男性です。僕はいつか小説家になることを夢見ながら、コンビニでアルバイトをしています。今どきは、SNSの投稿から作品を見つけてもらい書籍化したり、一般家庭の主婦の方が小説の賞を取ったりしています。小説一本で無くとも、今おかれている環境から何かを学び、小説を書くことが自分のベストだと感じており、様々なコンクールに応募してみたり、SNSに投稿したりしています。これは、いつか報われるのでしょうか?僕の作品が評価されるまでには、まだまだ努力が必要なのは分かりますが、自分はどこに向かっていつまで突き進めばいいのだろうかと不安になります。ひーちゃんには「報われる努力」について語って欲しいです。]
メッセージありがとうございます。
報われる努力。
難しいですね。
ひーちゃんは、「読むラジオ」にだけ存在するキャラクターです。
「読むラジオ」で、架空のキャラが架空の質問に真剣に考えています。
その裏には、「作者」が存在しています。
作者の言葉を代弁しているのが、ひーちゃん、と捉えて貰うべきかもしれません。
芸能人や小説家、アスリートなど、誰かに評価してもらったり、見て貰うことで仕事になっていく職業ってありますよね。
それらはとても夢があって、自分自身を認めて貰える、自分自身の可能性を信じてもらえるところに魅力があるのではないでしょうか。
でも彼らは平坦な道を歩いて今の職業に就いたわけではないでしょうね。
下積み時代、批判ばかりされる日々、ライバルに先を越されたり、スランプに陥ったり。
私達素人が想像出来ないような困難を、何度も何度も乗り越えて、プロになっていったんですね。
そこで諦めない人が、勝つ。
そこで悔しいと思える人が、報われる。
いやいつ?
いつなの?って。いつ頃なの?って。
分からずに突き進むから「困難」なんだけど、流石に突っ走るにも限界があって。
「必ず誰かが見てくれている」
「努力は必ず報われる」
それが奇麗事なのか、真実なのか。
経験した人にしか分からない不思議なのです。
私は、報われない努力もあると思いますね。
なんか、正当な努力かなそれ、みたいな人。
効率が悪かったり、あまり必死じゃなかったり、言い訳が多かったり……?
でもそれって結局は人の捉え方によるし、下積み時代が無くても売れる人は売れるし。
一体何を信じて頑張れば良いのか。
「好き」
ただそれだけな気がします。
ひーちゃんが大学生だった時に、「好きなものを仕事にするのは難しい」と教えてもらったことがあります。
自分の好きなことに大して、職として報われる人は一握りだから、じゃなくて、
自分の好きなことを、嫌いになってしまうから。だそうです。
仕事として取り組んでしまうと、好きな物も好きな物として扱えない。そういう意味です。
打ちっぱなしに住む某アーティストさん。
今の段階では「小説が好きだ」で突き進んで見るのが良いかなと思います。
貴方がそのまま進んで「小説が嫌いだ」「小説を書く自分が嫌いだ」
そう感じた時。
貴方の小説家としての夢は、努力は、報われないまま終わるかもしれません。
好きなまま、努力をする人にこそ、運は回ってくるのかもしれません。
経験者のみぞ知る、「報われる努力」の仕方。
ひーちゃんと一緒に、その境地に行ってみませんか。
ひーちゃんは、小説家になったら貴方と、またお話したいです。
皆さん、いい夜を過ごしてください。
ひとりっ子のひーちゃんでした。
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