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夏の日の少年

夏本番、学生は夏休み真っ最中。夏休みで思い出したのが、高校生の頃、ギターのソフトケースを肩に掛け、アンプをチャリンコや原チャリの荷台にくくりつけて、いそいそとバンドの練習に通った夏休み。普段の練習は、日曜や祝日なんだけど、夏休みは平日も練習できるのだ。

今でこそソコソコの楽器がリーズナブルな値段になってきたし、スタジオも料金も昔とあまり変わってないみたいだけど、私たちの頃ってバンド人口が少ない頃だったし、スタジオとか借りるのも高価で、ライブ前のリハの時に借りるくらいだったのだよ。

スタジオは、料金のこととか時間制限もあったし、あとは家に集まってミーティングとか、友達の部屋で練習したこともあったけど、音がダダ漏れで一回きりでNG。
そこで重宝されたのが、半日とか長い時間借りて練習できる町の施設。町の青少年会館とか公民館の音楽室。料金がとにかく安かったので、午前中から始めて、食堂で昼飯を食べて夕方まで、ミニ合宿って感じ。
青少年会館とかの食堂って、カレーとかナポリタン、ラーメンくらいしかないんだけど、市役所の食堂と同じで安くてさ、ガキにはピッタリ。カレーは粉っぽかったんだけどおいしかったよ、ホント真っ黄色でグリンピースが乗ってる素朴なカレー。
あと、同級生とかが差し入れのお菓子を持ってきてくれたり。でもコレは半ば強制だったんですが・・・前の日に憧れの女子に電話して『午前中から夕方まで練習やってるから見に来ない?』とか言って、『差し入れ持って来い』って遠まわしの要求だよね(笑)政治家みたい!?

そしてこの音楽室、広いけど備品のピアノと譜面台が置いてあるだけの音がやや漏れる防音壁の部屋(笑)
今考えるとスゴイ、一台のアンプにニ本のギターをつないだり、アンプだってさっき書いたようにチャリの荷台に乗るくらいの自宅練習用の小さなヤツだからドラムの音に負けちゃうんだよね。デカくても40Wとかだもん、ボーカルはボーカルアンプなんかないから、マイクを空いてるトコにつないで、もちろんエコーなしだったし。

ギターやベースは自分で運べたんだけど、他のバンドから借りたアンプや、ドラムとかキーボードとか大きな機材は、親に車で運んでもらったり、まわりの協力なしではできなかった事だったよな。『いつまでもバカやってないで勉強しろ!』と言いながら親たちは理解して応援してくれていたんだよね。
今から約40年以上前、遠い夏の日の思い出でした。バンドの事はまたいつか・・・

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