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Summer Pockets REFLECTION BLUE 感想 考察

最近iosで発売されて、改めて2周目を全プレイしながら感想を書きためてみた。内容の感想というよりは、「プレイして自分が感化されて想ったこと」を書いている感じ。なので、皆さんが書いている感想とはズレていると思う。

※6/18 追記・内容変更を行った。
公式ショートーリーとドラマCDを聞いて、考察と感想が結構変わった。

●蒼ルート

蒼がどんどん記憶を整理するのに眠る時間が長くなって、藍が起きた後に蒼が眠って一度起きて思い出を辿るようにハイリにおぶられて歩くシーンは良かったなと思う。あの蒼が再び目を覚ますまで何年経ったのだろう。藍は、蒼がしてくれたことをそのままお返しするだけと言っていた。そのお返しが叶って良かったなと思う。

逃げないで、藍の記憶を取り戻すことを続けてきた蒼。藍に話続けた。その日々が無駄にならなくて良かったなと思う。ただ、藍の心臓が止まりかけたように、植物人間状態に近いいつ目覚めるかわからない、目覚めないかもしれない先をみて、どこまで頑張り続けられるのだろう。同じように末期がんや半月の里香ような拡張型心筋症等、別れが来ることが不確定に分かっている近しい人に対して、ちゃんと向き合って接し続けられるのだろうか。藍の七影蝶を見つけられればという希望は確かにあっただろうけれど、それだけで蒼みたいに、逃げずに続けることは、葛藤や諦めや恐怖と対峙しながらになるだろう。そこに向き合うには、何が必要なのだろうと考えさせられる。

●しろはルート

どすこい。
他人のためにひとりぼっちでいようとするしろははどうしようもなく優しくて、そんなしろはをハイリは島の皆と繋げてくれた。ハイリがしたように、小さな関わりの積み重ねが人と人を長く繋いでいくものだと思えた。

「この島のザリガニには毒がある」とウソをつくしろは。子どもの試し行動に該当する感じがした。ハイリを信じていいのかの無意識の行動か。毒を抜いたと言うしろはのことを信じて食べるハイリの行動は、毒の疑いは拭えていないけれど、調理してくれたしろはを優先する心遣いを感じる。
また、しろはが熱中症になるシーンで「見えたから」「試してたの」「待ってたの」としろはは言う。ハイリが来て助けてくれるのを待ってたということだろう。ハイリを頼りにしたいという想いと迷いによる試しを行ってたのかな。ザリガニの時、今回の時に、しろははハイリに笑顔を見せる。どちらもハイリがしろはを信じられる人と思えた瞬間だからだろう。
ハイリのように、上手いか下手かという能力や嘘か本当かや年齢・性別・産まれ等々基準よりも、その人との在りたい関係性の基準で、人をみて行動出来る人になりたいなと思う。

「なんとなく子供の頃から言われるとしみついてしまう」という天善のしろはへの認識。堀田ちゃんもハイリと言葉を交わして最後に元気な姿を見せてくれた。子どもの頃に貰った言葉っていうのは重みが違って、大切なものなんだなと思う。深層心理に無意識のうちに染み込んでしまっている。いい言葉も悪い言葉も、分かっていても縛られて変えられないもどかしさ。気を付けたいなと思う。

未来が決まっていたとしても、しろはは泳げるように頑張っていた。そして、皆との夏を楽しむことを選べて良かったなと思う。ハイリは、「やれることはするしかなくて」と言っていた。本当に何か避けられないこと(避けられないかもしれないこと)があったとしても(例えば死や別れ、自然災害、出会いや約束)、それまでに避けられるかもしれないと思うことで出来ることがある。避けられないことが来る前にやりたいこと、起こってしまった後のためにしておきたいことは出来る。そうすることで、避けられない何かがあったとしても、その先の未来は何もしなかった未来よりも、ずっと良いものになると信じたい。「やれることをする」というのは特別なことではなくてもどんなことでもいい。言葉一つの小さなことでも、それは他の人には大きな価値があることかもしれない。受けとるのは相手でありその価値は相手が決めるもの。

どんなに失敗しても、逃げても、その経験はいつか誰かの役に立つ。そうハイリは言っていた。過去の体験の意味合いは、その時々で変化していく。経験した自分自身が過去の出来事に意味付けしていくものだから。だから、悪いことが本当にいいことだったと言えるということは、その後に失敗を埋めてくれる大切な誰かとの出会いや体験があって、上書きされたからこそだと思う。

しろはルートで出てきて、海上へ導いてくれた七影蝶は、声からうみちゃんだと分かる。あと、良一の妹が唯一出てくるルート。れいだーん。

気になるのは、うみちゃんが鏡子さんに「よくハイリくんの話してたよ」ということ、内容は秘密とのこと。

●のみきルート

正直夢の話がもう少しましな話だったら良かったのにと思うのは我が儘か。本当に両親だったらいいなと思う。三者面談に島の皆が駆けつけてくれたのは嬉しかった。

のみきが島の人たちから愛されて育ったんだなと感じられる物語だった。それは今の地域社会が無くなってきた現代へのメッセージだろうか。でも、地域社会とまでいかなくても、人と人との関係において、何かを誰かのためにすることは、自分にもちゃんと返ってくるんだなって思う。他のルートでも言えることだけど、周りが今夏来たばかりの、そんなに親しいとは言えなかったハイリのために応援してくれることが沢山あった。豊かな心、人は、周りの人たちの愛情から育まれるものなのかなとも思うし、それはまた誰かに自然とお返しされて、いい循環で連鎖していくものなのだと思う。逆に悪い連鎖も然りだけれど。自分も旅の先々で色んな知らない人にお世話になったのもいい思い出で、世界を良いものと信じられることで人への関わり方も変わってくるんだなって思う。そういう意味で、紬のあの真っ直ぐさを本当に見習いたい。

「島の人達みんなが家族」というのは、血の繋がりだけが家族じゃないことを教えてくれる。識ものみきもしろはも両親がいない環境で育った。でも、愛してくれた人が周りにいた。家族という意味を戸籍という社会的表面的な形で見ることはできても、本当は家族と呼べるような関係になってないところも少なからずある。何を置いて家族と呼べるのか、ちゃんと考えないとなと思う。

「島の夜の明かりに家族のような温かさを感じる」と言うのみき。見え方は、その人の対象への気持ちによって変わる。何でもないものが大切なものに見える、宝物のようになる。自分の価値基準で他人を見がちだけれど、その人なりの背景があってこその視点や価値観。それに触れることが出来るから、人と人とがお互いに歩み寄ることは、傷つくことはあるかもしれないけれど、それ以上に素敵なことがあるのだと信じたい。

正しくあろうとしすぎると、それは自分を押し殺すことにも繋がる。本当はこうしたいのにと思うのに、それを自分が許すことができないほど、想いとは違う正しいと思うことをやって苦しむ。のみきが言うように、何処かでバランスをとると言うことがいいのだろう。けれど、自分一人だけじゃ支えられる限界もある。自分だけじゃどうにも出来ないこともある。だから、周りに自分らしくいられる居場所、自分の想いを聴いてくれる居場所、支えてくれる居場所が必要なのかと思う。それは実の家族でなくてもいい。家族と呼べるような信頼できる人たちのことと思う。

●静久ルート

静久ルートはリフレクションブルー追加ルートで一番個人的に好き。妙に現実味があって、他のルートとは違う感じだっからかな。静久は全く範疇外だったので、ストーリーでこうも魅せられるとは、思わなかった。

できる人なりの悩みがあるんだなって思った。

周囲や親の期待に応えるような生き方に導かないようにしないといけないなと思った。DVを見せること暴言等の精神的虐待は静久に起こった解離(忘れてしまうこと)とか色んな障害に繋がるけれど、それは脚中で言われた呪いみたいなもの。

最後の紬が言い出した「大嫌い」の意味付けも良かった。嫌なことから逃げないことを選択するのは辛い。けど、大切な何か・思い出があるから、大切な人がいるから、立ち向かえると思った。それが無い人は弱いのかもしれない。

人との距離感についての話があった。お互いがいい関係でいられる距離感は、家族にも当てはまるのだと思えた。何でも気軽に話して喧嘩したり一緒に出かけたり仲良し家族を羨ましく思うこともあるけれど、それが全ての家族の当てはまる訳じゃないし、逆に静久ルートで見たように近すぎて自他の分別がつかなくなって共依存や虐待・DVに繋がってしまうこともある。それは、それ以外の友人や第3者に対しても言えることなのだと思う。「親密さ」を距離感や話し言葉や呼び方や会う頻度で測ることは違うのかもしれない。静久の言う「いい距離感」がお互い保て心地よい関係が、「本当の親密さ」なのかなと思う。

静久が指で輪を作ってハイリを見る光景が忘れられない。私の縁の中に入ってきた。と言う静久はかわいいなと思う。

静久のハイリに向けた相談に対する「一生懸命やってきたから、だから失敗した時に逃げたくなる」という言葉はグッときたし、分かりみ。。。

●識ルート

ぶぇ。働きたくない。。
大事な人たちを守るためなら、鬼ににもなる強い決意・覚悟。優しさだけじゃ守れないものあるのかなって、そう思った。

識はハイリと一緒にいたかった。でも、同時に識が亡くなる津波の過去を守れないことは、ハイリを守れないことになる。識は好きな人を、ハイリを支えに鬼姫になり死ぬことも覚悟してやり遂げた。自分よりハイリを想った、島民皆を選んだ。自分よりも大切なこと、大切な人が出来たら(好きな人、居場所、子ども)、自分よりも優先順位が変わってしまうことがある。逆に自分をもっと大切にするようになることもある。前者は、人と人の時代・世代を繋ぐために大切なことなのかなと思うけど、悲しませることにも繋がることもある。やっぱり後者であって欲しいと思う。ただ、それは綺麗事・美談であって理想なのかなとも思う。

識は、鬼になって皆を救えるのか、鬼になることで皆からどういう目で見られるのか怖かった。不安で悩んで苦しんで逃げ出したくなって迷ってしまい神隠しにあってしまう。紬ちゃんと同じように神隠しになり続け、時の狭間に居続けることになった。でも、光((七影蝶(うみちゃん→識のショートストーリーより分かる))がみえてくぐると、今の時代にやってこれた。島民のために鬼姫になることを決意もする。でもハイリを好きになって、ココにいたいと思い島民皆を消してしまい、逆に島民の命をと自分の想いを犠牲にすることを考え、迷い、再び時の狭間に戻ってしまう。識は時の狭間でハイリと一緒にいたい想いも告げ、ハイリの、好きな人の、頑張れと言う支えに鬼姫をやり遂げ島民を救うことも告げる。想いと決意が重なってどちらも大切にすることを「決める」ことが出来た。鬼姫になって皆を救って、嫌われ者になるとしてもハイリがいる。識は迷いなく過去に戻って海賊鬼姫をやり遂げた。最後まで自分を守ることも頑張った。結果として識は亡くなってしまうけれど、好きな人のためにと自分の想いだけは大切にすることができて良かったなって思う。そして、助けた加藤の祖先、蒼空・鳴瀬によって識は島民から嫌われずにすんで良かった。

縁結びのお守りであるハマグリは識とハイリを繋いでくれた。これがあれば、いつでも一緒。どこにいても、いつの時代でも。またどこかで会える。

おむすびは、お結び。人と人とを結ぶ食べ物。
三礼三拍手一礼。おむすびは必ず三角。

●鴎ルート

教えてあげないよ♪(じゃん)
ドキドキワクワク、ザ夏休み感。鴎の性格もあって寂しいけど元気を貰えるストーリーだった。

鴎が、物語という同じ思い出をもったハイリとこの夏に一緒に冒険して、ずっと抱き続けた物語の中だけだった友達と冒険の思い出の夢を、本物にすることができて良かった。大切で強い想いがあれば人はどこまででも頑張れるのかと思えたし、そういう想いをもてることは素敵なことだと思った。

鴎の言ってた、「本の中の人とずっといたい、ずっと話が続いて欲しい」というのは、そうだなと思った。心にずっと残っている本は少ないけどあるし、自分の一部を形作っていると思う。本は、物語は、多くの人を繋ぐことの出来る力を持ってるんだと思えた。

「こどもの夢を叶える手助けするのが大人の喜びです。」というお母さんの言葉はいい言葉。あれこれ言ってしまうけれど、それは自分の価値観であってその子に押し付けるものではなくて、見守って支えてあげられる大人になりたい。むごっほ。

鴎のキャラソンdepartureはお気に入り。しゅっぱーつ

●紬ルート

らくしょーです(ぴーす)
甘々でかわいいに全力がふられた夏休みストーリーで幸せ感いっぱい。やっぱりパリングルスで作った蝋燭の誕生日シーンは涙涙。紬の夏休みの歌はルート終わってからずっとリピートしてた記憶が。これ以降、プリングルズ(パリングルス)ばっかりポテチは買うようになりました。。

時間が限られてるからこそ、その日々を大切に過ごせるのかな。今の当たり前と思っている何てことない日々はきっと無限じゃなく当たり前じゃないから、意識し続けるのは違うかもしれないけど、ちゃんと知っておかないとなと思う。
どれだけの時間を一緒に過ごしたかじゃなくて、一緒いられた時間をどう過ごせたか、でも何もなくてもただ一緒にいられることも大切で、と思った。楽しい嬉しい思い出がちゃんと残ってれば、大好きならば、大丈夫。かな。ちゃんとそれらがどんな時も支えてくれる。

紬が紬ちゃんのためにしたように、誰かのためにというのは素敵なことだけど、最後に紬ちゃんが紬に伝えたように、そこに自分を蔑ろにするのは違うのかなって思えた。

●うみちゃんルート

なんですと。
子どもだからじゃなくて、一人の家族として人として見るのって難しいことだと思う。年下、特に子どもとなると子どもには子どもなりの大事な悩みがあるのを大人は忘れがち。経験は大人よりもないけれど、ちゃんと悩んで頑張ってる。うみちゃんとの約束を守らなかったハイリ、でも謝ろうとする姿勢は見習わないとなと思う。罰を与えて叱った気になる大人にはなりたくない。一緒に悩んで考えて楽しめて謝れる大人になりたい。

序盤で、釣りをしたり、スイカバーを毎日駄菓子屋で買ったり、溜池で叫んだり、しろはのやってることを辿っているうみちゃんは、おかーさんに会いたいという気持ちが伝わってくるし、すれ違う悲しさもある。

うみちゃんは、Alkaルートで何度も繰り返しておとーさんを見てきて「本当は優しい人だって知ってる」って言ってたけど、うみちゃんルートで、確りしたうみちゃん(鷹原さん呼びのうみちゃん)と「未来での2人暮らしでの関係のやり直し」を、ハイリがちゃんとお父さんしてるのを、見れて本当に良かったなと思う。肩車してもらううみちゃん、帽子を大事にするうみちゃん、背中洗ううみちゃん、屋根から落ちるのを助けて貰ううみちゃん、一緒に屋台を巡るうみちゃん、泳ぎを教えてもらううみちゃん、一生懸命応援するうみちゃん。そして、ちゃんと心配して叱って貰えたうみちゃん、嬉しそうで良かった。「心配していることを伝える」こと、「心配しているから叱る」ことの大切さが伝わってきた。

「今日は、その・・・・本気で叱ってくれて、嬉しかったです。」
「私は、・・・この夏一緒にられて良かったです。」
「鷹原さんのいない夏なんて考えられません。」
「・・・ありがとう・・・」

無印からリフレクションブルーになって、うみちゃんルートを≒お父さんルートを作ってくれたことに感謝。。本当に・・・チャーハンは万能

●ALKAルート

【ALKAルート最後のうみちゃんの言葉抜粋】
些細なすれ違いから始まった、遠い旅路。
決して叶わないと思っていた思い出を、作ることができた。
それもたくさん。
その思い出は、私にとって大切な宝物になった。
何度も繰り返してきた「夏休み」が。
・蒼→大切な人との思い出を育み導く夏があった。
・のみき→仲間と家族の繋がりを見つける夏があった。
・紬→限られた時間を眩しい思い出に変える夏があった。
・静久→最上の優しさで包み込むような夏があった。
・鴎→小さな冒険から始まり大きな絆を繋ぐ夏があった。
・識→目一杯の勇気と優しさで縁を結ぶ夏があった。
・しろは→諦めないことで広がる可能性を知った夏があった。
・ALKA→おかーさんと過ごすことが出来た、最後の夏休み。
すべてが楽しかった。
すべてが嬉しかった。
すべてが愛おしかった。

うみちゃんにとって繰り返してきた末の最後の夏休み。おかあさん(しろは)に会いたいから過去に戻ってきてしろはと何度もすれ違ってきたうみちゃんが、今回は出来るだけハイリといようとする姿が、これまでのヒロインルートとは違って心打たれる。「逃げたくない」という言葉通りハイリと一緒にいるうみちゃん(未来で心配してくれた人や父を避けて、逃げてきて過去にいるうみちゃん)。

繰り返しすれ違い続けてしまっていたしろはをハイリがおかーさんとして連れてきてくれ、うみちゃんは嬉しそうで、おかーさんに少しずつなっていくしろは。逃げなかったうみちゃん、うみちゃんに夏を楽しんで欲しいという想いに至るハイリ、おかーさんができてるか分からない不安なしろは。その過程を見ていると最初から家族はそこにあるんじゃなくて、少しずつ一緒に作っていくものなんだなと思えた。

しろはは、自分がちゃんとお母さんやれてるか不安だったが、それに対してハイリの言う「自分が子どものときに、して欲しかったことをしてあげたら」「その方が自分の想いもこもってるから」というのは、そうだなと思った。大人としてじゃなくて自分が子どものときに嬉しかったことはきっと同じように届く気がする。そして「うみちゃんためにおかーさんをしてあげたい」というしろはの言葉を聞けて、しろはがおかーさんになれて、良かった。

飛行機飛ばしで「みんなでいっしょに、なかよくとばしたい」のうみちゃんの言葉は、いいなって思う。皆を優しい気持ちにさせてくれた。家族の中で、こどもの言葉は不思議な力があると思う。

そして、このルートは、チャーハン作り講座ルートでもあると思う。おいしーはたのしー。

ALKAルートは、前半で幼いうみちゃんとハイリのやり取りが少しずつ形になっていったけど、後半は、島のみんなとの絆、しろはとうみちゃんの関係、そしてしろはとハイリとの関係がうみちゃんを通して深まって3人が本当の家族になっていく話かな。どんどん幼くなっていくうみちゃんを見るのは辛かった。考えてみれば、鷹原さん呼びのうみちゃんも、過去に最初にやって来たうみちゃんよりも幼くなっているのが、未来のうみちゃんの声との比較で感じ取れた。このSummer pocketsで描かれるルートの夏休みは最後の一部であり、それ以前にも何度も繰り返してきた夏休みがあったんだなと思う。ショートストーリーとドラマCDでもチャーハン作りに熱中する夏休みも描かれていた。

MDプレーヤー・写れるんです(写るんです)・パリンキー(ポリンキー)という言葉が出て来て、サマポケの時代背景を感じさせてくれる。なつい。

鴎のパリンキー(ポリンキー)好きが判明するルート。

そして、エンディングテロップの名前が、「加藤羽未」から「鷹原羽未」になっていたのに涙。

●Pocketsルート

両親との楽しかったことが、目の前から突然消えてしまった時点で、今まで幸せだった分、悲しさの反動は、幼いしろはにとってとても大きかったと思う。そこから、お父さんのヤーハンを七海と一緒に再現しようと動き出したことは、過去の大切な思い出を取り戻そうとした後ろ向きの行動ともとれるけれど、彼女なりの前に進むための行いだったようにも思えた。だから、それは悪いことではないし、むしろ過去を整理するために大切なことで、過去への悲しい意味付けを変えていくために必要なことだったように思う。人は、悲しみを自分なりに心の整理をする事で、先へ進んでいけるものだと思う。実際、幼いしろはは、ヤーハンを完成させるために、想い出を振り返り辿りながら、最後には一度も踏み入れることが出来なかった母親との思い出の場所のひまわり畑に足を運ぶことができた。しろはなりにヤーハン作りを通して心の整理をしていたのだと思えた。七海は楽しい未来の想い出をしろはに最後に渡したけれど、その前に既にヤーハン作りを通じて、しろはが前を向ける手助けをしていたこともしろはが最後に未来を信じられた大きな理由だったのだと思う。でも、小鳩はそのしろはの頑張りを否定してしまった。小鳩は、幼いしろはに両親の話をしないこと、食堂に近寄らないように七海に頼んでいた。瞳や祖母の言葉を組んでの彼なりの養護だったはずで、過去に囚われることで、今や未来を全て過去のために使ってしまわないように、今を楽しんで、未来を見て欲しかったのだと思う。その思いが裏目に出てしまった。同じように未来のハイリが、亡くなったしろはの写真を全て捨て、しろはの話をしようとせず、十三回忌にもうみちゃんを連れていかなかったのは、小鳩と同じ思いだったからかもしれない。
過去に一時、囚われることは決して悪いことではないし、その過程を通して自分なりに整理して前に進んでいけるようになるものだと思う。そして、過去に囚われるのではなく、こういうこともあったなと懐かしめるようになるのかなと思う。前に進めないで囚われ続ける程の悲しみは、しろはの"両親の死"のように世の中にはあるのだろうけれど、それを解きほぐしてくれるのもまた両親と同じ人である"誰か"なのだと思う。一人では抜け出せなくても、しろはの前に七海が寄り添ってくれたように、誰かの差し伸べる手、誰かとの繋がり、絆があれば大丈夫なのだと、このpocketsルートに限らず、伝えてくれてるように思えた。

うみちゃん(七海)が何度も繰り返し、島の皆から貰ってきた見てきた楽しいことをちゃんと、幼いしろはに伝えられたことで、エピローグで皆の未来がいい方向へと変わる様子も見れて良かった。しろはが、おとーさんとおかーさんの食堂を引き継いでいること、藍が眠っていないこと、鴎が元気になってお母さんと一緒に鳥白島に来ていること、ちゃんといい未来に変わっていたことが嬉しかった。

しろはが未来へ希望をもって過ごせたことで、うみちゃんとの大切な「過去の」夏休みの思い出は皆の中に無くなってしまったかもしれないけれど、その先にある、うみちゃんが産まれてしろはも死なない幸せな「未来に」繋がって良かったなって思う。
無印ではうみちゃんは、時の狭間をさ迷ったままで、ハイリが蔵で虹色の飛行機を見つけ、チャーハンを教えて欲しいと船を降りたところまでは描かれていた。だから、うみちゃんがその後どうなったかは無印では分からないままだった。でもリフレクションブルーでは、新ヒロインとして出て来た識によって、うみちゃんが未来に繋がれて、虹色の紙飛行機を持って起きて「おはよう」って言えて、最後の三人で歩くシーンまで描かれ嬉しかった。

今回リフレクションブルーでの識の役目は大きかったと思う。無印やってる身としては、うみちゃんが報われて本当に良かったと思う。

うみちゃん(七海)が消えた後に加藤家の蔵の中に光が入っていく。それは鏡子さんの言った「ポケットの中にあった大切なものの欠片」だと思う。うみちゃんが残した「三人との思い出の欠片」。蔵は「誰かの大事な何か(それが何なのか思い出せない)をそっとしまう場所、そうして忘れられた場所、ポケットみたいな場所」。ハイリがその蔵の整理を終え整えられたことで、光は「虹色の紙飛行機」(3人で飛ばした思い出の詰まった飛行機)と整えられた。絵本の虹色の蝶はうみちゃんのことだったことからも、うみちゃんの思い出の欠片だと思う。

鏡子さんのショートストーリーで、蔵には思い出の欠片が沢山仕舞われていると鏡子さんは言った。それをハイリが整理することで、鏡子さんの忘れてしまっていた記憶を整然と思い出させている。ハイリにも同じことが起き、その後のハイリの行動に影響を及ぼしたのではないか。鏡子さんもハイリも加藤家の血筋として何度も出てくる「へじゃぷ」の力(既視感、懐かしさ)があって、繰り返された夏の記憶を断片的に持ち越している節がある。ハイリは、その繰り返された夏の記憶(虹色の紙飛行機のおかげで特にうみちゃんとしろはとの記憶)をはっきり思い出せそうになったのではないか。これまでは、気がするだけで行動にまで至らなかったが、今回は行動に至っている点がいつもと違う。

その後の行動の影響として、ハイリは蔵の整理が終わった際に、時の狭間(水面)にいるうみちゃんを見つけ、帰ってこいよと声をかけてうみちゃんのことを一瞬思い出す場面があり、ハイリに「まだ見ぬ未来を懐かしみ、それが何なのかを思い出しそうになり」「しろはにそれを話さないといけない」とハイリは思い、船を降り、しろはとの出会いを繋いだ。後々、未来に導かれたうみちゃんと一緒に紙飛行機が描かれていること、うみちゃんと呼ばれていること、うみちゃんの大切な帽子が存在していること等から、きっとこの先にいつか、ハイリはうみちゃんとの三人の思い出を話せるようになるのかなと思う。

紙飛行機はうみちゃんの思い出の欠片。ハイリは蔵で見つけた紙飛行機を飛ばし、その後にしろはも飛ばし、飛行機は何処へ行ったのだろう。時の狭間ではないか。紙飛行機は七影蝶へ姿を変え、うみちゃんは時の狭間で迷子になって消えてしまいそうになっているところを識が見つけてくれた。そして、うみちゃんを新しい未来(しろはが死なず三人家族になった新しい未来の夏)に導いてくれた。

識ルートの最後でハイリと識が時の狭間で話して締め括られたことから、その後、識は時の狭間に居たと思われる。実際、識のショートストーリーでそう語られている。また、「僕はこの場所でまだ出来ることがある。この青い世界で、迷い続ける記憶に耳を傾けて、帰るべき場所を示してあげられる。それは果てしない時間を巡る道のりだ。一つ一つの記憶を、丁寧に知っていき、識りつくした後に導ける」と神山の巫女としての「おむすびの導き」の力のこと、そして夏へ導いてくれたうみちゃんへの恩返しのためにうみちゃんを探す姿もショートストーリーで語られている。
そして、識ルートで識はお結び(縁)は人と人とを繋ぐものと言っていた。ハマグリはハイリと識の繋がりであって、紙飛行機はうみちゃんとハイリとしろはの繋がりだと思う。うみちゃんも、識の力で虹色の紙飛行機がしろはとハイリとの縁となって未来へ導いてもらえたのだとも思う。未来に着いたうみちゃんは、虹色の紙飛行機を手にしている描写もある。

時の狭間で消えるはずだった繰り返してきた夏を覚えているうみちゃん。そのうみちゃんが新しい未来にいることになり、繰り返した皆との楽しい夏の思い出が無かったことにならずのすんだのではないかと思うと嬉しい。
識の力は、時の狭間でさ迷っている七影蝶を待っている人のもとへ導く力であり、それは果てしない時間を巡る道のりで、一つ一つの記憶を、丁寧に知っていき、識りつくした後に導ける。識は、果てしない時間を旅したことでうみちゃんからこぼれ落ちた記憶を拾って繋いでくれたのではないか。識の一つ一つ丁寧に知るとはあやふやな記憶を補完していくイメージがある。
そして、ハイリもまた蔵の整理がきっかけで、うみちゃんと同じように繰り返した夏の思い出を思い出しているかもしれない。識もうみちゃんを通して繰り返した思い出を識った。うみちゃんだけが知っている思い出ではなくなったのだと思う。

また、識は鬼ごっこの続きを望んでいる。ショートストーリーでも識ルートの最後でも識はそう言っている。新しい未来に識だけはまだ現れていなかったが、ひょっこり顔を出すのかもしれない。

pocketsルートの最初でしろはの声で告げられた「どうしても会いたくなったら、これを使うの」「これは私の羽」「この羽を使えば会えるから」と言っていた。幼いしろはに七影蝶がとまって話しかける。そして未来のしろはが出て来て、七海をうみちゃんと言い当てることから、ここで白い羽(七影蝶のしろは)が使われたのではないか。後半で「もっとおかあさんと一緒にいたい」と言っていたように、七海(うみちゃん)は会いたいと思ってしまったのではないか。

あと瞳さん(しろはのお母さん)の失踪理由は、鏡子さんのショートストーリーから推測できる。「うみちゃんやハイリがくること、そしてしろはが死ぬこと、そしてその後のハイリとうみちゃんのこと」を、未来で見てきただろう瞳さんは、鏡子さんに二人が来ることだけを失踪前に告げている。そして、しろはの死、その先 のハイリとうみちゃんの生活、うみちゃんが過去に戻ってしまう未来を確定させないために瞳は七影蝶となって神隠しを選んだように思う。七海にずっとついていた七影蝶は、「ありがとう、おばーちゃん・・・」の言葉から瞳さんだと確定できる。また、瞳さんは鏡子さんのこれからの起きる境遇も案じて、ハイリに蔵の整理を手伝って貰うことを提案していることも鏡子さんのショートストーリーから分かる。

うみちゃんのビジュアルアートの浜辺で歩いているイラスト。良くみると、うみちゃんの歩く先に足跡が既にある。これが何を意味するのか。足の大きさが同じに見えるから繰り返しを意味するものなのか、はたまた、しろはかハイリの足跡で、その跡(後)をうみちゃんが追いかけているのか。

グランドEDは歌詞が無印とリフレクションブルーでは異なる。「ポケットをふくらませて」(無印)、「ポケットをふくらませて~see you again~」(リフレクションブルー)となっている。2番目の歌詞途中からの映像が気になる。無印ではしろはのシーンが出て来て、色褪せていく。一方、リフレクションブルーでは、紙芝居の絵が色を取り戻していき、無印では見ることの出来なかった最後の一枚を見ることができる。これらの違いは、識がうみちゃんを見つけ、繰り返した夏が無くならなかったことの違いの表現かなと思う。それは歌詞にも表現されているように思う。

●総まとめ

「アルカテイル」「Little Diary」「羽のゆりかご」「夜奏花」の歌詞は、うみちゃんの軌跡を沢山歌ってくれていて、「Lasting Moment」「ポケットをふくらませて」は楽しかった夏休みを歌ってくれていて、全クリア後に聞くとしみる。

特に無印の「アルカテイル」のOPムービーは、リフレクションブルーのOPと違ってアニメーションがついていて、見返すと動いているしろはたちが見れることが嬉しい。京都アニメーションによるアニメ化が待ち遠しい。

キャラクターソングも、鴎の「with」「Departure」、紬の「紬の夏休み」は繰り返し聞きたくなる。お気に入り。

公式ショートストーリーも、ドラマCDも全クリア後に読み聞くと、背景も紐解けたり、終わったはずのサマポケの世界に、もう一度浸れるのは嬉しい。

考察サイトを色々見ても、違った推察がされていて全てを理解するのは難しいけれど、自分にも過去にあったであろう夏休みを思い出させてくれる温かい懐かしさを感じる作品だったと思う。
今回のサマポケは、家族、仲間、夏、田舎って感じで、学園は入ってこなかった。CLANNADとAIRとリトバスを合わせた感じな印象を受けた

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