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学費の貯金がなくても大丈夫!イギリスの学生ローン(スチューデントローン)は神。

日本では、子供の大学の学費や生活費の支払いが、親にとっては頭の痛い事の一つですよね。

英国では、英国国籍か永住権を持ち、英国領土内に大学入学前の3年間居住している人ならば学費の心配をする必要がありません。 英国のほぼ全ての大学の授業料は年に一律£9,250(今は円安ですが、£1=180円として約166万円) ですが、スチューデントファイナンスに申請すれば授業料全額、生活費(メンテナンス)も世帯年収に応じて貸与されます。もちろん利子もつきますが、年収が£25,000(約450万円)になるまでは返済義務が生じず、それを越えても越えた額の9%の返済なので、例えば年収£31,000(約550万円)ならば月々の返済額は£45(約8000円)。生活を圧迫することなく無理なく返済することができます。

しかも驚くのが、30年経つと時効となり借金が消滅します。チャラですよ奥さん!(残念ながら2023年度の入学生から、時効が40年に延びます。)
家庭の経済事情により大学進学を断念する事は本当に悲しい事なので大変良い制度だと思います。

大学院で学ぶ人にも学生ローンは適用されますが、学士、修士、博士、それぞれの学位を既に持っていない事が条件となります。大学院では生活費(メンテナンス)が基本的には出ないなど細かいルールの違いはあります

来年度、交換留学で海外で学ぶ息子。引き続きスチューデントファイナンスの対象となるので、追加の支出は飛行機代くらいかな~などと考えていたら、飛行機代まで出して(正確には貸して)くれる事が判明し驚愕しています(£300は自己負担)。 甲斐性のない私の様な親には実にありがたい。ローンを親名義でなく本人名義で借りるのも良い。
(上記は全て2023年現在の数字。残念ながら留学生には適用されません。)

しかしこのような抑え目の返済プランなため、現在、全額返済する人は約20%、時効が40年に延びる2023年度からの入学者でも55%と予測されています。大学進学者の増加もあり政府も資金繰りが苦しくなったのか、ここ数年は返済開始額が下がり、時効が伸び、金利上昇による利息率のアップのトリプル向かい風で以前よりも厳しくなってきていることも事実です。また家を買おうとモーゲージを組む際に借金として扱われるので、借りられる金額に影響が出るとTwitterのリプライで教えていただきました。

それを考えても、ありがたい制度であることには変わりないと思っています。借金であることには変わりないので卒業時の借入額は結構すごいことになりますが、借入額によってではなく収入によって返済額が決まる方式(←ここが神)ので、そこまで生活を圧迫するような事態にはならないだろうと呑気な私は考えています。

ここからは英国社会全体の話。

学ぶ意欲があっても経済的に難しい学生のために大変良い制度であり、ソーシャルモビリティ(社会階層間の流動性)を高める事にも一役買うと思うのですが、現実的には、例えば一族郎党誰も大学に進学していない層の人達にはこの制度も届きにくいようです。

なぜか「大学出てもローン地獄」みたいな誤解を招く新聞記事も定期的に出され、それを鵜呑みにして十分な成績があるのに大学進学を選ばない子供も多い。 (親もそもそも大学を出ていないので積極的に勧めない)

もう20年近く前の話ですが、息子が就学前、労働党が「全ての子供に良いスタートを」というスローガンを掲げ安価で利用できるトドラークラブ(保護者も一緒に、子供を遊ばせることができる場所)を沢山作った頃の事を思い出します。それも、経済的事情などにより子供を外に遊びに連れて行く余裕のない母子が社会から孤立しないように、とのアイデアから生まれたものでしたが、ふたを開けてみれば利用者は主にミドルクラスの親子が多く、もともとターゲットとした層には届いていないようでした。

英国に住んだ事がある人なら生活に深く根付いた階級社会に驚いた経験があると思います。大学進学は階層を流動化させる最も手っ取り早い方法であり、そのためのお膳立てもされていますが、一番届いてほしい層に届くのがなかなか難しく一朝一夕では変わらない階級社会の根深さをつくづく感じます。 (本人達だけのせいではなく階級のトップで恩恵受けてる為政者等が本気で変えるつもりがないのが一番大きいけど)

とりあえず英国の学生ローンは神。

詳細は下記のウエブサイトで。

https://www.gov.uk/student-finance/who-qualifies



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