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旅立つ

命とは
燃やすものなのか
命とは
全うするものなのか

誰か教えてくれ
美味しいと頬張る最期を
また見たいねと見納める景色の最期を
あの人との最期の挨拶を
次がないのならば
もっと
もっと大切にするのに

一年後のことなど
誰もわからない
半年後も
一か月後も
明日のことさえもわからない

でも
当たり前に来ると思う
明日の朝日を
次の再開を

そして
いつものように
笑えると、思う

二度と会えないことなど
想像もしない



こんなことならもう一度
会いに行けばよかったと悔やむ
それでも
会いにいったところで
これで終わりにできるわけじゃない
もっと
もっと時間をと
それができなかったことを悔やむに違いない

我が人生に悔いなし
そう思えることは
多分…ない

生きている限り
貪欲に欲しいものは広がる
贅沢だと言われようが
求めすぎだと言われようが
もっと。は広がる

あふれ出る泉のように
どくどくと流れ出る血液のように

それが
生きる
ということなんだと思う

明日が最期の日と知り
願いを一つかなえてあげると言われたなら
もう一日欲しいと
願うだろう


今日が人生最期の日だと思って
悔いのないように生きろ

なんて、
無理に決まっている

明日が最期と言われ
どんなにやりきったとしても

悔いがない、なんて無理なんだ

人は
生きている以上
可能性と奇跡を信じる生き物だから

会いたい人に会えたとしても
また
明日も会いたくなる
明後日も

正直なそんな気持ちを
受け入れるたびに
悔いは残る

どうしたって
もう一度

繰り返したいんだ


あなたに
会えないことが
今はとても
寂しい


あなたは
その瞬間に
何を思い
何を描いていたのだろうか


どうか
それが
幸せなものであってほしい

答えのない
願い


どうか
笑顔で
どうか
あの世でも幸せに


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