[Cultivate the future maniwa 2023]真庭市でキックオフ・アイディエーションワークショップを開催!
岡山県真庭市と株式会社ロフトワークが主催する、真庭市内の企業が外部企業と共に、真庭の未来に繋がるイノベーション創出を目指すプログラム「Cultivate the future maniwa 2023」。
"共創"の文化を真庭に根付かせることを目的とした本プログラムも3年目を迎えました。約50もの人や企業にヒアリングを行い、サステイナブルな未来を生み出すために"いま本当に大事なこと"を導き出し、6つのチャレンジテーマとして設定しました。
https://note.com/cultivate_maniwa/n/n398dd3697e26
昨年と同様、5チーム(市内企業5社と都市部企業5社の総勢10社)がビジネス創出に向けて自分たちの想いをぶつけ合いました。本記事では、初回のキックオフ・アイディエーションワークショップの様子をお届けします。
キックオフ・アイディエーションワークショップ レポート
10月7日(土)、8日(日)の2日間にわたりプログラムの第1回ワークショップが実施されました。
昨年に続き、地元の高校生もプログラムインターンとしてワークショップに参加。今回参加したのは1、2年生の男女合わせて8名。それぞれが各チームに分かれ、高校生ならではの視点やアイデアで今後もプログラムに関わっていきます。
また、昨年に続きビジネスメンターとして藤田圭一郎さん(Setouchi Startups共同代表)にも初回のワークショップから参加していただき、各チームにアドバイスをいただきました。
来年2月に東京・SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)を舞台に行われるピッチイベントに向け、真庭市内の事業者、都市部の事業者、そして地元の高校生がそれぞれの視点で”NEXT サステイナブル”を生み出すために実施されたワークショップの様子をお伝えします。
<DAY1:キックオフ>
JR姫新線・久世駅の前にあるコワーキングスペース「エキマエノマエ」で、DAY1のプログラムがスタートしました。
1. 自己紹介&アイスブレイク
参加者それぞれが参加した想いを語った自己紹介の後、高校生も交えて各グループで3つのホントと1つのウソを書いて共有し、聞き手はその中からウソを見つけるという「ウソ、ホント?」ゲームをアイスブレイクで行いました。
2. フィールドワーク
真庭市内企業の理解を深めるため、5つのチームそれぞれの活動場所を視察しました。
3. チームビルディング
今後の活動に向け、「チームキャンバス」を使ったチームビルディングを行いました。
<チームキャンバス内容>
・プログラムに参加した「目的」を共有
・プログラムで目指すチームの 「目標」を立てる
・目標に向けたチームメンバーの「役割」を話し合う
・メンバーの価値観を共有しチームで大切にしたいことを話し合う
・チームのルールを立てる
・チーム名を決める
4. 交流会
DAY1のキックオフ終了後は交流会を行いました。食事はプログラム参加者の金田商店・金田さんが経営されている松川食品の美味しい焼き鳥や地元・真庭の味を知ってもらうべく、ひるぜん焼きそば作りをみんなで行い、1日の疲れを癒やしました。
また、都市部企業の方々には久世駅近くの周辺旅館に宿泊していただき、地元の方と交流する時間も設けてもらいました。今年3月にオープンした雑貨店・山窩(さんか/SUNCA)さんにもお邪魔しました。
<DAY2:アイディエーションワークショップ>
1. 真庭の地域理解
DAY2の午前中は蒜山地域を訪れました。
絶滅危惧種の「フサヒゲルリカミキリ」の生息地である蒜山の草原や、昨年のプログラムの発表(ピッチイベント)の場となったGREENable HIRUZEN(グリーナブルヒルゼン)、ジャージーランドなどを視察し、真庭の自然や雰囲気を肌で感じました。
2. アイディエーションワークショップ
DAY1で出しあったそれぞれのアイデアをベースに作業を進めました。今回、チーム毎に異なるプロセスでビジネスモデルキャンバスとプロジェクトロードマップの作成を行いました。
それぞれビジネスメンターの藤田さんのフィードバックをもとに、今後アイデアに磨きをかけていきます。
【有限会社金田商店 × サーモメーター株式会社】
このチームでは、地域に根付くスーパーを営む金田商店と、デザイン・ブランディングの知見を活かした自社事業や事業開発に取り組むサーモメーターが、デザイン経営の考え方をもとにアイデア企画に取り組みました。
長期的には「真庭を代表するスーパー」、「SDGsを代表するスーパー」を目指し、共創の第一歩としてオリジナル商品の開発や、店舗の什器開発などのアイデアを出し合いました。
【木工房もものたね × 株式会社飛騨の森でクマは踊る】
このチームでは、真庭で木工房を営みながら未来の真庭の森を考えているもものたねと、岐阜県飛騨市で人と自然が交わりながら森の価値を捉え直す活動をしているヒダクマ(株式会社飛騨の森でクマは踊るの通称)がタッグを組み、100年後の理想の山を考えるため、広葉樹の価値を知ってもらう、広葉樹を使ってもらう/販売する取り組みを考えました。
【樋口木材 × FROM NIPPON】
真庭の美しいヒノキの価値をより伝えていくことで、節のないヒノキを育てる技術や人材を継承していきたいと考えている樋口木材と、日本がもつ伝統・技術・文化・生活を活かしたプロダクトデザインを行うFROM NIPPONのチームでは、ヒノキの価値・特性を表現した製品開発のアイデアを考えました。
【株式会社今本屋 × 株式会社ミーティング】
真庭で就労支援A型事業所を運営する今本屋と、「物事に物語を」をテーマに本質的な価値と向き合って戦略立案からサービス開発までをプロデュースするミーティングが、長期的に「障がい者と健常者の境界をなくす」ことを目指し、アイデアを出し合いました。
障がいのある方が多様な働き方を選択できる・稼ぐことができる仕組み化を見据えたプロダクト開発を検討していきます。
【まにわ日本蜜蜂企業組合 × 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科】
都合により、今回のワークショップは慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)のみの参加となりました。まにわ日本蜜蜂企業組合が運営する「下湯原温泉ひまわり館」を取り巻く環境や資源に対してフィールドワークやインタビューを重ね、「ジビエの価値伝播」をテーマに今後アイデアを具体化していきます。
※各チームのアイデアは今後のプログラムを通じて、磨き上げられ、異なるものになっていく可能性があります。
<第2回のワークショップに向けて>
2日間のワークショップを終え、各チームが今後の事業の種となるアイデアを創出しました。
各チームは週に1度のペースでミーティングを重ねながら、1ヶ月後の第2回ワークショップに向けて準備を進めています。
年々パワーアップするプログラム自体の成長を物語るかのように、運営メンバーも過去最多の10名以上、そして真庭出身の方も2名スタッフに加わりました。
昨年から参加している筆者としては、確実に"共創"の文化が真庭で根を張っているのを実感しました。
また筆者が最近読んだ記事にこんな一節があり、とても腑に落ちたので引用します。
“そもそも、みんなで集まって議論をする最大の目的は何か。それは、自分ひとりでは何日、何カ月かけても到達できないような発想が、みんなで言葉を交わし合いながら生まれること、その一点のみなのです。”
この2日間で行われてきたのは「まさにこれだ!」という感覚です。
今年もとてもすばらしいアイデアの数々が生まれる瞬間に立ち会えることに、スタッフのひとりとしてワクワクしているところです。
そして、来年2月には東京・渋谷でのピッチイベントが控えており、そこで発表される様々なアイデアには、昨年以上の大きなものが生まれるのではないかと今から期待しています。
「Cultivate the future maniwa 2023」
「GREENableな真庭の未来を創り出す。共創の土壌を耕す。」をコンセプトに、真庭市内の事業者と都心部の企業が共に、SDGsの視点から真庭の未来に繋がるイノベーション創出を目指すプログラム。
▼プログラム WEBページ
https://lab.org/consortium/cultivate-the-future-maniwa
主催:岡山県真庭市
運営:株式会社ロフトワーク
▼原稿執筆
真庭市地域おこし協力隊/ライター 酒井悠
岡山県真庭市在住のライター。東京生まれ東京育ち。プロモーションと地方創生の仕事をする中で、縁あって2022年5月より岡山県真庭市の地域おこし協力隊として働く。
前職で、地域の観光分野の課題解決となるサービスを提供しており、全国の様々な自治体の実態を知り、企画やライティングといった分野で案件に参加。
その中で、そこに住んでいる「人」や関係する「人」が大事であると気付かされ、真庭市では、外から来た人間だからこその視点を活かし、ライターとして真庭の人の個性を理解しマッチングさせていければと考えている。
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