【第15章】これからの時代こそ、「野中理論」が圧倒的に必要になる。
SECI理論の図が挿入するのに参考になりそうな図調べていたら章ごとそのまま掲載されているのを発見してしまった。そうなると、自身がまとめる意味がないので、感想・気づきだけ記すことにしたい。
これからの時代こそ、「野中理論」が必要になる
この章を読んでSECIモデルが世界に敵に有名なものだと知りびっくりした。論文の引用数は2万4000を超えていることがそれだけ研究にインパクトが与えているかを表している。
では何が凄いのか、自分が一番なるほどと思ったのは、これまでの研究は既に表出した形式知の研究だけだったのを、ただ内面に埋もれている暗黙知を研究して明らかにしようと試みた点だ。
私も過去に仕事で普通の営業パーソンとトップの営業パーソンの違いは何かをインタビューしたことがあるが、その時はクライアントとどんな意識で向き合ってコミュニケーションをとるのかの違い、がインタビューを通じて言語化することで違い見えてきた。
難しいからこそ価値ある研究テーマなのだと思う。
知識を創造するSECIモデルの根幹にあるもの
このパートで最も印象に残ったのは、「動的プロセスで重要なのは全人格をかけて知の格闘をしていく『共感・共同化に至るまでの徹底的な知的コンバット』だ」という部分だ。
これを読んで思い出すのは、エーザイの「SECIモデルをどのように解釈し、取り入れているか」の講演を聞いた時のエピソードだ。詳細は忘れたが、エーザイの定款において「社外取締役を含むエーザイグループすべての役員および従業員が業務時間の1%を患者様と共に過ごしその喜怒哀楽を知る「共同化」を行うことを推奨」と明記しており、実際に患者さんと過ごし、痛み・苦しみ・共に過ごす家族の思いに共感し、共同化を実現していることが本業にも繋がっているそうだ。
本書に書かれていたが、「職場でのブレストからはなかなかアイディアが出ない」という研究結果の通りで、深く共感し、共同化する知的コンバットがアイディアを生み出すプロセスにおいて必要なのだろう。
AI時代の生き方の回答はSECIモデルにある
このパートに関して、AIには暗黙知というのは存在せず、感覚で理解する身体知もなく、何か共感するという感情も持ち合わせていないことからAIと代替できないものという点に理論はない。
ただ、Chatgptと会話していると敵に感情を動かされたり、知らない気づきを得たりするわけで良きパートナーとして機能するのではないかとは思う。ソフトバンクの孫正義さんも2024年6月の株主総会でChatgptとグループディスカッションしているという話をしていたが、これに限らずどのように生かせるかは模索していきたい。
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