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6つの論文から、効果的な商品の売り込み方を解説

「どれだけいい商品を作っても上手く売り込めなければ意味がない」
それは分かっているけど、どう売り込んでいいか分からないんですよ
そう悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
今回は科学的に検証されている”売り込み方”を5つ紹介していきます。
誰でも使いやすいように解説していくので是非最後までご覧下さい!

人は事実では説得できない

商品の特徴が本当に優れていたとして、それをアピールすれば売れるんだと思っている方は大間違いです。
人は事実だけで説得できません。人は優れていないモノをあえて選んでいる場合があり、自分がなぜ購入したかを分かっていないのです。

スターバックス vs マクドナルド

例えば、スタバかマクドナルドのコーヒーのどちらかを無料で飲めるとしたらどちらを飲みますか? もちろん皆さんはスタバですよね、なんてったって美味しいし。しかし、そう思った方は間違いです。
スターバックスvsマクドナルドによるコーヒー対決が行われました。(※1)その結果、マクドナルドのコーヒーの方が美味しいという結果になったのです。つまり、私たちは”なんとなくスタバの方が美味しそう”という思い込みに基づいて行動しているのです。

この例でわかる通り、人は自分がなぜ購入したかの理由を自分自身でよく分かっていない場合が多いのです。そこで今回の記事では”つい買ってしまう状況”を作り出す方法をご紹介していきます。

※1 A bitter shot for Starbucks: McDonald’s wins taste test

人を動かす5つの法則

法則1 選択権を与える

1つ目の法則は相手に選択権を与えることです。
この法則で最も有名なのは「BYAF法」と呼ばれるテクニックで、商品を紹介した後に「購入するかはあなたの自由です」と伝えるだけで2倍も購入率が上がることが判明しています。(※2)
選択権を与えるだけで2倍も購入してくれるなら、是が非でも使いたいテクニックですよね。

他にも、選択権を与えて成功した例があります。この研究では、寄付金の使い道を提案できるだけで20%も寄付率が上がったのです。(※3)
なぜこんなことが起こるのか。この現象に関して、脳の仕組みを調べたところ選択の機会が与えられるだけで脳の報酬系である腹側線条体が活性化することが判明しているのです。(※4)
要するに、相手の意思を尊重しますよ、選んでいいですよと伝えることで、コントロールできている感覚が生まれ、脳の報酬系が刺激されることで購入率が増加しているんですね。

※2 A Meta-Analysis of the Effectiveness of the “But You Are Free” Compliance-Gaining Technique
※3 C. P. Lamberton, J. E. De Neve, and M. I. Norton, "Eliciting Taxpayer Preferences Increases Tax Compliance," working paper, 2014; available at SSRN 2365751.
※4 L. A. Leotti and M. R. Delgado, "The Inherent Reward of Choice, Psychological Science 22, no. 10 (2011): 1310-18, doi.org/ 10.1177/09567 97611417005. L. A. Leotti and M. R. Delgado, "The Value of Exercising Control over Monetary Gains and Losses," Psychological Science 25, no.2 (2014): 596-604, doi.org/10.1177/0956797613514589.


法則2 1つに絞る

良かれと思って追加でプレゼントをしたり、在庫が余っているからといって無料でプレゼントをする施策は多く見られます。
しかしこれはよくありがちな間違いで、逆効果になる場合があるのです。

実験では、旅行を検討している人に次の選択肢のどちらかを見てもらい、それに値段をつけてもらいました。(※4)
①音楽プレーヤー
②音楽プレーヤーと音楽が1曲無料

当然、同時に2つの選択肢を比較した場合は②の方が高い値段がつきます。しかし個別にみた場合では、①の方が値段が高くなってしまったのです。
この理由としては、複数のモノが含まれていることで、買い手は総合的に判断するようになり、本来の商品の魅力を下げてしまうのかもしれません。

※4 Weaver, K., Garcia, S. M., & Schwarz, N. (2012). The presenter's paradox. Journal of Consumer Research, 39 (3), 445-460. doi: 10.1086/664497


法則3 社会的証明×類似性で強力訴求

「多くの人が使っています」と伝えると効果的ですよ。
こんなことは誰もが知っている事実ですよね。しかし、その効果をもっと強める方法はご存知ですか?

とあるホテルで、タオルの再利用を促すために3パターンに分けてホテルの利用者に呼びかけました。(※6)
①環境保護のためにタオルの再利用を呼びかける
②このホテルの大多数の利用者はタオルを再利用しています
③以前この部屋に宿泊したお客様はタオルを再利用をしました

その結果、最もタオルを再利用したのは③の呼びかけだったのです。
人は大勢の人より、自分と似た人が行動していることを知るとより行動したくなるのですね。
もし「顧客の声」などで第三者の体験談を載せる場合は、今狙いたいターゲットと類似した人を選ぶと効果的になります。

※6 Goldstein, N. J., R. B Cialdini and V. Griskevicius (2008). 'A room with a viewpoint:
Using social norms to motivate environmental conservation in hotels. Journal of Consumer Research, 35, 472-482.


法則4 先に与えろ!

最後の法則は先に与えるという一風変わった方法です。
先に与えてしまったら逃げられてしまうじゃないか!そう思いますよね。
しかし、この研究を見る限りそうではないのかもしれません。

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