あの頃と今

一昨日から流行り病に罹り、現在養生しているのだが、喉や頭がすげー痛かったりするもののとても元気である。どうせ元から休みも取れない身だし有給もたんまりあるので、病ついでに存分に休ませてもらおう(会社からは早く復帰しろと圧力を感じたが、知るか)。そんなことは置いておいて、養生するというのはまぁ暇なのである。そんな暇潰しに1つ記事を書いていこうと思う。

今回はメタい話なので、ご注意を。

私はちょうどおねんねしていたのでリアルタイムで見てはいないのだが、6期生holoXの沙花叉クロヱちゃんが来年の1月を持って配信活動を終了するそうな。彼女をそこまで追っていたわけではないが、やはり寂しい気持ちがある。ユニットを売りとしてきたholoXの1人としても、自分が応援するホロライブプロダクションにおいても、居なくなるのは寂しい。何回体験しても慣れないね…。後は、元々好きな絵師さんの1人がパセリさんということもある。卒業の理由に関してはご自分で見てほしい。彼女が決断したことだ。私如きがどうこう言うつもりはない。ただ、配信活動終了というのはこれまでの卒業と違って一抹の希望があるらしい。社が色々模索した結果なのだろうが、良い落とし所だと思う。

今年に入って、メルちゃん、アメちゃん、あくあちゃん、そしてクロヱちゃんと、理由はどうあれ立て続けにホロライブメンバーの離脱が起こっている。メルちゃんに関してはそもそもの原因が違うため省くとして、アメちゃんとクロヱちゃんは同じ配信活動終了の扱いで、あくあちゃんに関しては従来通りの卒業であるが、その原因がクロヱちゃんと酷似しているように感じる。

キャパシティオーバー、方向性の違い。以前も書いたが、私は社に関しては不信感を持っている人間。だが、卒業については最終的にはメンバー個々の判断になるので社ではどうしようもないというのは分かる話だ。キャパシティオーバーに関しては社のマネジメント云々という点で思うところがまぁ無くはないが、社として拡大するためにはある程度仕方がない仕事があるのだろうとは思う。

方向性の違いというのも難しいところだ。社として拡大するなかで今以上に突き進めなければいけないことや、時にはこれまでとは違う方向に舵を取らなければいけないこともあるのだろう。常に社会のニーズを見極めながら仕事をするというは大変だ。そんななかで、あくあちゃんとクロヱちゃんが言う方向性の違いというのが同一の意味かは我々の知る由もないが、個人のやりたいことと社の方向性が違うというのは現代社会にはよくあること。私も社会人やっているのでよく分かる。合わなければ去る、それが会社だ。

ただやはり、2人の原因が酷似しているだけあって、他のメンバーに関しても不安が拭えなくなってきたのは事実だ。私はホロライブに所属することが全てではないと思っているし、どんな決断であれ推しの判断を信じている。しかしながら、あれこれ不安になるファンの気持ちも分かるし、仮に自分の推しが同じ立場になったとして、その時自分がどう感じるのか…未だに検討もつかないのも事実だ。

思うに、ホロライブが誕生した2018年と2024年現在では社を取り巻く状況が大きく変わった。誕生した時はエンターテインメントなグループだと感じたが、2019年夏頃を境にアイドル路線へと変化し、今や立派なアイドル事務所だ。色々考えるなかで、周りと差別化をする意味で、アイドルという路線に踏み切ったのだろう。それに、始祖たる彼女がそもそもアイドルだと言うこともあるのだろう。私的にはホロライブメンバーはバーチャルYoutuber、Vtuberであると共にバーチャルアイドルという括りに入るものだと思っている。当時はエンターテインメントとアイドルの両刀になるのかと思ったが、最近は比較的アイドル寄りだ。だからこそ、年間を通してもっと3Dで歌って踊る姿が見たいのだが…。

そりゃ、会社なのだもの。今や上場企業である以上、成長するためには色々仕方がない一面があるのだろう。大枚はたいて造ったスタジオなのに肝心のメンバーが使えないというおマヌケな状況とか、そのくせ無駄なリソースは割いているとか、早く非公開の動画帰せとか思うところが無いわけではないが、それも色々仕方がないのだろう。色々ね。

なにも上場してから変わったわけではない。上場するより以前、2019年から2020年にかけて、社の動きが良くも悪くも変わり始めたことをよく覚えている。それまでの何でも有りな個が集まったホロライブから、グループとしてチームを意識したホロライブへと変わっていった。SSSの動画、1stFes.、Bloom,ライブ、2ndFes.…どんどんアイドル路線へ舵を切った。良いことだけではなく、かの国絡みのトラブルや、忘れもしない著作権やそれに関連した未だ終わらぬ動画非公開の問題もあった。

そして、特に2020年頃から界隈全体の雰囲気が大きく変わってきた。広く門戸が開かれ、多くの視聴者が増え、バーチャルYoutuberというものがより社会に知られていく一方で、様々な制限が掛かるようになった。グレーゾーンだった部分にはっきりと線引がなされるようになり、以前よりタレントが守られるようになった反面、あの頃を境にバーチャルYoutuberそのものの面白さがどこか低下したように未だに感じている。きっとそこから、本来のバーチャルYoutuberから今のVtuberに変わったのだと思う。

これは私個人の考えであるが、登場した当時のバーチャルYoutuberと今のVtuberというのは、全く違う意味の単語に聞こえる。少なくとも2018年からVtuberという略称は存在していた(と記憶している)が、その頃はあくまでバーチャルYoutuberの略称として使われていた。しかし、個を大切にしていたあの頃と現在では…なんというのか、個々の重さが違うように感じる。3Dでの活動が少なくなってきたというのもあるが、それは以前からある問題なので割愛。メタ的な話になるが、1つの身体に1つの魂でありその二身一体が重要、というのがあの頃の共通認識であった。だからあの時ゲーム部の問題が…おっと、この話題はやめておこう。

対して、現在はすぐに転生できる。失敗したときも、新しい自分になりたいときも、すぐに転生できる。昔に比べて中身に重きを置いているわけだ。もはや個が個である必要はなくなり、確かに自由度は増した。アレな話、今は魂が重要視されるのだから、仮に企業を離れて個人になったとしてもそれなりの人数を見込める。事実、最近そんなんで話題になった方がいましたね。だがコロコロと身体を変えるだけで中身は一緒だなんて、それは普通の配信者と何が違うのだろう?そもそも3D無くしてバーチャルである意味は?…なんて意地の悪いことをふと思ってしまうことがある。

別に現状がダメだとか、転生を否定しているわけではないので悪しからず。選択肢の1つとして転生は有りだと思う。古い人間の私としては、以前と容姿が似すぎていると拒否反応が出るものの、それこそやむを得ない事情での転生や新しい一歩を踏み出すための転生は全然有りだと思う。それに、転生もバーチャルの特徴の1つだし、以前から転生というものがなかったわけでもない。成りたい自分になる。それがバーチャルYoutuberでありVtuberだ。逆に言えば、ここまで転生が当たり前になるほどに世に浸透してきた証拠だ。

地上波に出たり、ラジオで冠番組を持ったり、大企業とタイアップをしたり、オリジナルソングが社会的にブームになったり、昨今のVtuberの躍進は黎明期以上に目覚ましいものがある。Vtuberが確実に文化として根づいてきていることを実感する一方で、あの時黎明期に驚きと興奮を持って目にしたバーチャルYoutuberはもういないんだなと寂しい気持ちにもなる。ただ、本来の意味とは違うとは書いたが、そうすることによって、よりバーチャルYoutuber、Vtuberが多くの人に知られることとなり、さらに発展していくのは嬉しいことである。色々複雑な気持ちである。色々ね。

これだけ書いたが、これは現在の私の意見。感覚で書いているところもある。転生云々や今のVtuber事情に関しては私もはっきりとした答えが出ていない部分が多々ある。時が過ぎたら、あるいは(あまり早く来ないで欲しいが)その時が訪れたら、また意見が変わるかもしれない。

かなり話題が逸れてしまった。メタい話をするタイミングが中々なかったのでつい余談が長くなってしまった。

つまるところ、社に対する不満はあれど、今回のようにどうしようもない部分があるのは確かに分かる。卒業に関してはあくまで個人の判断になるので、そこは何も言うまい。ただ前述したように、キャパオーバーという話が出ている時点でマネジメントが出来ていないのでは、とただの邪推に過ぎないのかもしれないが思ってしまう。個々の状態を見ながら的確な量の仕事を振るのも組織の役目だと私は常々思っている。仕事をやり過ぎてしまう人というのは一定数いるし、私の身近にもそういう人がいる。で、だいたいそう言う人は知らず知らずのうちに壊れることが多い。だからこそ、組織は適切に休養を促したり、仕事量をセーブさせるべきだ(すこぶる無能か超人で故障しないパターンもある)。それらも出来てこそのマネジメントだと思う。どうしてもやらなくてはいけない仕事があるのは分かるし、目まぐるしく変わるこの界隈、常に乗り遅れないようにしたいのは分かるが、それにしたって逸り過ぎだと昨今の動きを見ていると正直思う。多少の仕事量の削減もやむを得ないのではないだろうか。大きくなるのも企業として大切なのかもしれないが、そのためには既存を守るのも重要なことではないだろうか。私は株主でもないでもないからこれはただのゴミ意見だが、どんなに大きくなろうと肝心のメンバーが潰れてしまっては意味がない。メンバーを第一に考えてほしい。メンバーが社内でどういった立ち位置なのかは分からないが、少なくともメンバーの個々の努力でここまで社が大きくなったのは間違いない。殿様商売も甚だ…と、これ以上は言い過ぎてしまいそうなのでやめておくが、私も養生の身なのに人手不足だからさっさと復帰しろと圧を掛けられるくらいの素晴らしい労働環境に身を置いているので、ちょっと気になったという話だ。

今、私の推し達が輝き続けてくれるのはある意味キセキなのかもしれない。そんなキセキを大切に、これからも推していこう。

さて、気づけばもうすぐ夜が明けてしまうので、ここいらで筆を置くことにしよう。

その後…