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プロジェクトマネジメント入門③-コミュニケーションマネジメント-

弊社執行役員の細澤新太郎が、公開経営指導協会さまの会報誌にて連載させて頂いているプロジェクトマネジメント入門に関して、第3弾コミュニケーションマネジメントについて掲載させて頂きます

第1弾をまだお読みで無い方はぜひ、こちらをご覧ください!

はじめに
コロナ対策、SDGs、DX、カーボンニュートラル、など、ビジネスにおいて時世に沿った課題/検討観点は、絶えず発生しており、これらへの対応/解決を目指す取り組み(プロジェクト)も多く発足しています。「プロジェクト」とは「特定の目的を達成するための、臨時組織による、有期性の活動」と定義されています。企業活動においては、中長期的な観点にて、「課題の解決」や「目指すべき状態の達成」のための取り組みと言い換えられます。
タイトルとなっている「プロジェクトマネジメント」は、いかにプロジェクトを正常着地させるか(Q(品質)、C(コスト)、D(納期)を計画内におさめるか)を主眼とした、プロジェクトの管理技法です。第3回の今回は「コミュニケーションマネジメント」に関して掘り下げていきます。

コミュニケーションマネジメント
コミュニケーションマネジメントでは、プロジェクトを成功へと導くために、ステークホルダーとの円滑なコミュニケーションがなされるよう管理を行います。コミュニケーションミス/ロスによる問題発生を予防するために、必要とする情報を把握し、適切なタイミング、方法で情報伝達を推進する役割を担います。ステークホルダーには、チームのメンバーだけでなく、顧客やスポンサー、社内の経営陣なども含まれます。
大きく、コミュニケーションの内容、頻度、方法などを検討する「計画」のフェーズと、「計画」フェーズで検討したルールに沿ったコミュニケーションを推進する「実行」のフェーズがあります。

〇計画
コミュニケーションマネジメントの「計画」プロセスでは、次のような作業を実施します。
・いつ、だれに、何を、どのように伝えるかを定義する
 - いつ(頻度):都度、週次、月次 など
 - だれに:経営陣、関係部署、プロジェクトメンバー など
 - 何を:報告/ 共有、相談、承認 など
 - どこまで:共有範囲(業務領域、期間(年次/月次)) など
 - どのように:ミーティング、議事、メール など

各ステークホルダーがどのタイミングでどのような情報を受け取りたいか、プロジェクトの正常着地のために、プロジェクト側からどのタイミングでどのような情報を伝えておくべきかなどを加味し、会議の予定やレポートの内容を設定します。
コミュニケーションを手厚くするために、会議の数を多く/時間を長くすることは必ずしもよいとは言えません。会議の数や時間は必要最低限に抑え、会議の事前準備やファシリテーションを工夫して会議効率を上げる(時間を短縮する)意識が必要です。また、コミュニケーション方法を設計する際には、チャットツールやメーリングリスト、チケット管理ツールなどの手段を活用して、必要なタイミングで必要な人に正確な情報が行き届くようにすることが重要です。

〇実行
コミュニケーションマネジメントの実行プロセスでは、次のような作業を実施します。
・計画に沿ってコミュニケーションを実施する
 ※規定したルール(対象情報、連携先、方法、タイミング、ルート)に沿う
・コミュニケーションが適切に行われているか、問題/ 不満が無いかを監視する
 ※パフォーマンス低下の際にコミュニケーション問題の可能性もあります
 
プロジェクトでのトラブルの多くが、関係者間のコミュニケーションミス/ロスによります。また忙しくなるほど、コミュニケーション頻度が落ちたり、雑になったりするものです。コミュニケーションの量と質に変化がないかチェックすることは、トラブル回避のために非常に重要です。

【column:コミュニケーションマネジメント小話「コミュニケーション頻度にご用心」】
ステークホルダーの方々とのコミュニケーションは重要!とはいえ、こんなケースはないでしょうか。
「〇〇君、今日休みだっけ?」
「今、役員報告会に出てます 」
「あれ、午前中もずっといなかったよね」
「あ、さっきは月次報告会が長引いてたようで……」
「おいおい、早めに判断して欲しいことがあるんだが、、これじゃ、今日は作業が進まないな」
コミュニケーションを大事にするあまり、会議、会議で一日がつぶれる…という、こんな笑うに笑えない話もあります。特に、プロジェクトのキーパーソンに起こりがちなケースです。
会議をやたらに増やしたり、情報共有の種類を多くしたり、コミュニケーション・コストばかり使っていないでしょうか。コミュニケーションはただと思っている人がいますが、コミュニケーションを行う人も、時間もただではありません。会議過多のために、例えば何か物事を考えたり、モノを作ったりする時間が取れずに、プロジェクトが進まないというのは本末転倒。目的を明確にし、過多でも過少でもない、プロジェクト運営に最適な会議実施のバランスを考えましょう。