紙よサラバ! サステナブル記憶術
天井にまで届く書棚を見て
今すぐ必要ではないけど、保存しておきたい資料ってありますよね。一応分類してクリアファイルやハンギングフォルダに入れてとっておいて……、それでどうなりますか。引っ張り出して使ったことはありますか。
私も3年前まで、山のような紙の資料をどっさり保管していました。しかし、いざ探そうとすると恐ろしく時間がかかりますし、結局見つからなかったこともたびたびありました。資料があること自体を忘れていたこともありました。つまり、ほとんどゴミに近い存在でした。
本も同様です。かつては狭い部屋の天井まで届く書棚にぎっしり本を並べていましたが、あるときふと「これ、何の役に立っているんだろう」と思うと、「ただ空間を圧迫しているだけじゃないか」「ここんなに本を読んだ”という、自己満足じゃないのか」、そう気づいたのです。
そこである時、すべての資料や本をデジタルデータ化することにしました。方法は簡単。スキャナで次々スキャンするだけです。本の場合は全ページをスキャンするのは手間ですから、必要な部分だけをスキャンすればいいのです。蔵書は、心から「ありがとう」と、その本に感謝できる何冊かを残してすべて売り払いました。おかげで部屋のすっきりしたことといったら!
あえて、分類、整理はしない
データ化するには、一つだけコツがあります。「透明テキスト付きPDF」という形式でスキャンすることです。透明テキスト付きPDFとは、画像中の文字情報をテキストに変換し、画像の上に透明に重ねたもの。書類をこの形式でスキャンしたものは、書類の中に出てくる文字によって検索することができますし、文字列をコピーしてワープロソフトに貼り付けることもできます。
手書きメモなどは、キーワードをつけておけば、そのキーワードで検索することができます。
つまり一つひとつの資料にヒモをつけることができる、関連性をもたせることができるのです。しかもPDFはOSを選びません。ワードやエクセルがなくても、マックでもウィンドウズでも、開ける形式です。これもすてきなことですね。
こうして資料をデジタルデータ化したら、ネット上の無料サーバーに上げていきます。ここで注意したいのは、「分類や整理をしない」こと。分類や整理を始めると実に面倒で、しまいには挫折してしまいます。何も考えずに、ただひたすら置いていきましょう。
整理しなくていいのかって?はい、大丈夫です。ほしいものは「検索」すればいいのです。自分で分類しようとしても、内容によってはどこに分類したらよいか迷いますし、ミスもあります。それより無秩序に置いていき、必要に応じて検索をかけるほうが合理的。検索キーワードに関連したものが一瞬にしてずらりと出てきます。
インターネット上に脳を持つ
しかもインターネット上のサーバーですから、どこからでも、どのパソコンからでも自分の資料にアクセスできます。いわば外部脳です。現代は、肉体的な脳のほかに外部脳を活用できるすばらしい時代です。このツールを活用しない手はありません。
余談ですが、その意味で、メールも「Gメール」がおすすめです。これは、検索エンジンを運営するグーグルが提供している無料のウェブメールです。インターネット上に数ギガもの大容量のメールボックスがありますから、どのパソコンからでもメールチェックでき、容量を気にしてメールを削除する必要もありません。これも分類はせずに、検索機能で必要なメールを取り出す方式を採用しています。
こうすることで、今までバラバラだった資料が互いにつながります。資料の価値も何倍にも高まります。無から有を生み出せるとわかって、男気もわいてきます。ただの資料があなたをチア・アップする、心強いサポーターになるのです。しかもそのサポーターは、資料を新しくデータ化することで日々成長していくのです。
21年が半年に圧縮された!
筆の遅い私は、かつて1冊の本の原稿を書き上げるのに3年も(!)かかっていました。ところが、この方法を導入してからというもの、執筆のスピードが激変しました。まず資料を探す時間がほとんどゼロになりました。走り書きのメモも資料として関連づけられるため、書きたいことをまとめるスピードも格段に速くなりました。その結果、半年間で7冊もの本を出版できるまでになったのです!
すべての資料をPDFにしたといっても、「紙と鉛筆」を否定しているわけではありません。保存するにはデータ化して、サーバー上に置くのがおすすめですが、日々の思考や作業には手書きのほうが向いている場面がたくさんあります。アイディアをさっと書き留めたり、次々に浮かんでくる思考を図式化していったり。本書でも随所でお話ししていますが、手書きのノートはとても重要であり、決して否定すべきものではありません。
手書きノートもPDF化して保存するというのは、手書きメモとデジタルデータそれぞれの長所を統合させた方法です。アナログとデジタル両方のバランスをとることが大切なのです。
バックアップは慎重にしましょう!
電子化するにあたって、慎重の上にも慎重を期さねばならないのがバックアップです。サーバーに置くことに欠点があるとすれば、一瞬にしてすべてが消える可能性があることです。そこで私は、定期的に3重にバックアップをとります。まず自分のパソコン内部です。2つ目に外付けのハードディスク。3つ目としてそれ以外のDVDIRや、ブルーレイディスクなどのメディア。このトリプル・バック・アップで万一、事故が起こっても安心です。
人生を創る力を開発する「創造学習」
創造学習研究所は、1978年から約30年間、皇居の目の前、半蔵門にて開かれていた伝説の学習塾です。創造学習は、一般的な学習法に加えて、速読や暗記術といったいわゆる「能力開発」や、昨今でいう「潜在意識」や、「いのり」の力といったスピリチュアリティにも触れた内容で構成されていました。
この度、伝説の学習塾で行っていた秘伝の学びをnoteで共有すると共に、近く、それをリアルでお伝えするイベントも企画してみようと思っています。
専用のLINEアカウントを作りましたので、お知らせはそちらで行う予定です。ぜひともご参加ください。
ちなみにLINEでは、ほぼ毎朝(笑)人生を創造的にする「毎朝伝ちゃん」と題した朝3分の学びをお届けしようと思っています(準備中)。
noteもぜひ、フォローしてくださいね!