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こちら港303・・・

携帯電話が一般的じゃなかった時代、馬鹿デカい携帯電話も肩掛け兼用の自動車電話も通話料金の高さと言ったらもう・・・

そんな自動車電話よりも気軽なパーソナル無線なる物が流行った。
無線の資格が無くても申請すると使えて(ハガキを送るとRomが返送されてきたんじゃなかったっけ?)、本格的な無線と違って堅苦しくなく、通話料金もかからない趣味・レジャー用に使える無線。何より車の中で交信するというのは、特撮ヒーロー物や刑事ドラマを見て育った世代にはカッコよく見えたものだ。
通信中にカーステレオの音がミュートされるなど機能は様々、80年代の半ば、カーラジオとは別のオシャレなアンテナをつけたクルマが増えたのを記憶されている方もいるのではないだろうか?一時は専門の雑誌まであったし。

86年の後半くらいだったか、我々の仲間内(高校からの友達)でも何台かのクルマに導入された。複数台のドライブでの連絡や渋滞の時のひまつぶし、フォックスハンティングなる追跡ゲームをやったり、タイトルのように“あぶない刑事ごっこ”をやったりだったが、しばらくすると飽きてしまった。
そんな中、R30のマニュアル車にパーソナル無線を取り付けたY君、ハンズフリー機能がないので運転しながらは使えない事を後から気づいたという凡ミス。(助手席の人間に手伝ってもらっていたが、ひとりの時はギアチェンジがあって使えないのだ)
AT車に乗り換えた時、ようやく無線機を使えると思ったらブームは終わり、移設し取り付けた無線機はオブジェと化していたという笑い話も。

前出のあぶない刑事ごっこや、バカ話の通信内容が他人に筒抜けというデメリットもあったが、よく考えるとこのパーソナル無線、近くにいる人に抜け道を聞いたり、名所やグルメスポットを聞いたり、渋滞情報を共有したり、ネズミ捕り(取り締まり)情報を共有したりと活用次第でメリットは多数あったんだよな(みなさん普通にやっていたのか)・・・

1982年に発売され、多くのカーオーディオメーカーが参入、翌年には日経ヒット商品番付の東の小結となり、画期的なアイテムと言われたパーソナル無線は2021年末時点で完全消滅している。あぶない刑事は帰ってきたが、パーソナル無線は帰って来ないのだ。
というわけで、「瞳ちゃん、お茶!」


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