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新人を見限ったバカは俺です

自分が先日経験したことが示唆に富んだので皆さんと共有したい。「新人をすぐに見限るな」という話。これは部活や仕事など何にでも言えること。当たり前のことでもあるが衝撃的な経験だったのでつい筆を取った次第だ。


今年で35歳となる。身体のあちこちにガタがきている。気まぐれで自宅近くのマッサージ店にお世話になっている。

主にアプリを用いてネット予約をする類の店。日時はもちろん、強さの好み、そして人の指名までできる。なんなら重点的に攻めて欲しい部位まで…(※普通の店)


マッサージのような「技術を買う」という買い物において、「誰」にやってもらうかはかなり重要。お金を支払って貴重な時間を託すのであるから費用対効果を考えずにはいられないのが人間の性だ。

最初の数回は指名はせずに複数のスタッフさんに入っていただき、それからは目星をつけたスタッフさんを指名している。冒険をし続けるほど時間もお金にも余裕があるわけではない。

先日の夜勤明けの日、どうしても身体が重く予約の猶予も身体が許さず直接店に駆け込んだ。もう人を指名している場合じゃない。なんせ身体が辛い。ホントもう誰でもいい。助けて。

「いらっしゃいませ!」と受付に立ってくれた青年…めちゃ爽やかなイケメン、忘れもしない。。

そう…

彼めちゃマッサージ下手。


1年前に何人かお試しでマッサージしてもらってた期間に当たった衝撃の青年。受付の仕方を俺が教えてやろうかと思ったくらい何も知らない状態だった青年。

けれどさすが新人、モリモリの元気を声から感じられ不器用でも強めの方がお好きな自分は彼の若さに自分の全背中を託した。

しかし美容院のマッサージよりも遠慮したタッチ。段階別パワーモードなら「微」。ぐりぐりいってほしい自分からすると1時間背中を撫でられ続けた時間だった。

強さのお好みを尋ねられ満を辞しまくって「強めでお願いします!!」と力を込めて伝えると「ありがとうございます!」という謎の返答

ごめんなさい。その後、指名欄に彼の名前があると必ずそれ以外の人を指名するくらい貴方を避けていました。

けれど今日はこっちの背中も猶予ない!誰でもいいって駆け込んだのは俺!文句などない今日は宜しく!一生懸命撫でて!

「いらっしゃいませ!!」以前にも増して元気。相変わらずのイケメン。スムーズな誘導・・・

おや?


いやいや、肝心なのは技術ですから。うがった見方でなお私は貴方を疑っていた。

なんだかそれっぽい背中摩りの導入中にお疲れ部位のアセスメントを済ませ、滑らかに本編(?)に移行。ギュッギュッとまさに自分のお好みパワーかつ筋肉を握るようなテクニックまで。「うちの店長〇〇に似てません?」なんて小笑を挟んだ後に「けどすげー尊敬してるんすよ」というホッコリする先輩愛まで。

もしかして…


おい新人!とんでもなくレベルアップしてるな!!正直に控えめに言って今までこのお店で受けたマッサージで1番のハイクオリティ!

彼、とんでもないポテンシャルを秘めていました。たった1年でここまでレベルアップするとは素人目から見ても明らかにかなり有望株。自分には先見の明はありませんでした。

自分が彼を勝手に忌み嫌い避けている間に彼はコツコツとレベルアップをして今全力で俺の背中をマッサージしてくれている。。

昭和以前の日本は子どもを地域で育てる風土が根付いていたはず。自分の子どもだけでなく目に映る範囲の子どもの成長の責任を少なくとも引き受けていたはずなのに自分といったら新人の成長に大らかな態度も示さずにシャットアウト。自分が育てようなんて大それたことは思わない。けれど自分のことをすこし恥じた。しかし大切なことを教えてもらった気持ちになり、これは自分の職場やフィールドにも同じことが言えるはず。

もし皆さんの近くにそのフィールドに足を踏み込んだばかりの若者がいるならば、

「最初の参照点は重要でない」

ということを頭に叩き込んでください。爽やかさ重視で構いませんとまでは言いませんが、「長い目でみてやろう」というマインドは常に持ち続けたほうがいい。

自分は新人を見限るのでなく成長の踏み台にされる先輩でいたい。なんなら若者に新しい世界を教えてもらいたい。そんな学びを得た背中辛辛な夜勤明け。

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