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心の傷から生まれる3つのタイプ

 人間関係の悩み、問題って、全部心の傷から生まれているといってもいいんじゃないかと思います。

人間関係だけじゃない、お金や仕事の問題も、健康の問題も、
心の傷と関係がない悩みや問題なんて、おそらく見つからないんじゃないかと。

だから、みんな仲良く暮らしていくために、もっともっと心の傷のことを理解しようよって思うんですが、このテーマにはなぜかタブー感がつきまといます。

まず親としては、自分が加害者だとは思いたくないはず。
自分が子どもを傷つけて、子どもの人生を台無しにしているとは考えたくないと思います。

子どもだって、自分が生まれてきたことを祝福されていたはず、そして自分は大事に思われて育てられた、と信じたいです。

ところが、現実はなかなかそのようにはいかないみたいです。

これから展開していく話で見ていけばわかるのですが、
結局親も心の傷があり、慢性炎症で末梢免疫細胞が活発になって認知機能の低下が起こり、子どもにイラっとしてしまうことがあるのはある意味仕方がないこと(自分でコントロールできる問題ではないから)。

ある意味、親も被害者だし、子どもも加害者。
「心の傷」のしくみを見ていくことで、
本当は被害者も加害者もないね、というのが、最終的にわかればOKだと思います。

そう、このしくみを理解していくことは、究極の赦しのプロセスでもあると思います。

心の傷から生まれるタイプとして、大嶋先生は3つのタイプをあげられています。
「共依存タイプ」、「退行タイプ」、そして「過剰適応タイプ」です。
それぞれ、ストレス時における反応の違いによってタイプがわかれます。

共依存タイプは、ストレス場面で他人の気持ちを考えてしまう。

ふつうは、ストレス場面でストレスホルモンが働き、「闘う、逃げる」など適切に対処できるから、ストレス感情がうまく記憶として処理されます。

が、共依存タイプは、ストレス場面で瞬時に自分以外の他人の気持ちなどを考えてしまい、そうするとその場で感じた自分の感情(怖い、ショックなど)が適切に記憶として処理されなくなります。

そうすると、後になって時間が経っても、その感情が繰り返し戻ってくるようになります。

共依存タイプの人は、ストレスホルモンが上がる現象が繰り返されるので、
炎症で末梢免疫細胞が活発になって認知機能が低下してしまうので、ますます自分が何を感じているのかわからなくなってしまいます。

生まれたときに親から「この子さえいなければ、、」と思われてしまったことから、共依存タイプの人の心の傷が生まれます。

母親がそう思う理由はいろいろあると思います(経済的に苦しい、自由がない、体調不良、夫が嫌いになったなど)。
そこで「迷惑な子」という心の傷ができるのです。

親からそう思われることは、子どもからすると殺意を受けているのと同じぐらいの恐怖。

その死の恐怖が潜在炎症となり、認知機能の低下が起きます。

共依存タイプの人は、それにより自分の感覚を適切に認識することができなくなってしまうのです。

自分の感覚って自己主張の素になっているから、自己主張の場面で親が「迷惑な子」ってイラっとするから、認知機能の低下によりどんどん自分の感情がわからなくなる。

自分の感覚がはっきりとわかっていて自己主張を続けたら、親の「迷惑な子」という殺意で生命の危機が増すので、「自分の感覚がわからない」というのが、サバイバル・生き残りの大事な反応となります。

自分の感覚がわからないから、瞬時に人の気持ちを考えてしまう。

そこで「生き残りの神経パターン」ができて、何をやっても自分の感覚や感情より他人の感情を優先して生きてしまう。

そうすると、その時の感情の記憶が適切に処理されないので、「何一つ自分自身で成し遂げたという感覚がない」というので自己肯定感が低くなってしまいます。

他人の気遣いばかりで、自分の感情は置いてきぼり。
自分が何を心地よいと感じるのかさえわからなくなる。
人当たりはよく、気遣いができるので社会では重宝されます。

「自分の感覚がわからない」ということで、自己免疫で自分を攻撃してしまい、「なんで自分はこうなっちゃうんだ」と自分を責めてさらに自己肯定感が下がる。

そういう人が親になったとき、過保護過干渉になるのは、ストレス時に瞬時に子どものことを考えるから。

共依存タイプの人は、過保護過干渉になりやすい。
共依存タイプの人に常に心配されたり、常に気持ちをはかられたりしているパートナーや子どもは、ストレスを受けたときに普通だと上がらないといけないストレスホルモンが逆に下がってしまうそうです。

退行タイプは、ストレス時にストレスホルモンが下がって子ども返りをする。

退行タイプの人のストレス時に対するパターンは、
まずストレスを受けた瞬間、上がるべきストレスホルモンがいったん下がる。そして後から上がってきて炎症を起こす。

炎症が自己免疫が正常細胞を攻撃すると、認知機能が低下するだけでなく身体のあちこちにも不具合が生じるようになります。

特徴的なパターンは、たとえば誰かに理不尽なことを言われたときに、
ストレスホルモンは上がらず下がる、そうすると涙目になりアタマ真っ白になって何も言えなくなる。あとからストレスホルモンが爆上がりして、相手への怒り攻撃が止まらなくなります。

退行タイプの特徴は、「キレやすい」。ストレス時にストレスホルモンが下がると、子ども返りをして怒りをぶつける、ということをしてしまいます。

退行タイプのストレス反応も、心の傷があるからこそです。
母親が共依存タイプで過保護過干渉だと、退行タイプになりやすいそうです。

心の傷は「卑しい子」。
「父親に似て、この子が卑しい子になったらかわいそう」ということで心配したり躾をしたりすると、それが子どものストレス刺激となりストレスホルモンが下がり、「卑しい子」の潜在炎症ができる。

その傷があると、「人のものを欲しがってはいけない」という緊張が普段から高いので、「欲しいかも」ってなったときそれがストレス刺激となり、ストレスホルモンが下がり子ども返りして、「なんであいつばっかりズルい」「なんで公平じゃないんだ」「嫉妬してみっともない!」などと自分を責めたり、他人を責めたりが止まらなくなります。

潜在炎症により自己免疫で自分を攻撃し、身体に不具合が出たり、やってはいけないことをやってしまったり、敵ではない人を敵だと認識して避けるようになったり、理不尽なことをまくし立てたり、ぞんざいな態度をとったりします。

どちらも心の傷があるから、、、

ストレス時で「キレやすい」退行タイプと、ストレス時で「相手の感情に右往左往してしまう」共依存タイプが組み合わされることはとても多い。

心理学用語では、「ナルシスト」と「共依存者」という名前で説明されることがあります。

※「ナルシスト」タイプは自己中心的、支配的、暴力的、などの特徴を持ち、
「共依存」タイプは自己犠牲、受動的、従順などの特徴があります。

ある意味真逆なタイプですが、どちらも愛着に問題を抱えています(人と親密になることが難しい)。

親子、パートナーシップ、友人同士、上司と部下、師弟関係などで、多かれ少なかれ、誰もがこのパターンの組み合わせの人間関係で、問題を抱えているのではないでしょうか。

そしてタイプと言っても、1人が1タイプに固定されていることはなく、相手によってタイプが変わることもあるようです。

退行タイプというアレルギー源と関わったら「共依存」というアレルギー反応が出たり、「共依存タイプ」というアレルギー源と関わることで、「退行タイプ」というアレルギー反応が起こる、という具合にです。

相手の失礼な態度とか言動とかでこちらの心の傷の炎症が刺激され、自己免疫が暴走する、というのならわかりやすいけれど、
その人がそのタイプ、というだけで、アレルギー反応が起こってしまうわけです。
つまり、自分が心配性だと、相手が子ども返りをしてキレやすくなる、といった感じ。
※ちなみに、心の傷がなかったら、共依存タイプと接しても退行タイプと接しても、不具合な反応は何も起こらない。

お互いにアレルギー反応起こしているときは、地獄です。
共依存の方は、相手の子ども返りにオロオロしたり、「この人を正さなきゃ」と子ども扱いしたりし、
退行タイプの方は、その相手のリアクションで怒りが止まらなくなる。
お互いにストレスを刺激しあい、怒りを増幅しあって、ストレスホルモンで炎症を起こして認知機能が低下しているところでの売り言葉に買い言葉。

この解消法は、相手がどのタイプでそれがどんな仕組みだと知っていて、
アレルギー反応が起こったときに「自分が共依存タイプだから相手がこうなってるんだ」とわかったり、
退行タイプの人が「この人は共依存タイプだから、自分がこうなってるんだ」とわかれば、アレルギー症状が治まり、相手に対する反応が健康になって、自分の自己免疫暴走もおさまるし、相手もおさまってくるようになります。

「共依存タイプ」と「退行タイプ」の話、皆さんの実体験の中にも少なからず思い当たる節があるのではないでしょうか?

この大嶋さんの理論を読んでいて思い出すのが、
エックハルト・トールのペインボディの話。


ペインボディというのが、まさに心の傷による潜在炎症のこと。
そして、ペインボディが活性化している時というのが、
炎症で自己免疫が暴走し、認知機能が低下し、、、というところですね。

エックハルト・トールさんは、ペインボディの溶かし方として
1.認識する
2.観察する
3.何もしないで今に在る

ということなんですが、これがなかなか難しいんです。

そこへきて、大嶋さんの理論を加えて「ペインボディのタイプを知り、活性化しているときのメカニズムを知る」というのがあると、より不具合な状態から早く抜けやすいなと思いました。

次回は、大嶋さんのブログから「共依存タイプ」と「退行タイプ」の見分け方をまとめてみます。
※三つ目の「過剰適応タイプ」はそれ以降で紹介します。

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