【IVS2023 KYOTOトークセッション全文文字起こし】マッチング業界の各産業にもたらす効果とこれからの未来【クラウドワークス・ココナラ・フロンティア・C2C Platform登壇】
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C2C Platform社は、様々な業界のパートナー様へダイレクトマッチングのプラットフォームを提供しています。今回は6月30日に京都市勧業館「みやこめっせ」他で行われた「IVS2023 KYOTO」のトークセッション「マッチング業界の各リーディングカンパニーが見据える各産業にもたらす効果と、これからの未来」の全容をお伝えします。このトークセッションには弊社代表ソルがモデレーターとして登壇しました。
登壇トークセッション概要
ビジネスマッチング業界は、様々な要素を掛け合わせたつながりを創出することで、事業成長を促進するとともに様々な産業に革新をもたらし、近年急速な成長を遂げています。
業態の異なるビジネスマッチング業界のリーディングカンパニーが登壇し、現状と、現状から見える今後、更にその先を見据えた多様性の創造、ビジネスマッチング業界が各産業にもたらす効果や今後の展望などについて様々な視点からパネルディスカッション形式でお話いたします。
テーマ:マッチング業界の各リーディングカンパニーが見据える各産業にもたらす効果と、これからの未来
日 時:6/30(金)12:30~13:30 / IVS-DAY 3
会 場:京都市勧業館「みやこめっせ」PRO BASE stage A
登壇者:
・パネリスト(順不同)
株式会社ココナラ 代表取締役社長CEO 鈴木 歩 氏
株式会社クラウドワークス 取締役常務執行役員 兼 COO 大類 光一 氏
フロンティア株式会社 常務取締役COO 田中 翔理 氏
・モデレーター
C2C Platform株式会社 代表取締役社長 薛 悠司
セッション内容
ソル:では時間になりましたので始めさせていただきます。このセッションではマッチング業界の各リーディングカンパニーにお越しいただき「各産業にもたらす効果とこれからの未来」というテーマで行います。ファシリテーターを務めますC2C Platform社のソルユサと申します。よろしくお願いします。
登壇者自己紹介
ソル:最初に自己紹介の方をパネリストの方々にしてもらいます。それでは鈴木さんから。
ココナラ鈴木氏(以下、鈴木氏):株式会社ココナラでCEOをしています鈴木と申します。ココナラはスキル、知識を可視化してマッチングするマーケットプレイスを運営しております。クラウドワークスさんと似ているようで違うビジネスモデルなのですが、我々はマーケットプレイスがメイン、かつホリゾンタルに、ビジネス系だけではなくてプライベート系のカテゴリも扱っています。toBの方もいらっしゃいますけどtoCの要素が強いビジネスモデルということでよろしくお願いいたします。
クラウドワークス大類氏(以下、大類氏):クラウドワークスの大類です。クラウドワークスの中で役割としては今COOで、主に事業面を担当しております。当社は企業とフリーランスの方を繋ぐプラットフォームを運営しています。企業様側から見ると外部人材の活用を社員以外で行っていきたいと考えられた時に、お使いいただいているようなサービスを運営しております。最近はフリーランスの方々以外にも大企業所属だとか、現役でどこかの企業で働きながら副業している方を活用していく、というケースも増えてきているので、今日はそういうところもお話しできたらなと思います。よろしくお願いします。
フロンティア田中氏(以下、田中氏):フロンティアで取締役をやっています田中と申します。よろしくお願いします。私たちはBtoBのマッチングプラットフォームを運営させていただいております。主にWebサイトを作りたい、システム開発したい、といったお悩みを解決するパートナー企業をご紹介するというようなビジネスモデルでやらせていただいております。よろしくお願いいたします。
ソル:簡単にC2C Platformの紹介をさせていただくと、この社名が皆さんのもとに出ることは少なくて。上に「HOGUGU」というサービスのブースがあってもしかしたら体験された方もいらっしゃるかもしれないんですが、あれは出張マッサージとお客さんをマッチングするみたいなことをしていたり、「ネイリー」というプロダクトはネイリストとユーザーをマッチングさせてみたりだとか、「社長メシ」というプロダクトでは社長と学生さんをマッチングしたりだとか、そいうマッチングサービスのプラットフォームをパートナーさんと組んで30ぐらい展開させていただいていている企業になります。
「マッチングプラットフォーム」の変容について
ソル:では早速最初のテーマにうつらせていただきます。「マッチングプラットフォーム」が生まれてだいぶ年数が経ってきているという中で「マッチングプラットフォーム」の使われ方、あり方が少しずつ変わっているように見えます。例えば個人で言うと最初はフリーランスや副業をする人のためのプラットフォームというところに留まっていたのが、この頃一部次のステップ、例えば起業だとか、個人事業主をやっていたのが次に法人化していくということが多くなってきているように見受けられます。そういった新しい傾向や各社の具体事例として何が起きているかをお伺いしていこうかなと思っています。
鈴木氏:最初弊社は「ワンコインマーケ」というサービスをしていました。そこでは趣味の延長のような、例えば個人の似顔絵書きさんや占いなどをしている方に多く登録いただいていました。それが一転、2017年にTVCMをやってからは一気に副業の方が増えてきました。その後、副業がうまくいって、元々勤めていた会社もやめられて、ココナラでの仕事を本業にされる方も出てきた。このように少しずつ使われ方が変わってきたなという印象です。
ソル:サプライヤー(受注側)からすると自分が本当に通用するのかな、というところから入って、通用すると思ったらどんどんその業務自体で本業にシフトしていくということですね。
鈴木氏:なかなかこの流れって意義深いと思っていまして。新しいこと始めるってチャレンジングだと思うんですね。
今までだと例えば高校生の時からデザイナーにになりたいと思っていて美大に入って、代理店に行って、そっから花開く感じだったと思うんですけど、今はそうじゃなくて思い立ったタイミングからツールの勉強をして、我々のようなプラットフォームを使って自信がついたら独立できる。要は自分のしたいことを実現するとかスキルを磨くというのがハードル低く行えるようになってきたと感じます。
ソル:確かにそうですね。この領域、この傾向強いなっていうのありますか?
鈴木氏;デザイナーもそうですし、イラストレーターさんや作曲・作詞をされている方などクリエイティブな領域にその傾向が強いと思います。昔から絵上手だよねと言われて色々無償でお願いされていた人が稼ごうと思えば稼げちゃうということですね。
ソル:クラウドワークスさんはどうですか?
大類氏:これまでは転職や起業など全然違うことをやらなければならなかったのですが「副業」っていうのがその手前に出てきて、いきなり転職や起業っていうリスクを取らなくても複数の仕事をやることによってダメ元で気軽に始められるようになっていますね。
当社で言うと、創業当時の「報酬を稼ぐ」と言うのが副業1.0で在宅で仕事をしていただくというサービスを提供していました。今はそれに加えて能力開発と言う意味で行くと「クラウドリンクス」と言う企業に所属しながら副業していただくというサービスを始めていて、そこの会員様がすごく今増えています。
ソル:この領域、この傾向強いなっていうのありますか?
大類氏:まずマーケットと成り立っているのはIT・デジタル領域ですね。それ以外でいくと経理などのコーポレートサイドは今立ち上がり段階かなと思います。
ソル:コロナで在宅が増えたと思うのですが、それで加速した感じはありますか?
大類氏:あります。ニーズが増えている分、未経験でも始めやすいですね。時間ができたからその分新しいことにチャレンジして、そのままそこから独立してフリーランスになったという人が増えた印象です。
ソル:フロンティアさんで行くとto Bのマッチングなのでその観点で、受注側で元々個人事業主から始めました、副業から始めましたという会社さんいらっしゃるんですか?
田中氏:結構いらっしゃいますね。独立するときって、自分ができることと周りができていないことの掛け算で(事業を)作っていくと思うのですが、本来やりたいのはスタートアップで何かプロダクト作りたいよね、となってもリソースが足りないので、まずは受託開発を請け負っている方という方がいらっしゃいますね。あるいは、電通・博報堂などの大手広告代理店出身で起業されて、自社サービスとして受託開発をやっていきたい、そういったニーズもあります。
発注側のスタンスも変わってきていると思っています。以前は、大手は大手同士でないと釣り合わないという傾向があったかなと思うのですが、大手同士の付き合いだと痒い所に手が届かなかったりだとか、思ったような品質が担保できないというのが結構あるんですね。大手でネームバリューがあるのだけど、担当者レベルだとPM力だったりデザイン力にばらつきがある業界なのかなと思っています。小さい会社でも腕のいい人たちだけがいる会社と付き合いたいと思っている会社さんが多くなってきた印象です。そういった意味から独立してもやりやすくなっている、ただその分、数が多くなるので繋がりは難しくなっているのかなと思います。
ソル:新規で増えている需要分野も供給側分野はありますか?
田中氏:供給分野でいくと映像とか動画が多いです。マーケットになっているかどうかは別ですが、簡単に何かが作れるようになった領域Tiktokなどのショート動画を作るみたいなのはご登録が多くなってきています。
自社サービスの特徴・強み
ソル:この流れで第2のテーマに入っていければと思います。
会場にいらっしゃる方は発注する企業さんも多いと思うのですが、こう言うふうに自分達のサービスを使ったらお得なんだよと言うものを教えてください。
田中氏:いつも使っていないような規模、全く知らない感性をもった会社さんと付き合うのは面白いのかなと思います。例えば自社で化粧品を作っている会社さんが発注するときに、化粧品で実績のある会社さんがいいよね、と普通はなると思います。観点としてはいいのですが、一方でデジタルマーケティングであったり、オンライン広告のやり方が確立されてきているのでクリエイティブ要素でしか差別化が難しくなってきていると思っている。そこに対して斬新なアイディア、例えば若手のクリエイターを使ってますや大手のクリエイターさんと繋がっているなど違うレイヤーを同時に提案できます、みたいな企業さんの提案をとるのは結構面白いのではないかと思います。
ソル:御社の場合マッチングする需要側のニーズを聞き出してそのニーズに合うんじゃないかと思う供給側にマッチングさせていくと思うんですけど、その時にユーザーニーズにヒットさせるために意識していることはありますか?
田中氏:コミュニケーションコストというのを考えていると思います。外注の失敗理由ってコミュニケーションコストだったりコミュニケーションコードが発注側と受注側で違うので起こることだと思っています。なので話し方であったりバックグラウンドだったりを確認させてもらってそこから推測されるコミュニケーションのあり方は意識してチェックします。
ソル:確かに人が介在する部分ってなかなか機械化が難しいですよね。確かに御社の場合は大切な部分かもしれないですね。
クラウドワークスさんの場合どうですか?
大類氏:使い方と言う話からはずれるのですが、想定されているより結構すごい人がいますと言う話はあります。例えば、登録者さんでGoogleで広告をやっているマネージャークラスの方がいて年収2〜3,000万稼いでる方がいらっしゃるんですね。本業の方ではtoC向けの業務をしているのですが、toB向けに経験を積んでいきたいとおっしゃって、あるベンチャー企業のSaaSのtoBのマーケを月10〜20万円でやっている方がいます。結構すごいと思うんですよね。
田中氏:そういう方ってどう見つけるんですか?
大類氏:当社「クラウドリンクス」というプラットフォームがあってその所属企業が出ています。そこに転職だったらあまりオープンにしていない情報でも副業だったらということで結構オープンに自分の本業の情報を書いてくれる人が多い。それを発注企業側さんに見つけていただいて通常の流れでお声がけいただいて…となります。
その方達は報酬目的でなく外で役に立ちたいとか、そもそも今の企業では通用しているけど、外に出たらどれだけ通用するのか、という観点で探されていることが多いですね。
ソル:そういう意味では、時間に比較的余裕がありそうで逆に報酬帯が高そうというところは実は狙い目かもしれませんね。
鈴木氏:大類さんの話はうちも似たような部分があるなと思っていて、副業されている方に発注するのはお得だと思っています。代理店さんにロゴ発注するとなったら1〜2,000万かかるの当たり前ですよね。だけど、その代理店に所属している方からすると1〜2,000万の仕事をしたとしても給与は変わらないですよね。だけど、ココナラのプラットフォームで1案件50万円を受注したら丸々自分の利益になる。そういう価格帯でやってくれる、プロの方が結構いらっしゃいます。そういう人に発注できると相場の10分の1で20分の1で発注できるし、だからっていって受注側も価値(報酬)が下がっているのではなくて仕事している側も嬉しい。Win-Winの状態にできるのでこれはいいかなと思います。
ココナラもプロの人が結構多いんだぞと言うのをお伝えしておきたいです。例えば作曲でいくとオリコンチャート1位をとった人が何人かいます。これには受注サイドで別のニーズがあるんですが、作曲のお仕事って実はすごくムラのある世界ですごい有名な方でも閑散期結構暇なんでといって使ってくださるんです。もし皆さんも社歌なんかを考えられている企業さんいたら元AKBの曲を作った方なんかに発注できますのでよかったら覗いてみてください。
ソル:今法人寄りの話も多かったのですが、個人で発注できるケースも結構あるのかなと思います。そう言う観点だといかがでしょうか?
鈴木氏:プライベート利用とかも良いと思います。例えば確定申告などもワンストップで数千円で免許を持っていらっしゃる税理士の方にお願いできたりとかしますし、もっとプライベートな方によるとパパさんママさんたちで子供の学校の行事で何か作らなくてはならない、となった際に全部丸投げできるのでめちゃくちゃハイクオリティで成果物がくるのでこういった使い方もあります。
ソル:ありがとうございます。ぜひ今後ご利用される際の参考にしてくださいね。
今後の「マッチングプラットフォーム」の展望
ソル:これってやっぱり変化してきてるってことだと思うのですね。
さっきの(ココナラさんの)話がわかりやすいと思っていて、500円で最初発注できて、そこからオリコン1位(の人材にご登録いただくまで)になったじゃないですか。
プラットフォームにおける社会変化が起きたことによる使われ方に差が出てきていると言うことだと思うんですね。てことは多分これがこのまま止まったままと言うことはないはずなので今後どんなふうにマッチングプラットフォームが使われたり、供給側が変わってくると言うふうに思いますか?
大類氏:サプライサイド側ですね。言わずもがなですが、就業人口って6,800万人ぐらいいて、そこってこれから人口が下がり続けるのが目に見えています。一方で、フリーランスの方、捉え方は色々あるのであれなのですが、約7〜80万人ぐらいがホワイトカラーでやっていますと。その方達は自由な働き方をするとか、自分の時間を大切にするということでどんどん増えていくと思うんですね。優秀な方をどこからとってくるかとなった時に、正社員の領域ではなくて副業とかフリーランスの領域って比較的採りやすい状況なので、我々のようなプラットフォームはそこに対しての人材調達をしっかりとお手伝いしていくということが日本を元気にしていくことに繋がるのかなと思っています。
一方で企業側が外部の人材を活用する上で何が難しいかというと、副業とかフリーランスの人の時間を切り出す、要件を切り出す、みたいな部分です。社員でやるのもなかなか大変なのに外部の人材のために週5時間この人にこういう仕事を発注しようと言うのはやはり難易度が高い。そういった意味ではオーナーさんみたいにある程度スキルを持っている方をショーに出してそこから選んでもらう形にしたら、企業側からすると発注しやすい状態になっているのかなと思います。
僕たちとしても企業側さんからみて副業の方達に発注しやすいようにパッケージを開発していくとか要件を切り出すところのお手伝いをするとかそう言うことをやっていけるとどんどん外部人材とのマッチングが進んでいくかなと思います。
鈴木氏:受注側でいうともっとフリーランスの方の属性が広がっていくと思っています。僕らは日本でビジネスしていますが、海外のベンチマークしている企業例えばFiverrなどをみていると、まだまだ日本はフリーランスの方が少ないと思う。例えば日本でもエンジニアさんやデザイナーさんってわかりやすくフリーランスになっているのですが、向こうだと経理、人事、カスタマーサポートの領域の方ですらプロフリーランスになっているんですね。というのだと日本はまだないですよね?本業でやってらっしゃる方もいます。
大類氏:アメリカだと半分ぐらいフリーランスだったりしますよね。
鈴木氏:日本でもこれからどんどんこういう職種でもフリーランスでやれるんだという方が増えてくるんではないかなと思っています。
あとは発注側というか、マッチング側のあり方で言うと、より「ダイレクトマッチング」の領域が盛り上がっていくんだろうなと思っています。我々はマーケットプレイスなので主にそっちが中心なのですが、今の状態だと結構リテラシーの問題があって一定の壁を越えられないと思うんですが、ここからテクノロジーの進化も相まって「ダイレクトマッチング」の流れがくるんじゃないかなと思っています。我々の業界は領域を犯されるのではないか、と言われたりしますが、チャンスの方が大きいなと思っています。やっぱり役務提供のマッチングって難しいじゃないですか。そういう所ほどジェネリティブAIの自動化によるコミュニケーションとかも含めてより発注者側もリテラシーにかかわらず使いこなせる時代がくると思うんですよね。
ソル:まさに役務提供のマッチングと言うところが主戦場だと思いますが、フロンティアさんどう変わっていきそうなどありますか?
田中氏:基本的にBtoBマッチングを利用する受注側の目的はトラクションの安定に集約されるなと思っています。つまりスタートアップであってもベンチャーであってもお客さんを定期的に獲得していくという目的になっている以上、当社の「レディクル」というサービスの使われ方として、POCで自社の製品がそもそもマーケットに受けるのかどうなのかといったことの検証だったりとかがある。実際に、大手企業の新規事業で100億がKPIでやらないとだめとなった場合に、「レディクル」から何件案件紹介してもらって伸ばしていけたらこれって再現性あるよね、みたいな使われ方をしています。ここで何が起きているかというとトラクションの安定を妨げる要素っていうのが、BtoBの価格情報と言うのが結構ブラックボックス化されていると言うのがあると思っています。そこを明らかにしていくと言うのがBtoBマッチングプラットフォームには求められているのではないかなと思います。
鈴木氏:僕らみたいに業態がちょっとずつずれていると発注側のニーズの溝を埋めていけるので良い関係な気がします。さっき「ダイレクトマッチング」の話をしましたが、それと同時に、BtoB領域にしっかりと人が介在することによって満たされるニーズもあるので上手くやっていけますよね。
田中氏:C系の領域の受注サイドっていつかはもっと自分が大きくなっていきたいと言うのがあると思っていて、そこに対してマッチングプラットフォームがそれぞれに顧客を獲得していく、自分たちは情報格差なくしていきたいのにマッチングプラットフォームが複数点在することによってまた広がっていくなと言うのはなくしていきたいなという思いはフロンティアにあります。
外的環境の変化による自社の変容について
ソル:総和が広がって行っている話だと思っていて、構造的には既存の中間業者が入っていたりしているところをテクノロジーが入っていったりでだんだん直接に近い状態になって行っていると思うんですよね。おっしゃる通りマーケットが広がっているからこそ棲み分ける場所が見つかっているんだろうなと思っています。そう言う意味ではまさに補完関係はあるのではないかなと思います。
例えば個別領域でいくと、例えばココナラさんにはネイルとかマッサージってあると思うんですが、ぶつかっていると言う感覚ではなくてマーケットが広がる中で、ユーザー側が時々で使い分けてるのではないかなと思っています。
また時間もあるので僕が聞きたいことを聞ければなと思うのですが、最近常々思うのがUI/UXの話が出てくると思うのですが、その前提の中でUXってそのプロダクトにおいてのUXではない、つまり水も飲むし、登壇もするし、新幹線も乗るしそれ全てが個人にとってのUXじゃないですか?それがスマホになって変わっているし、例えばUberとかがあった世界となかった世界では違っているというところでいうと外的環境の変化によって自社がどう言うふうに変わっていくんだろうと考えられるところありますか?
鈴木氏:外的環境で一番影響あると思うのはジェネリティブAIですかね。これによって大きく変わると思っていて、ちゃんと正しく捉えて正しく乗らないと脅威になりますし。一方でうまく活用できれば自社のUXあげることにつながると思います。
ソル:すでに自社でもいいですし、受発注のマッチングの中でも良いのですが、具体的なビジネスとして使われ出してきている例とかってご存知ですか?
鈴木氏:それで言うと各社使われていると思います。まず、オンラインなので文字打つことが多いんですね。そう言う時に補助として使用していますし、あと今後一番やっていきたいのが、ユーザーさん同士でコミュニケーションをする時に齟齬が一番起きやすいと思うのでそこをジェネリティブAIで改善できたらなと。齟齬が起きる時って期待値のアンマッチだと思うんですね。人間の感情だから期待値って生まれると思っていて、その間にジェネリティブAIを入れて、こう言う時はこう、みたいにある一定の要件に沿って振り分ける仕組みなどができていくとより使いやすくなっていくなと思っています。
ソル:例えば企業側へ使い方をコンサルするプラットフォームみたいなのも出始めたりしているんですか?
鈴木氏:それはあると思います。特にクラウドワークスさんの事例がそうだと思うんですけど、我々もようやくtoBの領域に入っていていて、やっぱりエンタープライズの方にご利用いただくためには、しっかりと中間コンシェルジュがいた方が使い勝手をわかっていただけることは多いですね。
田中氏:私たちはコンシェルジュがいて、人が必ず介在するというのをやっているのですが、どうしても出てくる問題、いわゆるエージェント問題と言うのがあります。
簡単に言うと中古車を売るとなった時に、じゃあAさんは100万円のものを120万円で売ります。Bさんは同じものを100万円で売ります。この場合本来ならBさんから買いたいはずなんですけど、120万円のものを100万円で売っているBさんおかしくない?というふうになってくる。間に介在する人が利益を下げるような動きに対してインセンティブが発生してしまうような状況が、やっぱりマッチングプラットフォームって起こってしまいがち。間に人がいればいるほどですね。そこをAIが解決できれば良いなと思っているところです。
ただそこに至るまでに、さっき言ったコミュニケーションの問題とどう折り合いをつけるのかということがありますね。私たちのビジネスモデルって商談に対して課金をすると言うモデルになっているのですが、そこを売上に対して何%と言うふうに課金をしていくと間の金額を高くとっていこうというエージェント問題が発生するのでできれば価格を固定していくとか、マッチングプラットフォームがもつ構造的に不正が起こりづらい環境を提供するというのが大事かなと思います。
大類氏:今のお話だと2つトピックがあったと思っていて、最初の方にあったAIに関するプラットフォームの影響という話でいうと、そこに付随する仕事は必ず生まれているので当社ではプラットフォーム上でそういった技術を使ってなんとかしたいんだけど、という発注側からの相談がかなり増えていて、そこで受注側が応募してマッチングしてというのがあります。で、その話の流れで企業側の人材の活用と言う話があったと思うのですが、一番大きいのはどんどん外部人材を活用しているのは皆さんのようなベンチャー企業とか大手のベンチャー気質を残している企業だと思います。一方で、そのほかの企業は外部に副業の方含めて仕事を頼みづらい、誰に頼んだらいいのかわからないみたいなのがあって、そのところをどうサポートしていくのか、先ほどお話にあったように我々がそこに介在してアドバイスしてあげたりと言うのが重要なのかなと思っています。
大手企業に使ってもらうためには?
ソル:使い始めている企業は個人事業主さんだったりとかベンチャー企業だったりとか小規模なところがトレンドとして流行らせていると言うのがあると思います。大手が使い始めてきている中での一番のキーポイントだったりとか、これによってもっと当たり前になっていく、プラットフォーム側としてやっていくべきところ、どうやったら加速するんだと言う部分考えられていることありますか?
大類氏:大企業でオールドな企業さんがいかに使い出すか、みたいなところが一つある。そこが使い出すとどんどん進んでいく。大企業さんの中でも外部人材の活用って最近始まっていて、例えば、大阪の電機メーカーさんで古くからあってグローバルに展開されている…というとなんとなくイメージつくかもしれないですが、ただWebの技術を使ってどうのと言うことではなくて昔は映像を作っていて、と言う会社さんで。ただ事業開発でドローンを使って色々やっていきたいとなった時に、なかなかその事業開発の部署に社内で人をアサインできないということになって。その事例では、我々のようなプラットフォームを使おうかなと思っていただいて実際使っていただいて事業が生まれていたりします。新規事業開発というか大企業の中でも新しいことをやりたいんだ、というときに我々を使おうかなと思っていただくことがあるので、そういったところがもう少し増えてくるとそれに追随する中小企業さんも増えてくるのではないかなと思います。
鈴木氏:違った切り口からの加速、と言う観点で行くと、この業界を一気に盛り上げるのに一番キーだなと思っていることは受注側の信頼性を発注側の方々にブランディングしていくことなのかなと思っています。
実際に我々のプラットフォームにこんなにすごい人いるんだぜ!という自信がありますよね?そう思っているんですけど、「なんか外部人材を活用するのが怖い」、ですとかオンラインだと匿名もあったりするんですが、そう言う人だと「トラブルに巻き込まれそう」とか言われることがあります。でもそこは工夫次第な気がしています。
例えばうちの場合ですと、ほぼ全てのトランザクションがオンラインで行われているので実はオフライン部分もデータを持っていたりするんですね。過去に何案件受注していて納品したことがあって、クライアントからの評価がいくつでしたみたいな。これってオンラインでしかないじゃないですか。オフラインで初めましてと言って営業してくる人とか過去の平均評価いくつですなんて絶対言わないですよね。
なので溜まっているオンラインのデータを適切に可視化して発注者の皆様方に伝えていく、テクノロジーを活用すると言うのもそうですし、マーケティング、ブランディングとしても「こんなにすごい人たちがいるのだから安心して使っていこうよ」となれば良いと思っています。海外の人たちってそこに対する心理的ハードルが低いと思っていて「リーズナブルなら使えばいいじゃん」と言うふうにシンプルにくるんですけど、日本の方達って基が保守的な文化なのでそこをいかに突破していくかが僕ら頑張っていくポイントかなと思います。
ソル:そういうとフロンティアさんが一番大手さんと付き合いが多いかなと思うんですがどうですか?
田中氏:外部人材、と言うとよく紐付けられるのがDX人材というのがあると思うのですが、DX人材を入れて誰が責任とるのと言う話があります。その方が何かを導入してくれてじゃあ使うってなった時にうまく使えない、となると誰が責任取るのですかと言う話が結構あるのかなと思います。外部人材・企業ってフィーが高かったりとか、そこを担う存在としてある程度活用されていく、もう少し抽象的に言えばデジタルマーケティングもそうなんですけど、今までなかった領域なんだけども何か適用を自分達がしていかなければならないところに、どんどん速度が上がっていってしまうのでジェネリティブAIの活用もそうですけど。外部人材の人じゃないと無理じゃん、そして特定の人に仕事が寄っていくというのは不可分な話だと思っています。企業においてもあまり大人数で会社を作ってそこに対応していく、というよりは少人数で機動力のある会社がどんどん新しい情報をキャッチアップしていって助けていくっていうのがめちゃくちゃ増えそうだなと思っています。そしてそこがおそらくブティック化、私たちの「マッチング」領域では少人数のすごく優秀な人たちに仕事が集中していくことが外部人材の未来になっていくのかなと思います。
ソル:エッヂが立っているところから突破口が開いていくんじゃないかということですね。
内部にいる、外部にいる問わず、特定の領域にいる方達の絶対数が限られているケースって使わざるをえないと思うんですね。さっきのDX人材の話とかそうだと思うんですが、そこに関してはもはや大手・中小関係ないみたいな。そう言った中だとクラウドワークスさんの中だとどんなものがありますか?
大類氏:そもそもその使われ方自体が、企業さんの内部で人がいないから外で人を使っていきたいみたいなニーズになるのですが、少しその隣の領域で起こっているのが、内部に人材はいるんだけど、外部に切り替えていきたいみたいな話です。
例えば派遣のスタッフの方で、たくさんの仕事を構成しているんですけど、派遣スタッフの方は派遣会社さんのルールの中である程度循環義務みたいなものがあって。そこの地域に住んでいる方々がアサインされているんですね。ただ、これだけ人が少なくなってきている中で派遣の人もなかなか人材を確保できない状態が起こっている中で、我々みたいなプラットフォームに多少意識せずいろんなところから人をアサインできると、ある程度そこでフレキシブルに人材を調達できるというのがあってそっちの方が良いよね、ということであえて内部に人はいるんだけど、外部に切り替えていく、みたいなことが起こってきているなとコロナ禍前後で特に印象に残っています。
各社今後の戦略
ソル:今まで(マッチングプラットフォームの)今までとこれからということで話させていただいたのですが、それも踏まえてうちはこんなふうにやっていくよという戦略やディレクションを最後にそれぞれお聞かせください。
鈴木氏:うちの場合つい最近までほぼマーケットプレイス一本だったんですね。ずっとそこで伸びてきていて、コロナ禍において追い風というかDXの波が来て急激に伸びたので、このまま一品足でいくのかなという時期もあったんですが、よくよく発注者の方のニーズを踏まえていくと、ビジネスであるんだったらセールスが入ってコンシェルジュが入ってとか、このカテゴリならこういうマッチングをすべきという多様なニーズがあるのでマーケットプレイス単体というよりはもう少しポートフォリオ経由にして受け皿を用意していきたいなというのがあります。
「ココナラ経済圏」という言葉を最近使い始めてきて、まだ具体的に発表していないんですけど、仕込んでいるところとしては第一陣として、後発ですけど「クラウドテック」さんに近いエージェント業務を始めたりとか、こういうカテゴリならこういう事業開発をしてみようか、みたいな感じで、経済圏的な戦略を打っているところです。
ソル:そういう意味でいくとマーケットは大きくなっていきながらも競合してかぶってくる領域も「クラウドワークス」さんとあるということですね。
鈴木氏:けど、そこ多分大類さんと一致すると思うのですけど、全体でいうと18兆円ぐらいになる中(スキルシェア領域の)中で、とにかくそのほとんどがオフラインで行われているのが現状なんですね。僕らみたいな「プラットフォーム」を介す売上なんててまだほんと微々たるもんなので、さっきのこういうオンラインって信頼できて便利なんだよ、というためには一社でやるのしんどいのでこの仲間たちと一緒にこんなに便利な世界観あるんだぜってやっていった方がいいと思っているのであまり競合と思っていないです。
大類氏:そうですね。まさにマーケットを広げていく段階ですね。
ソル:ではそんな流れでクラウドワークスさんはいかがでしょうか?
大類氏:1つ目は、トレンドとして、大企業、もしくはベンチャーの一線で活躍されているような方々が副業で仕事をし始めるというのがすごくトレンドとして出ているので、ぜひ今日はベンチャー企業の経営者の方が多いと思うのですが、そういう人材を活用いただいて会社の成長スピードをグッとあげていただくような機会を作っていきたいなと思っています。
また、サービスの利用というのもありがたいのですが、サービスの協業ですとか、一緒に事業を作っていく、ということもぜひやっていきたいなと思っています。我々人材を色々と抱えているサービスということもあっていろんなことができると思うので、ぜひ経営課題のイシューを捉えてベンチャー企業の皆様と一緒に作っていけたらなと思います。
田中氏:私も結論、先ほど鈴木さんからあった通りなんですが、私たちが「ビジネスマッチング」を使うという当たり前を作っていかないと業界が伸びていかないと思っています。
何かを発注するときに自分で探すか誰かに聞くという2パターンで成立していると思っていて、おそらくそのマーケットが大きいのだろうなと。でも「ビジネスマッチング」で発注した方がキュレーションされたいい会社に会えるからそっちの方がいいよね、というふうな共通認識を世間の人に持ってもらうということがすごく重要だなと思っています。なのでどちらかというと何かを発注する側に向けた業界横断的な「ビジネスマッチング協会」みたいなのがあってもいいのかな、そういう取り組みも必要なのかなと思います。
もう一つの課題はソーシングされるような具体的なタスクしか流通していないということだと思います。例えば絵を書くだったり、ロゴを作るだったりアプリを作るだったりとか具体的なタスクベースが流通してしまっているので、もう少し上流の、企業課題ってこうだよねというところに対してのアプローチをするには至っていないので、そこまでできることが「ビジネスマッチング」の事業として求められているのだなと思っています。そこをBtoBの一企業として目指していきたいと思っています。
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質疑応答
ソル:もしよければ会場から少しご質問をいただけたらと思うんですが・・・
出席者:私もビジネスマッチングの企業に勤めておりまして、すごく共感しながらお話を聞いていて、ビジネスマッチング協会、もしできれば参加させていただきたいと思って聞いていました。鈴木さんがおっしゃっていたところで、オフラインで行われているところがオンラインで移行していくというところがすごく時間がかかっていてまだまだ開拓できていないなというところがあるのですが、まさに浸透するために信頼性が大切だと思うのですが、そこを発展させるためにこれは重要だ、と思うポイントがあればもう少しお伺いしたいと思います。
大類:ちょっとご質問の趣旨からずれてしまうかもしれませんが、信頼性を伝えていくということ以外において、より前に進めるという観点で行くと一つはパッケージ化(わかりやすさ)みたいなものがあるかなと思っています。この人にとか何かを頼もうとなると、その人は本当にどういう人かとという与信が必要になって、それは我々のプラットフォームでしっかりと過去の利用の実績などを伝えていくということなのですが、それ以外に例えば経理の仕事だったら月何十万これぐらいのものをやれるよということをパッケージとして提供してあげて、企業側からもかなりわかりやすく発注してあげる。そして裏側で動いている副業の方やフリーランスの方が変わっていくみたいなことも我々がサービス提供者としてやっていけることをできたらなと思っています。
多分ご質問された意図とはずれてしまっているかもしれませんがそう思いました。
鈴木氏:さっき信頼性をあげるためには「情報の可視化」が大事だとお伝えしたと思うのですが、そもそも根本的なところでいくと口コミな気がしています。だとすると、一回一回の取引の満足をどれだけ限界まであげられるか、そこの満足度が一定以上上がるとこんな素晴らしいサービスがあった、こんな素晴らしい事業があったって言ってくれるじゃないですか。そこを目指さなきゃいけないと思います。だとした時に、マッチングの満足度をあげる肝は何かというと両サイドいるところの期待値を擦り合わせることだと思っています。なのでいかに期待値を擦り合わせるためのアルゴリズムを徹底的に、テクノロジーで開発するでもいいし、人を介入していくでもいいですけど、やらなきゃいけないなと思います。例えばですけど、どれだけ高くてもいいから最高のクオリティのものが欲しいという人もいれば、大したクオリティじゃなくていいから限界まで安くしてという人もいたりするじゃないですか。需要って千差万別なのでそこにあったスキルとか受注者側をちゃんと当てることが大事。そこにこだわり抜くことが大事だなと思いました。
田中氏:「レディクル」でやっているオフラインからオンラインをどう底上げしていくかという課題の一つに「面倒臭い」というのがあると思っています。つまり要件定義が面倒臭いみたいな話ですね。自分の頭を棚卸して、紙に落としてそれを流通させていく…この面倒臭さを取り払うために友達に頼んだり、繋がりを作って、みたいな話になっちゃうことが多いかなと思ってます。
なので「レディクル」の取り組みとしてはできるだけ営業が案件を出す前からできるだけコネクションを作っておいていつでも相談できる環境を作るというのをやっていたりします。なので昔ながらといえば昔ながらなのですが、相手に頭を使わさせないということがマッチングの領域においても結構重要な観点かと思っています。
ソル:ではちょと早めなのですがネットワーキングの時間を長く取れるようにこのセッションは終了させていただければと思います。ご清聴ありがとうございました。
C2C Platform株式会社のサービス
C2C Platform株式会社は、ダイレクトマッチングサービスを展開する事業者様(パートナー企業)に対し、ビジネス戦略設計、システム開発、マーケティング、資金調達支援などパートナー企業様の事業の成長に合わせて必要な機能を一気通貫で提供する、伴走型の支援を行っています。
「ダイレクトマッチング業界」の様々な課題をDX(デジタルトランスフォーメーション)で解決していくことを事業の根幹とし、今までになかった様々なサービスや企画を推進しています。
C2C Platform株式会社の会社概要
会社名 :C2C Platform株式会社
設立 :2021年1月(前身となる現子会社C2C PTE. LTD.は2017年9月設立)
代表者 :薛 悠司(ソル ユサ)
所在地 :東京都港区海岸1-11-1ニューピア竹芝ノースタワー14F
事業内容 :ダイレクトマッチング事業に特化したシステム開発および事業支援
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