見出し画像

海老芋のあったか治部煮



先日、母と娘を伴って関西に向かいました。

神戸の施設にいる叔母〜母の姉〜が、昨年末の電話で会いたいと言ってくれたのが母の背中を押す形になり、連れて行くことに。

ふたりは父の葬儀以来、コロナもあってなんと10年ぶりの再会でした。
歳を重ねても、何年離れていても、
きょうだいというのは、何とも言い難い格別の絆が在るもの。
二人の背中を見ながらしみじみと感じ、
束の間のあたたかい時を過ごしました。
また連れて行かねばと思います。

その後は、たった1日の京都弾丸ツアーとなりました。 

母の希望は二つ。
まずはあぶり餅を求めて、紫野方面へ。
カーシェアのレンタカーで向かいました。

今宮神社の門前に、あぶり餅の茶店はふたつ。
歴史深い佇まいで、どちらも長い行列が出来ています。

竹串の先に刺した小ぶりの餅にきなこをまぶしながらゆっくり焦がすほどに炙り、白味噌だれをとろーり。
口に含むと、焦げた餅の香ばしさがたまりません。これぞ欠かせぬアクセント。
味噌だれの甘味も絶妙で、3人で26本では足りないほどでした。

そして二つ目は、
母の大好きな鯖寿司を頂きに、祇園のいづうへ。

本当は店で頂きたかったのですが…
なにぶん弾丸だったため、別の店でお昼ご飯の予定があり、包んでもらい帰路でのんびりといただきました。

やはり京都物産展などで頂くのとは、鯖の締まり具合も違う気がします。

何度訪れても時間が足りなくなる、京都。

今回、京野菜は買うことができず戻ったので、
こちらで海老芋を見つけたら、ついつい手が伸びたくさん買ってしまいました。

海老芋は里芋に似ていますが、小芋だけでなく親芋も食べます。
エビのような縞模様があり、柔らかく似ても崩れにくく、美味しい芋です。

正月から石川県のことがずっと頭から離れないのもあって、
金沢の郷土料理、治部煮風に仕立ててみました。

治部煮は鴨に小麦粉やそば粉をはたいて野菜と抱き合わせたとろりとした煮物です。
合わせたのは鶏肉と人参、三つ葉。
味付けも普通の煮物と同様ですが、
鶏の脂にちょいと添えたわさびが、ピリリと効きます。

海老芋はねっとりとして、柔らかいのに煮崩れ知らず。
滋味に嬉しさこみ上げます。

煮汁がとろみでじぶじぶと鳴り、
耳からも心温かくなるようでした。   
まだまだ寒いこれからの日々に寄り添ってくれそう。

今年もいよいよ2月。春近し。
ぼちぼち、梅のきれいな頃にさしかかります。
寒いのはいやだけれど、
今ならではの冬の楽しみだってたくさんあると、
思い出させてもらえたようです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?