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旧車在庫無の現実と未来/2007.10.19

スポーツ自転車にはシーズンがあります。
豪雪地帯とか砂漠じゃなければ
365日走れるのに。
いわゆるイヤーモデル。
毎年、新しいモデルが出ていました。

何かが新しくならないと買いません。
アパレルなら気温で着るものが変わりますけど
自転車って変わらない。
だからこそ、消費者が欲しいモデルを常に
出し続ける必要がありました。

当時の慣例としても新モデルが出るタイミングで
旧モデル」が値下げされて売上として
消費者にとってもお得感がありました。

その「商習慣」ってどんな小売り現場でも
ある意味当たり前。
旧モデルもあっという間に無くなっていたから
新モデルが売れるサイクルが維持されていた。

でもそれを変えたのが「コロナ禍」。
ご存知のように商品のサイクルが大きく狂った。
自転車業界では新モデルが出なくなったのではなく
商品そのものが無くなったのです。
野菜を含む食品は自然界にあるものだけど
自転車は工業製品。
原材料がなければ当然商品そのものが
存在しない。

新旧モデルが消えた。

何が起こったのか。
持っている乗らない自転車のメンテナンスを
販売店に依頼する。
乗らないのは購入する自転車がなかったから。
正しくは「乗れる自転車」だから。

面白いのは
乗れるなら新しい自転車を買わなくても。
そうなんです。
メーカーも困りました。
新しいモデルが売れない。
欲しくないから。
いや、もっと言うと新しくなくても。

実は当時からわかっていたこと。
タイトルにあるように現実はすでに
未来だったのですね。
自転車業界に関わっているから
新しいモデルのワクワクを提供したい。
でも、自転車の価値って。
そろそろそれを真剣に考える時代に
なったようです


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