STEAMの”め”🌱👀-#1 ［可視化］

このnoteは、科学の考え方を面白がる先に、STEAMの”め”を見出そうという試みです。

STEAMとは
S：Science
T：Technology
E：Engineering
A：Art
M：Mathematics
のこと。

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突然ですが、ノーベル物理学賞の第１回目の受賞者って、だれか知っていますか？

ヒントは、みなさんも検査できいたことある名前です。

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答えは、レントゲン。ヴィルヘルム・レントゲンです。

受賞年は1901年。（今から100年以上も前！）

受賞理由は、X線の発見です。

X線とは波長が1pm - 10nm程度の電磁波のことです。

（ちなみに、可視光の波長はおおよそ400nm〜700nm、ミリ波の波長（携帯の電波などでも使われている）はその名の通り、1 mm～10 mmですから、めちゃめちゃ波長が短いことがわかります。ナノメートルは、10億分の1メートルです。ひええ。）

さて、今回レントゲンとX線に注目したのは「可視化」という”め”を考えたいためです。

レントゲンがこのX線を発見したとき、昼夜を問わず夢中になって実験していて、あるとき隣の部屋までこのX線が貫き、ドアの形が写真の乾板にうつったことを知ると、レントゲンはそのドアを壊して金具や塗料を残さず調べたそうです。

発見の興奮が伝わってきます。と同時に深い分析の姿勢も。

レントゲンは「陰極線」の研究を続けていました。陰極線とは真空にした放電管の中で、光って見える電子線のことです。もしかしたら学校で実験したことがある方もいらっしゃるかもです。こういうやつですね。

そして、この陰極線のある実験をしていたレントゲンは、そばにある蛍光板が光っているのを見つけました。

ん？これはなんだ？と、試しに写真用の黒い紙で放電管をすっかり包みこんでみたけれども、やはり蛍光板はあわく光っている。ということは、黒い紙を通して、目に見えぬものが放電管から出て、蛍光板にあたっているのだ、と。

ノート、本、木片、トランプ、アルミ板など、手元にあるもので隠してもすべて、この謎のサムシングは通してしまう。蛍光板は光ってしまう。

そして試しにレントゲン自身の手をかざすと、なんと！手の骨が見えるではないかと。今日のレントゲン検査に続く世紀の発見です。

一度ある電気会社がその権利を買いたいと申し出てきたとき、レントゲンは声をあらげて断ったそうです。その断りがあったからこそ、医学や理工学などで、人類はX線の恩恵を得られています。レントゲン、ナイスう！

そんなこんなのレントゲンとX線ですが、こんな短いエピソードの中でもいくつもの”目”が隠れています。

そばにある蛍光板が光っていることをん？なんだ？と見逃さない”目”。

黒い紙で包んでみようというもしかしての”目”。

ノートは？アルミは？隣の部屋からは？そして手は？と、発見した不思議に対していろいろ変数を変えて試す”目”。

こりゃやべえ発見だと気づき、電気会社に権利を手渡さない、人類の未来を見渡す”目”。

どれも重要な”目”です。

さて、X線がもたらしてくれた、人間の目を超えたものを「可視化」できる技術は、今日どんなところに使われているでしょうか？

まずは、医療の検査ですね。いわゆるレントゲン検査もそうですし、わたくし数年前に癌を患ったのですが、そのときに大変お世話になったCT検査にもX線は使われています。

X線はものを通す性質があるので、空港などで荷物をあけずに中身をチェックする手荷物検査や、工場で機械の部品などがこわれていないか？キズがついていないか？といったことを検査する非破壊検査（内部を壊さず行う検査）などにも使われています。

便利ですね。ありがたいですね。

X線はそのように使われているわけですが、最後に、より抽象的に人間の目には見えないものを「可視化」する科学技術というところまで視点を高くするとなにが見えてくるでしょうか？　ぜひ考えてみてください。

今回のSTEAMの”芽”

その１
「可視化」の技術は、X線利用の他にどんなものがある？（※探したその「可視化」の技術ってなにがすごい？）

その２
ドラえもん思考でどんな「可視化」ができるといい？（※レントゲンを見習って、人類の未来を見渡す”目”で考えよう。）

いつか対話できる日を楽しみにしています。