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農業高校における、「総合的な学習・探求の時間」と「課題研究」を分断し科目として確立することの是非

教職の授業にて、学生同士でグループを作り学校を立ち上げ「総合的な学習・探求の時間」の維新案を作成し各班で発表しました。そこで、僕たちの班は農業高校における、「総合的な学習・探求の時間」から「課題研究」を繋げるという指導案を作成しました。これらを通して学び得たことを書きなさいというレポートが課されたので共有します。現状、農業高校は「総合的な学習・探求の時間」の代替として「課題研究」を行っているが、両者を分断し科目として確立することの是非(必要性)についても検討しました。

以下は授業レポートの内容です。
文章が少し諄いかも知れません...。深夜に書いたので変な部分や矛盾点があるかもです。

1. はじめに
今回の維新案作成と各班の共有を通して、「総合的な学習・探求の時間」から「課題研究」に繋げる実践指導の難しさを実感した。これらを踏まえ、農業高校における、「総合的な学習・探求の時間」と「課題研究」を分断し科目として確立することの必要性について検討する。

2.農業高校における実践指導の難しさ
私たちが行った,農業高校(1年次)における総合的な学習・探求の時間を通して課題研究に繋げる指導は難解であった。その原因としては、農業に関連する「探求」というのは、否が応でも主語が大きくなってしまう事が考えられる。そのため、探求に関してマクロからミクロの視点を持ち、課題研究にて応用が利く課題を発見することが求められる。今回は例示として「農業が及ぼす地球温暖化(温室効果ガス)」を挙げたが、高校生が課題研究で扱える内容ではなかった。つまり、「総合的な学習・探求の時間」と「課題研究」は同一の授業として扱うべきでは無いと分かった。現状,農業高校は「課題研究」を「総合的な学習・探求の時間」の代替科目として扱っている。しかし、「総合的な学習・探求の時間」を目として確立することが生徒たちの探求心を向上させることに繋がると考える。そこで、「総合的な学習・探求の時間」と「課題研究」における科目の分断と確立が必要だと私は提案する。

3.総合的な学習・探求の時間における哲学の育み
総合的な学習・探求の時間では、世界情勢や多様性などを踏まえ社会問題を取り扱い、生徒たち自身で幅広い議論を行うことが重要である。つまり、総合的な学習・探求の時間を通して生徒自身の哲学を養うことができる(※本レポートでは、哲学=明確な意思表示や自身の考え、思いと定義する)。例えば、今回の授業内発表では「農業が及ぼす地球温暖化(温室効果ガス)」において、水田によるメタンガス発生(アジア)と牛のグップによるメタンガス発生(欧米)による対立を提示した。その背景として、ダボス会議(2024)でのバイエルのCEO(ビル・アンダーソン氏)が水田のメタンガス発生源における乾田化の必要性を説いた、これに対して、一方的に批判されたとして多くの人がSNSで「牛のゲップも原因」。「伝統としての水田」など声を上げた事を発表で取り上げた。しかし、実際に水田はメタンガス発生源であり、戦後には水田の乾田化(中
干し)が進められてきた(近年では、乾田直播が求められている)。バイエルの目的としては、除草剤の要が高まり自社製品であるグリホサートが売れることだ。この内容は、詳しく解説したいが今回の授業内発表では時間の都合上のため割愛した。この背景から考えられることは、物事を直面で見るのではなく俯瞰して見る事が農学を学ぶものとして重要になるという事だ。さらに、マクロ問題(地球温暖化など)に対してミクロ問題に分散して考え解決策を見出すことが、総合的な学習・探求の時間では必要不可であると私は思う.

4. 課題研究における経験の育み
農業高校における「課題研究」の目的とは、専門科目の中の1科目を選択し3年間における、自身の学びの集大成として農学(農業)に関しての課題を発見し、研究を行い発表する事だ、その意義とは、自身(高校生)が取り扱える課題を発見し研究することで「研究」の基礎を学ぶことにある。つまり、環境問題などの大きなテーマを扱うのでは無く身の丈にあったテーマを扱う事で自身の経験を養うことができる。例えば、ある農作物の仕立て方の違いによる生育調査や労働力の比較、植物バイオテクノロジーを用いた苗の大量増殖などが望ましい。総合的な学習・探求の時間では、取り扱うテーマが大きくなってしまうので、課題研究の意義が損なわれてしまう可能性がある.また、農業高校は総合的な学習・探求の時間の代替科目として課題研究を行っているが、それでは生徒自身の哲学が養われない。農業高校は普通科高校と比べると探求活動の時間においては非常に良い環境であるが、現状あまり利用されていないと私は考える。しかし、農業高校も全国にあり多種多様なため一概には断言できない。何かしらのデータ収集が必要である。

5. 総合的な学習・探求の時間と課題研究の分断の是非
農業高校生が幅広い農学(農業)への理解を深めるために、「総合的な学習・探求の時間」と「課題研究」における科目の分断と確立が必要だと私は思う。総合的な学習・探求の時間では、農学(農業)に関する様々な社会問題を扱う事で生徒自身の哲学を養う。課題研究では、3年間の集大成として研究発表を行うことで、研究の基礎として自身の経験を養うことができる。今回、私たちの班は両者を同一視して扱ったが、それでは総合的な学習・探求の時間から課題研究につなげるのが困難であった.このことから、両者の分断と確立が必要であると言える。しかし、教材研究における教師の負担や授業時間の確保が難しいなどの問題が想定される。課題研究という科目が代替として組み込まれているため、新たに科目を確保する必要があり、フィールドワークなどの専門科目または普通科目の授業時間を減らす事が求められる.だが、農業高校では、普通科目の授業時間が普通科高校と比較し少ないため高校生物や化学、数学、英語など農学(農業)を学ぶ上で必要不可な知識が生徒たちは不足している。また、偏差値の関係から中学校までの知識が不足している生徒が多いため受業では中学校の復習から入るため、高校で修めるべき普通科目の内容が終わらない.そのため、これ以上普通科目の授業時間を減らす事は望ましくない。フィールドワークなどの専門科目を減らす事が最善だが、農学(農業)は現場を理解した上で学問として扱う事が重要であるため、授業時間を減らす事は難しい。農業高校における、総合的な学習・探求の時間と課題研究に関しては議論が必要ではないだろうか.

6. さいごに
今回の維新案作成と各班の共有を通して、「総合的な学習・探求の時間」から「課題研究」に繋げる実践指導の難しさを実感したと同時に両者の意義を改めて整理ができた。私が考えるに、総合的な学習・探求の時間と課題研究では、学べることが違う。「総合的な学習・探求の時間」では、生徒たちが環境問題など大きなテーマを取り扱い,議論を重ねることで自身の哲学を育む。「課題研究」では、3年間の集大成として課題を発見し研究発表を行うことで、研究の基礎として自身の経験を養うことができる。そのため、両者を同一視するのではなく別のものと考え分断し科目の確立を行うことが重要である。しかし、農業高校では様々な問題があるため実現は難しい。

以上です。皆さんは、どう思いますか?

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