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超越。進化のその先へ ―ときのそら Theatrical Cover Live『Role:Play』感想―

1,はじめに

去る2022年1月22日、バーチャルアイドルときのそらちゃんのカバーライブ『Role:Play』が開催された。今回は実に2年ぶりの現地ライブということで、大いに沸き立ったものの、あいにく私は諸事情でオンラインでの参加となった。アーカイブも切れた今さらながら、ライブの感想を述べていこうと思う(4月のBlu-rayまでに間に合ったからセーフ?)。今回はポイントを絞って、特に印象的だった曲について述べていこう。

2,昼公演

セットリスト
①太陽系デスコ
②HOT LIMIT
③まっさらブルージーンズ
④ロマンスの神様
⑤グッバイ宣言
⑥ファンサ
⑦冴えない自分にラブソングを
⑧シル・ヴ・プレジデント
⑨この世界で
⑩God knows…
⑪花時の空
⑫赤いスイートピー
⑬ガーネット
⑭ひまわりの約束
EN①ヒロイック・ヒロイン
EN②KumoHurray!

①太陽系デスコ

開幕いきなりの『太陽系デスコ』!カバー曲の原点とも言えるこのボカロ曲で、テンションは一気に高まった。バックで流れているMVも相まって、これまで歩んできた道のりを感じずにはいられなかった。もう5年なんだなぁ。

相変わらず圧巻のハイトーンもさることながら、少しも音程がブレずに歌う姿はまさに「喉からCD音源」と言うにふさわしい。パフォーマンスをしながらもこれだけの歌唱力が出せるとは…。

パフォーマンスはMVを踏襲しながらも歌って踊りやすいように簡略化されていたが、それでも彼女らしさが溢れていた。サビで腕をクルクルするのもかわいいし、Cメロでの高速で手をクルクルするのもスタイリッシュ感溢れていて好きだ。MVと見比べて違いを楽しむのもいいかもしれない。いつかMVのダンスの完全再現を…なんて密かに思っている。

③まっさらブルージーンズ

『まっさらブルージーンズ』は振り付け師さんによるオリジナルのパフォーマンスによって、より魅力的に仕上がっていた。

ポップで軽やかな歌声が心地良く、パフォーマンスもザ・アイドルといった感じでとても見ごたえがあった。スタイリッシュかつキュートなダンスは何回でも見直したくなる。サビで足をパパパッてやるの好き。

そして前曲の『HOT LIMIT』に引き続いて踊るあん肝ダンサーズがかわいい!小さい体でやたらぬるぬる動くのでとにかくかわいい!改めてあん肝のかわいさを知った。チャンネル登録者数3.7万人は伊達ではなかった。

④ロマンスの神様

お次は冬の定番『ロマンスの神様』。美しいハイトーンとそらちゃんの魅力を余すとこなく引き出したパフォーマンスが織り成す冬の贈り物だ。

透き通るハイトーンと声の美しい伸びが素晴らしい。特にCメロからラスサビにかけては(元々原曲で好きな部分であるというのもあるが)、本家さながらの聞き惚れるようなあの高鳴りを感じた。

パフォーマンスも素晴らしい。ピョンピョンと跳ねたり、ちょこんと座ってみたり、乙女らしさなとかわいさ全開だった。そらちゃんの代名詞である高音と歌うことを楽しむ気持ちが伝わってくる、ときのそらにしか出来ない素敵なカバーに仕上がっていた。

⑥ファンサ

『ファンサ』は欠かすことの出来ない曲だ。2年前の1stワンマンライブ『Dream!』以来の披露であったが、時を越えたその歌はさらに進化していた。

今回特筆すべきは表現力だ。ただ歌うだけでなく、歌に乗せた想いをより強く感じた。パートに合わせて時に楽しそうに、時にしんみりと、時に力強く歌う彼女の姿はあの日からの大きな成長を感じ取ることが出来た。

この歌を聴く度に、私は『Dream!』やそこへ至る日々を思い出す。あれから時が経って、世界も自分も変わったが、変わらない想いもある。これからも変わらぬ想いで彼女や彼女を取り巻く仲間達を信じて応援していこう。

⑨この世界で

ダイナミックで雄大な『この世界で』はアルバム『Re:Play』の中でも特に好きな曲だ。

そらちゃんとバラードの相性は最高だ。引き込まれるように伸びやかな高音が心地よい。静と動をうまく使いわけていて、迫る臨場感があった。

まるで夢に向かって一歩ずつ、嵐が吹き荒れようとも大地を踏みしめるように力強く歩いていく…、そんな決意を感じた。

⑬ガーネット

私服衣装に着替えての『ガーネット』はじんわりと温かい気持ちになれる、優しい曲だった。

そらちゃんのハイトーンとバラードが醸し出すハーモニーが心地良い。聞き惚れてしまう。歌枠でも歌っている曲であるが、ライブの空気を纏った紅の風はいつもと違う景色を魅せてくれた。

愛しい人を思う歌詞は全ての会場にいるそらともに刺さったことだろう。私服姿で歌っていることも相まって、懐かしい気持ちになったのは私だけではないと思う。そう、特別で大好きなんだよなぁ。

紹介した以外にも、キーが高い(褒め言葉)『グッバイ宣言』や意外な選曲『シル・ヴ・プレジデント』、めっちゃカッコいい『God knows…』など昼公演から珠玉のカバー尽くしであった。アフタートークの関ヶ原も笑わせてもらった(そういえばBlu-rayには入るのかしら?)


3,夜公演


セットリスト
①エイリアンエイリアン
②HOT LIMIT
③まっさらブルージーンズ
④ロマンスの神様
⑤怪物
⑥Butterfly
⑦冴えない自分にラブソングを
⑧アンドロイドガール
⑨嘘
⑩KING
⑪花時の空
⑫赤いスイートピー
⑬ガーネット
⑭ひまわりの約束
EN1ヒロイック・ヒロイン
EN2KumoHurray!

①エイリアンエイリアン

『太陽系デスコ』とともにときのそらを象徴するボカロ曲が『エイリアンエイリアン』だ。

『太陽系デスコ』同様のボーカロイドさながらのハイトーンボイスはここでも発揮された。やっぱりこの曲いいよね!

私はMVでの『エイリアンエイリアン』のダンスが大好きなので、アレンジしながらも披露してくれたのが凄く嬉しかった。


⑤怪物 

『怪物』はアルバムの時点で臨場感が凄まじく、ライブで聴くのを楽しみにしていた曲だ。

そらちゃんの『怪物』は感情表現や緩急の付け方が実に絶妙だ。1番2番ともにAメロは淡々と歌い、Bメロで徐々に盛り上がり、サビで弾ける。Aメロの時も表情でうまく心情を表現しているのはライブならではだ。ジト目すき。

2番が終わった後のCメロからラスサビに至るまでは圧巻だった。まるで曲の世界に入り込んだような迫る躍動感や、静から動へ向かう決意が伝わってきた。生で聴きたかった!


⑧アンドロイドガール

『アンドロイドガール』もアルバムの時から楽しみにしていた曲だ。

この曲は重ーい恋の歌であるが、段々人間のように感情を宿していくのが印象的だ。特にCメロは鳥肌が立ち、息を飲むほどなので是非見て欲しい。カッコいいそらちゃんの真髄だ。

歌はもちろんであるが、この曲で注目したいのは表情。激しい曲調ということもあり険しい顔かジト目が多い本曲だが、ラスサビ直前のCメロで一瞬フッと表情が緩む場面がある。そこが歌詞にマッチしていて実にいい。総じて、期待以上のハイクオリティな『アンドロイドガール』に大満足!!


⑪花時の空

曲を絞って感想を書くといっても、この曲はやはり外せない。インストだけで泣く自信がある名曲だ。

ホロライブには数多のオリジナル曲が存在するが、この曲の元となった『木の芽時の空』は2018年1月に公開された、ときのそらの最初のオリジナル曲であり、つまりは(当時はまだ存在していなかった)ホロライブプロダクションにおいても最初のオリジナル曲だ。ひょっとしたらバーチャルYoutuber内のオリジナル曲としても最古かもしれない。


『木の芽時の空』は2019年10月に作り手の路地裏ロジック氏によって『花時の空』へと昇華した。そして花時は昨年5月15日のそらちゃんのお誕生日に彼女によって披露されCD『くもはれ』に収録された、まさに最新にして最古の曲なのだ。なんと配信もしてるよ!

1番は木の芽時を踏襲しているが、あの頃より成長した今の彼女が歌うと感動もひとしおである。こうして大きな舞台で始まりの曲を歌うとはこの曲が公開されたあの日には思ってもいなかった。こんな素敵な景色を見せてくれた事に、ただ感謝しかない。

続く2番はアンサーソングとなっている。やはり路地裏ロジック氏は天才だ…、歌詞が美しいんだ。具体的な情景や思い出の場面を歌っているわけではないけれど「うんうん!そうだよね、そうだったよね…!」と赤べこのように頷きたくなる。歌詞の言ノ葉1つ1つが大切な想い出だ。

Cメロからラスサビにかけてのぶわーっと来る緩急はまるで花が開いていくようである。そらちゃんにつられて思わず涙ぐんでしまった。私はラスサビ前の「響きあう音は強く
この高鳴りと同じ速さで 夢の先へ」という歌詞が1番好き。

アイドル衣装ではなく、私服で歌っているのもまた良い。この後のMCでありがとうの気持ちが1番伝わると思いこの曲を選んだと言っていたが、想いはしっかり伝わっているよ。これからも夢の道を皆で歩んでいこう!


⑫赤いスイートピー

ジーンと来ている事もあり、続く『赤いスイートピー』はうっとり聴き味わった。

温かみと少しの哀愁を込めた優しい歌声が心に響き、歌詞の情景が瞼に浮かぶようだった。好きな人と寄り添っていきたい…シンプルだけどいい歌詞だよね。現地のペンライトも見たかった。

このカバーでは原曲に比べてややゆったりとアレンジされているが、それもこの優しい空気感を創り出している。曲調に合わせるように穏やかなハイトーンと声の伸びが格別だ。言葉を噛み締めながら優しく歌い上げるそらちゃんと、空舞う赤い花吹雪が織り成す世界にいつまでも浸っていたくなった。

EN①ヒロイック・ヒロイン

アンコール1曲目は『ヒロイック・ヒロイン』!アイドル衣装で再び登場だ!

1曲目がアイドル衣装のヒロイック・ヒロイン……、この組み合わせが『Dream!』を彷彿とさせるのは私だけだろうか。光り輝く星々を背に、歌もパフォーマンスもあの時より更に成長した姿を見せたそらちゃん。確かに夢へ近づいていると、そう感じた。

「ヒロイック・ヒロインはアイドルを夢見る普通の女の子の話だと思っている」と以前『Dream!』の感想記事にそんな感じだった事を書いたが、まさに今回の映画を題材とした『Role:Play』に相応しい曲ではないだろうか。実写化するなら絶対見るやつだ。夢色の道を辿り、いつか夢という星を掴んだ時、そらちゃんや我々そらともの眼下にはどんな物語が広がっているのか…、来るべきその日が楽しみだ。

(このスクショ撮るの、めちゃくちゃ苦労した)

EN②KumoHurray!

『KumoHurray!』は去年のそらちゃんのお誕生日に合わせてそらちゃんが作詞した曲だ(つまり『花時の空』はB面)。KumoHurrayという言葉は2018年5月~2019年6月までそらちゃんのTwitterで行われていた『くもはれ』という企画が由来になっている。またやって欲しいなぁ。

この曲にはときのそらのエッセンス全て、いうなれば彼女のこれまでとこれからが詰まっている。ときのそら語録や想いが1つに集まった、心が晴れ晴れ元気になれるエールソングだ。(๑╹ᆺ╹)ぬんぬーん!

声を出せるのが配信の良いところで、ぬんぬんコールしながらペンライトを振ってコメントも打った。疲れるけど、わりと楽しい。出来る事ならまた皆でコールしたいものだ。あー、ライブ行きたーい!

興味深いのが、以前発表した『青空のシンフォニー』ではそらちゃんの考える「ときのそら」の要素が100%だったのに対し、この曲ではそらともの要素も多く含んでいる。そもそも(๑╹ᆺ╹)ぬんぬんがそらとも発祥だ。嬉しいような、気恥ずかしいような…。これはあの日のアンサーだろうか。あんまり深読みし過ぎるのも宜しくないが、悩んでいた過去の自分を越えたのなら、嬉しい限りである。

夜公演はオトナな曲が多いようで、セクシーな『Butterfly』や哀愁の中に優しさがある『嘘』、更に進化した『KING』なども印象的だった。

4,時は再び刻み始める

ライブタイトルの『Role:Play』とはすなわち演じることだと思う。ライブという銀幕の中で主人公ときのそらがそれぞれの曲、すなわち物語を演じる。まるでオムニバス映画のようで、素敵ではないか。現地会場が映画館というのも(他に事情はあれど)、そういう事だからなのかもしれない。

今回のライブのメインはカバーソングであるが、ただ曲に沿って演じるだけではなく、しっかりオリジナリティを出し、ときのそらにしか出来ないカバーに仕上がっていた。物語に身を委ねながらも、ときのそらとしての芯とこれまでの成長はしっかりと伝わってきた。

ずばり今回のライブのまとめは「超越」だ。歌もパフォーマンスも、彼女の全てがライブ以前とはまったく異なる次元になっていた。歌はライブであるにも関わらず「喉からCD音源」の領域に達しており、それを遥かに越える曲も多く見られた。

パフォーマンスもオリジナル振り付けであった「まっさらブルージーンズ」を始めとして、どれも新鮮さがありながらも、いつものそらちゃんらしいキュートさと見ているだけで心踊るようなカッコ良さを兼ね備えた、魅せてくれるものばかりであった。

『Re:Play』で見せた進化をさらに越えた、これまでとはまるで違う彼女の姿。外面だけではなく、きっと内面も5年の中で磨かれ成長しているだろう。これを何と言うか…。私の拙い語彙では超越と言う他ない。

今回のライブでは『Dream!』にて披露された曲がいくつかあったが、思えば私の時間はあの日から止まったままだ。その翌年2020年1月のホロライブ1stFes豊洲NSSを最後に現地ライブやイベントには行くことが出来ていない。こればかりはどうしようもない事は分かっているが、だからこそ今回は揺れた。

池袋HUMAXはライブビューイングという形ではあるが、そらちゃんを初めて生で見た場所だ。始まりの地で今度は現地でそらちゃんに会える、もう一度時間を動かせる…そう思った矢先に間抜けなことに病院送りとなり、直前の情勢と自分の状態を鑑みて現地は取り止めた。人生でここまで悔しい思いをしたのは久しぶりだ。

けれど、そらちゃんはSPWNも第3の会場として見ていてくれていた。彼女がライブ前から言っていた「見ている場所がそれぞれの会場」いう言葉で、私の心は晴れていった。どこにいてもそらともは1つなんだ。

情勢は再び変わりつつある。元通りとは行かないが、あの頃に近い日々がまた戻ってきそうな予感がする。だから、私も過去の自分を越えてゆこう。今は駄目でもその次がある。そして1番見たい夢の景色を見る為に、今は休んでも歩みは止めずに進んでいこう。再び想いの炎を灯す事が出来たライブだった。

いつも新しい景色を見せてくれるそらちゃんを見ていると刺激になる。もっと自分を越えていく為に、もっともっとそらちゃんに感謝を伝える為に、私が出来るやり方でこれからも応援していきたい。そしていつか、私にしか出来ない応援の形も見つけたい。

つまり何が言いたいかというと、俺たちの推しときのそらは今までよりさらに凄くなったから、皆見ておくんなせぇ!という話だ。多少でも彼女の魅力が伝えられたのなら、記事を書いた甲斐があったというものだ。私の自分語りなどただの独り言なので忘れて頂いて構わない。ちなみに本公演のBlu-rayは早くも4月20日に出るので、是非見て欲しい(ダイマ)。

そらちゃん、本ライブに関わったスタッフの皆々様、各会場のそらともさん方、素敵な時間をありがとうございました!次こそ現地へ…!(切実)


感想はTwitterまで!
次回はhololive 3rd fes.Link Your Wishの感想記事でお会いしましょう!(こうやって言っておかないと書かないので…)