夢への階(きざはし) -ときのそらメジャーデビューアルバム『Dreaming!』感想記事-
宿題
早いものでもう年の瀬。皆様いかがお過ごしだろうか。年末の特番やコミケなどで世間が盛り上がる中、私はこの記事を書いている。なんか毎年大晦日に記事を出している気がするな…。さて、今回はときのそらちゃんのメジャーデビューアルバム『Dreaming!』の感想記事だ。
「えっ、今さら?」と思うかもしれないので、経緯をご説明しよう。12月28日を経て、そらともとして5周年を迎えた私カップジム。これまでをふと振り返った時、1つだけやり残したことがあった。2019年3月28日発売の『Dreaming!』の感想記事を書いていないことだ。
私がnoteで記事初めて上げたのが2019年の10月なので、タイミング的には仕方のないことではある。しかしながら、今まで『Dreaming!』を除くそらちゃんの全てのアルバムやミニアルバムの感想記事を書いてきているので、感想が無いのはやはり気になるし、やはりいつかは書きたいと思っていた。そんな訳で、5年目の宿題である『Dreaming!』感想記事をアルバムが出てからの3年間も踏まえて書いていこうと思う。
1. Dream☆Story
アルバム1番手は『Dream☆Story』!パーティーのような賑やかさが聴いていて楽しい。作詞作曲はボカロPのキノシタ氏で、ポップな曲調が癖になる。合いの手にはYuNiちゃん、富士葵ちゃん、かしこまりちゃん、響木アオちゃんという今も最前線を走る4人が参加しており、曲に華を添えている。そらちゃんの事を知らない方に名刺代わりに紹介したい1曲だ。
『Dream☆Story』は数多くのシーンで披露されてきたが、中でも特に印象に残っているのは2019年におこなわれた1stワンマンライブ『Dream!』のアンコールだろうか。「夢の物語はこれからも続いていくんだ!」と期待を込めてサイリウムを振り上げ、合いの手を入れたあの時間は今でも忘れられない。あの瞬間から私の中でのこの曲は未来へ続いていく曲のイメージがある。『Dream!』のBlu-rayはミニアルバム『My Loving』の初回限定版に付いてくるよ~!
2. ヒロイック・ヒロイン
『ヒロイック・ヒロイン』には1人の夢見る女の子が不安を抱えながらもアイドルとしてキラキラ輝いていく、というアンダーストーリーがあると思っている。そらちゃんの可憐で力強い歌声と、buzzG氏の放つ軽快な旋律と明るさの中にあるどこか繊細な心情を描く歌詞が実に良い。イントロからブワーっと弾けるあの感じが好き。
この曲が印象深かったのは『Dream!』でのオープニング…と言いたいところではあるが、実は翌2020年におこなわれた豊洲NSSでのオープニング映像でのインスト版の使用が1番印象に残っている。アイドルとしてこれからステージで輝こうとする彼女たちに相応しい手向けだと、素晴らしい選曲に凄く納得した記憶がある。
3. コトバカゼ
『Dreaming!』内の楽曲の中でも、これまでに特に歌唱回数が多いのがこの『コトバカゼ』だ。作詞作曲された多田慎也さんの創り出す美しい世界観にそらちゃんの伸びやかな歌声がベストマッチしており、聴いていると心がふわりと軽くなる。
『コトバカゼ』は昨年のVirtual Music Award(ブイアワ)で披露されたものが史上最高として名高い(当社比)。歌声、パフォーマンス、感情の乗せ方…どれを取っても死角なし、最高最強完全無欠であった。
視聴可能なものとしては、先日の4thライブでのアコースティックver.が上げられる。ホールに響く美しい歌声はもちろん、一瞬の静寂すら染み渡るあの感覚を是非味わって頂きたい。なんと今なら定点カメラ視点のものをとってもお安く視聴することが出来るし、来年2月にはCD付きBlu-ray…ではなくEPの初回限定版の特典として本ライブのBlu-rayが付くので、皆買おう!…怪しい通販みたいだなぁ。
今なら期間限定でスペシャルなカバーも聴けますよ~。
4. ほしのふるにわ
『コトバカゼ』とは反対に、配信でも中々聴けない激レア曲が『ほしのふるにわ』だ。『Dream!』での披露のほかは、私の記憶が正しければこの生放送以外では歌われていない(厳密にはこの放送後のファンクラブ生放送にて再び披露しているが、現存せず)。
おとぎ話のように優しい曲調と歌詞が安らぎをくれる。曲全体の雰囲気が心地良く、私は所々で鳴っている鈴の音が主人公に寄り添う猫のようで好き。上記の生放送で披露した際には3年振りということもあり、大きく成長した姿を見ることが出来た。あの頃と今、もちろんどちらも好きだ。
5. 冴えない自分にラブソングを
『冴えない自分にラブソングを』はサビでの「らぶらぶらぶらぶらぶらぶあいうぉんちゅー!Foo!」という合いの手や間奏時のクラップが楽しい。歌詞は後ろを向くこともあるけど、頑張ろう!といったネガティブからのポジティブで元気が出る。石風呂氏によるサウンドもカッコいい。
この曲は披露するたびに常に進化していっているイメージがある。いつも思うのは、ラスサビでのあの上がり方は凄い。是非聴いてみてほしい。
6. IMAGE source
本アルバムリリース時に最も衝撃を受けたのが『IMAGE source』だ。それまでは歌ってみた動画の曲でもsoraSongを含むオリジナル曲でも、こういった激しい感じの曲はなかった。当時は彼女の新境地を見た気がしたし、後のカッコいい系である『刹那ティックコード』や『ブルーベリームーン』、『メアリースイート』に繋がっていくターニングポイント的な曲だと思う。年々聴くたびに力強さを増してカッコ良くなっており、今なお「何度も舌を巻いて」しまう名曲だ。そらちゃんも渡辺翔さんも凄い…。
7. ブレンドキャラバン
メジャーデビューアルバム『Dreaming!』発売の発表後すぐに上記の動画が上がったとき、弾む歌声と行進曲のようなリズムに心踊らせ、アルバムの発売がより楽しみになっていた。
この『ブレンドキャラバン』も渡辺翔さんが作詞作曲しているわけであるが、そらちゃんと我々そらともの旅路を表した歌詞が素敵で絶えず私の道しるべになってくれている曲だ。「迷っているのも それも醍醐味なんだって 言っていこう」というBメロの歌詞はある時迷っていた自分を導いてくれた。「まだまだ終わらない この夢がきっと ずっと永遠に 褪せることのない 時を君にくれる」というサビの歌詞は、そらちゃんのライブやホロライブのfes中に絶えず脳裏に流れている。
隊商は想い出という荷を背に、日々大きくなって夢への旅路を進んでいる。来年もこれからも、我々の、そして彼女の旅路に幸多からんことを!
8. 未練レコード
『未練レコード』はそらちゃんがボカロPさんに初めて作ってもらった思い出の唄。手掛けたのは『からくりピエロ』や『海を泳ぐ月』を生み出した40mPさんで、お洒落なJAZZ調の調べと切なくも最後は明るい未来へ向かう歌詞が素敵な曲だ。
『未練レコード』で印象的なことと言うと、今年のAZKiちゃんの生誕祭でのデュエットは最高だった。ソロでは2ndライブ『パラレルタイム』だろうか。あの物憂げな表情と歌声が忘れられない。
9. 海より深い空の下
感情に訴えかけるような歌詞と、そらちゃんの繊細だけど力強い歌声が魅力の『海より深い空の下』。ロック系のカッコいい曲だ。
この曲には色々想い出が詰まっている。アルバム発売の前年12月におこなわれたTUBEOUT!vol.1での先行お披露目は今でも覚えているし、『Dream!』での青一色も忘れられない。そして、『パラレルタイム』の演出はビックリしたので、是非『Dream!』を観賞後に見てほしい。ちなみに私はnote執筆中はこの曲をかけていることが多い。
10. そんな雨の日には
雨の日に聴きたいのが『そんな雨の日には』。名前通りだね。私は雨の日のドライブソングにしている。しっとりと優しい音色があなたの心を落ち着かせてくれるだろう。
この曲も中々のレア曲なので、歌枠などで聴けたらラッキーかも?
11. メトロナイト
夢想家の私は『メトロナイト』のような雰囲気の曲が大好物だ。この曲は夜にじっくり聴くのがオススメ。nightだからね。あえて無機質感を出しながらも凛とした歌声は、さながら都会の闇夜を照らす燈か。私は浮かんだ情景通りに退勤時のドライブソングにしている。帰り道は田舎道山道ばかりでまったく都会感はないが。
メトロナイトの真骨頂を感じたのは先日の4thライブの時だ。ギターが奏でる躍動感がシティーミュージックのようで、あれぞまさにメトロナイト!音質の良いスピーカーであの音と歌に浸っていたい。感想でも書いたが、音源化待ってます。
12. Wandering Days
『Wondering Days』には爽やかさとちょっとの切なさがある。どこか儚げな少女と過ごす夏の日々、というイメージ。しかしMVを見ていると色々と考察が浮かんでくるもので、多分単純な歌ではないと思う。自分が考えている考察はあるが…まぁそこは皆さまも思い思いに考えてみては如何だろうか。考察はともかく、アルバムから時間を経た今のそらちゃんが歌うとどんな雰囲気になるのか、気になるところだ。
余談であるが、この曲は私の中では何故か「犬を散歩に連れていく歌」で通っている。
13. 好き、泣いちゃいそうだ
私はこの曲が大好きだ。この曲の話題を記事に書くたびに毎回述べているが、私は『好き、泣いちゃいそうだ』がときのそらのBest of bestのアルバムソングだと思っている。もちろん、全ての曲にオンリーワンの良さがあって、比べるものではないと思っている。それでもあえて言っている。それくらい惚れ込んでいる曲だ。
これまでに散々書いて来た気がするが、改めて良さをお伝えしよう。全てだ!…といっては元も子もないので真面目に。第一に、まつもとななみ氏による青春ならではのフレッシュさと躍動感に溢れながらも、後一歩進めない恋のもどかしさを描いた、その空間をも切り取ったような天才的な歌詞が素晴らしい。そんな甘酸っぱい青春の日々を彩るのは青木康平氏の作曲だ。Aメロ・Bメロからサビへと徐々に駆け出していくような疾走感とサビで華開くような旋律が絶妙!Cメロの独白の如き静けさからの華舞うようなラスサビの流れは最早旋律を超越し、世界観に誘われる。毎回聴くだけで鳥肌が立つ。インスト版欲しいです。
そこにそらちゃんの透明感のある歌声が加われば、ほら神曲の出来上がり。心情に寄り添うような歌い分け、つまり強弱の付けかたが絶妙だ。透き通る声の伸びや曲の余韻の使い方も相まって、より曲の描くイメージを鮮明にしてくれる。そしてラストの「好き、泣いちゃいそうだ」というタイトル回収も秀逸で、ここの歌い方も配信やライブによって異なるのがまた良きだ。
節目に披露されることが多いこの曲は想い出と共に錬磨を重ねている。4thライブでの披露は生バンドの迫力とより洗練された歌声で魅せてくれた。しかしながら、アルバムが発売されてから今日までの中で私が忘れることが出来ないのが2019年6月28日の生放送だ。完成度で言えばまだ途上だけれども、今なお鮮烈に覚えているあの時間。この後の言葉も含めて、忘れることはないだろう。
アコースティックアレンジも良いねぇ。
14. おかえり
本アルバムに収録されている楽曲の中でアレンジが加わっている夢色アスタリスク(Dreaming!ver.)を除いて、公開が最も古いのが『おかえり』である。この記事を書くために(ぶっちゃけ)久しぶりに聴いたが、この優しさがときのそらって感じの曲でやっぱり大好き。私がそらちゃんの生放送に行く理由が詰まっている。彼女や皆と過ごした時間が走馬灯のように巡ってくるので、全ての生放送がこの曲の印象的なシーンだ。
15. 夢色アスタリスク(Dreaming! ver.)
この『夢色アスタリスク』には2つのバージョンがあり、オリジナルと、それをアレンジし再レコーディングしたDreaming!ver.だ。オリジナルは2018年1月28日に発表された、ときのそら2番目のオリジナル曲である。両方聴いて、それぞれのアレンジや成長を楽しんでみて欲しい。
この曲の魅力は圧倒的な高音だ。是非聴き味わってほしい。『夢色アスタリスク』はときのそらを語る上で欠かせない曲であり、生放送でのガチ歌唱や『Dream!』での大合唱は今なお語り草となっている。最早多くは語るまい。私達はこれからも群青の光を集めて、この曲と共に夢色の道を進んでいくだろう。
Secret track. シーソーゲーム
『シーソーゲーム』は初回限定特典ドラマCDの最後にシークレットトラックとして収録されており、単曲で配信もしている。この曲はそらちゃんと友人A氏(えーちゃん)のデュエット曲である。今やそれぞれがホロライブのトップアイドルと名(物)裏方であるが、ホロライブプロダクションはこの2人(+熊のあん肝)から始まった。ホロライブが大きくなった今でも、絆は確かに繋がっているのを感じられる場面が多々ある。
この曲を聴くと毎週木曜8時の生放送をワクワクしながら待っていたことを思い出す。あの頃がもう遠い昔のようで年月の流れを実感すると共に、今やこんなに大きくなった2人に、そしてホロライブにジーンときてしまう。ハモりもラスサビの歌詞も良いんだ…。
想い出を増して、夢の先へ
『Dreaming!』には実に多彩なジャンルが1つに詰め込まれている。毎日気分にあわせて思い思いの曲をチョイス出来るのが嬉しいところだ。皆さまもお気に入りを探してみてほしい。アルバムを持っていない人はデジタルでもCDでも良いので、買って。
こうして時を経てから感想を書いてみると、日常に聴く曲からライブで印象的に披露された曲まで、それぞれの曲に年月分の想い出が増したことでアルバム発売当時よりもさらに愛着が湧いていることに気づかされた。フレッシュな状態で感想を書くのもいいが、たまには少し寝かせてから書いても新しい発見があって面白い。好き泣いとかは、当時じゃこんなに想いはぶつけられなかっただろう。
『Dreaming!』は「バーチャルアイドル」ときのそらの軌跡の始まりとなった大切なアルバム。歌は時を増すごとにさらに磨かれ、やがては夢の星まで導いてくれるはずだ。来るべきその瞬間まで、いや夢の先まで、これからも大切に聴いていきたい。
ここまで読んで下さりありがとうございました!今年のnoteはこれで御仕舞い!2022年もこんな私のnoteを読んで下さり、誠にありがとうございました。今年は色んな方との交流を通して、(私にしては非常に珍しく)向上心を得た年になりました。まだまだ至らぬ点も多いですが、来年も楽しく書いていけたら嬉しいです!新年一発目は1月のアレ、次は2月のアレかな…?
来年も、どうぞよしなに!