CSキャリア”インタビューリレー”第二弾
大企業からベンチャー企業。営業・企画・マーケティング。そしてマネージャーとしての経験。これまでの転職回数は5回と、さまざまなチャレンジをしてきた浅倉さんだからこそ感じる
「カスタマーサクセス」という仕事の面白さをインタビューで深堀りしていきます!
はじめに
-こんにちは。
今回は、株式会社KOMMONSが企画する”CSキャリアインタビューリレー”の第二弾です。
株式会社KOMMONSは、カスタマーサクセスに特化したサービスを提供する会社です。企業向けのカスタマーサクセス支援サービスやカスタマーサクセスを職業とする方たちのコミュニティを運営しながら、カスタマーサクセスの方たちが自信を持って働ける世界を目指しています。
インタビュー内容
【1】 カスタマーサクセス職に至るまでの経歴
-浅倉さん、本日はよろしくお願いします!
今回はインタビューリレーの企画ということで、前回に引き続きカスタマーサクセスを経験する方たちの仕事のお話を聞かせていただいています。
まずは浅倉さんのこれまでの職歴・キャリアをお伺いしてもよいでしょうか。
よろしくおねがいします!
自分は今までに5社経験してきているんですけれども、1社目は通信キャリアの会社でサービス企画を行っていました。ちょうどその当時、格安ジムが出始めの時期だったのでそういった施設の企画とかに携わっていましたね。
そこから今CMとかでも皆さんよく見るような光回線の営業推進部署に社内異動して…そうですね、大体4年弱くらい働いていました。
2社目は医療機器の会社で主にドクター向けの営業を1年弱くらい。3社目は人材系ITの会社で、人材紹介のキャリアアドバイザーとして入社した後、マネージャーを経験して最後は新規事業の企画やマネタイズを行う部署に異動しました。3社目はトータルで4年半くらい勤務していたかなと思います。
で、そのあと4社目ではIT系の立ち上げフェーズの会社に転職して、セールスからマーケまでまるっと1年弱ほどやっていました。
5社目の現在はまた人材系ITの業種に戻ってきて、カスタマーサクセスを大体2年くらいやっています。
-そうなんですね!営業や企画職、途中ではマネージャーも経験されたりとさまざまな職種を経験されていますが、カスタマーサクセスのお仕事に挑戦されたのはここ最近なんですね。
そうですね。もともと前職でもカスタマーサクセスに興味はあったんですけど、そこでは営業の業務がメインになっていたという感じですね。
本格的にカスタマーサクセスの業務に取り組み始めたのは、大体2年前くらいからです。
-なるほど。現在のカスタマーサクセスの業務内容はどんなことをされているんですか?
業務内容が本当に幅広いのですが、対顧客という面でいくと現状は大手インフラの法人対応がメインですね。
ひとことでカスタマーサクセスといっても、現在の職場ではセールスと商談に同席する機会も多くて。イメージでいくとプリセールスみたいなこともやっています。それで商談後に実際に導入が決まった後の支援やフォローっていうところまで一連の業務になっている感じですね。
対社内に対しての業務だと開発の方とのやり取りが多いですね。例えばシステム上に新しい機能が出たときの、ビジネス側のデリバリーを行っているって感じです。
-対社内・社外と業務範疇が幅広いですね!カスタマーサクセスって、たとえばオンボーディングのグループがあったり組織の役割をしっかり縦割りにしている会社さんもあるなかで、現状の浅倉さんの職場のようにカスタマーサクセスの業務内容が多岐に渡るっていう環境は実際どうですか?
自分がシンプルに飽き性なので、その意味ではすごくいい環境なのかなって思っています。もともと新規事業企画とかにも携わってきたからこそ、ちょっと企画に近い目線でカスタマーサクセスの職種ができる部分はすごく楽しいなと思っています。
【2】カスタマーサクセスに興味を持ったきっかけ、仕事の面白さ
-そもそもの質問になってしまうのですが、カスタマーサクセスの仕事に興味を持ったのはどういうきっかけだったんですか?
もともと数値データを分析したりするのが好きだったんですが、分析したデータからお客様にとって効果的な施策は何かを考えたりとかできたらいいなとは思っていました。
あとはシンプルにお客様対応が好きだなという部分もあって。そういう自分の強みをいかしながら、やりたいことができる仕事と考えたときにカスタマーサクセスだった、という感じですかね。
-なるほど。カスタマーサクセスのお仕事に実際挑戦してみたうえで、浅倉さんが思うカスタマーサクセスの面白さってどんなところでしょうか?
自分がもともとやりたかったことができているので、すごくやりがいがありますね。
現職では大手インフラの法人対応をメインでやっているんですが、カスタマーサクセスの仕事を通じて普段だと関われないような大きな会社と関われるっていうのはすごく良い部分だなと思っています。
あとプラスアルファで、現職だと社内の開発担当とやり取りをすることが多いんですけれど、カスタマーサクセスという肩書きではありつつお客様の声をダイレクトに開発の現場に伝えることができるんですよね。
そういったプロダクトなど「ものづくり」の部分にも携われている…という部分にも非常にやりがいを感じています。
-今までの職歴・経験が活かせているなっていう部分や、もしくはここはカスタマーサクセスならではだなって思う難しさってありますか?
そうですね、お客様対応っていう意味では、過去の経験が活かせているなって思う部分は大きいですし、データ分析とか技術的な部分の経験もプラスになっているのかなと思います。
一方で本来カスタマーサポート部署が担うような基本的な仕様の確認などの細やかな部分までカスタマーサクセスが対応しなきゃいけないシーンもあるので、そういった問い合わせも本当はシステムの仕組みとかで解決できたらさらに良いのかな、って考えることがあります。
-業務範囲が広いがゆえに、本当に細かいところまで全部担当されているんですね。
そうですね、カスタマーサポート的な業務も担っている部分はありますね。
なので、現場の声を活かしてテックタッチを向上させる仕組みを整えていきたいなとか、そういうことも意識して仕事しています。
【3】カスタマーサクセスが介在することで、お客様に提供できる価値
-そういった現場の声を活かした改善点って、浅倉さんからアイデアや企画を出したりとかできるものなんですか?
カスタマーサクセスとは別にカスタマーサポート担当に対応をお願いするってこともあるんですけど、どうしてもやっぱりお客様との関係性を構築しているようなタイミングでは、自分がそういった細かい部分まで対応しているときもありますね。
テックタッチ的な企画の立案はもちろん可能なんですが、現状やりたいことはいっぱいあるけど、時間的な部分で自分の中ではまだまだ充分にはできていないっていう状態ですね。
-そうなんですね。カスタマーサクセスの定義や業務の範囲って本当に広いですね。
だからこそお客様によってどこまでもやれちゃうだろうなと思う部分もありますが、浅倉さんはどういった状態が「お客様がサクセスしている」って言えると思いますか?
自分はいま現職でタレントマネジメントっていうシステムの提供に携わっているんですが、一番はお客様の運用にちゃんと自社のシステムが溶け込んでいることかなって思っています。
それこそシステムの導入前にもお客様側で慣れた運用があったわけで、システムが入ることによって逆にうまく運用が回らなくなってしまったりとか、非効率になってしまったりするケースもあったりするんですよね。
システムが導入されたことで現場の業務が今まで以上にちゃんと効率的に回っていて、かつそのシステムがちゃんと運用の中に溶け込んでいる、かつうまく行っているかどうかを測る明確な指標があり改善につなげていけるという状態が「お客様がサクセスしている」って状態なのかなと思います。
【4】マネジメント経験を通して変わった仕事観
-ありがとうございます。浅倉さんのカスタマーサクセスとしての職歴は2年程度とのことですが、既に何十年もこの仕事に携わってきたような貫禄を感じますね。
営業・企画など過去のいろいろな経験が現在の浅倉さんのお仕事観につながってきているなっていうのを感じているんですけれども、転職の際はどういったところを軸にお仕事を選んだり会社を選ばれたりしているんですか?
そうですね、やっぱり今までの経験を活かせるっていうところは軸のひとつかなと思っています。
カスタマーサクセスは今やっているというのもありますし、あとは業界に関していうとちょっと複雑なプロダクト、例えばタレントマネジメントのプロダクトって色んな機能があるぶん、これという明確な正解がないっていう課題感もあって。
そういう業界にカスタマーサクセスって仕事が介在することに価値があるなって思っているので、この業界を選んでいる部分もありますね。
-そうなんですね!そういう考えってこれまで一貫して持ち続けているものですか?
いえ、タイミングによって考え方は変わってますね。
3社目くらいまでは正直若気の至りで転職したなと思っている部分もあるんですが、そういった経験があるからこそ今に繋がっているなと思う部分もあります。
-20~30代の10年くらいってプライベート含めて公私ともに大きな変化が起こりがちな年代だと思うのですが、その中でいろいろ仕事観が変わってきたりっていうのもありましたか?
そうですね。今思うと自分の中ではマネジメントを経験したっていうのが結構大きかったなと思っています。
部下を持ってその人たちを育成したり成長させたりっていう経験をしたとき、はじめてタレントマネジメントってところに興味を持ったんですよ。
人ってそれぞれ個性があると思うのですが、その個性をマネージャーが把握して伸ばすべきところを伸ばして、苦手な部分は克服してもらう…っていう取り組みが必要だなって自分自身がマネジメントを行うことで強く感じたので、そこで大きく仕事観が変わったなという感覚はありますね。
-なるほど。マネジメント経験が浅倉さんの仕事に大きく影響しているんですね。
ちなみにSaaSのプロダクトの中でも特にタレントマネジメントって答えのない領域なのかなとも思っているんですが、そういった答えが明確に確立されていない領域・業界ってもちろん面白さもあり、難しくもあるのかなっている印象ですがどうでしょうか?
もうまさにその通りで。難しいからこそ飽きずに続けられているなと思っています。
ただ自分にとってはそこがポジティブに働いている反面、本当に何も人材・タレントマネジメントのことがわからない人がいきなりこの業界に飛び込んでくると、難易度が高くて業界自体から離脱しちゃう…っていうケースもあるんじゃないかなって思っていますね。
-浅倉さんはそういったちょっとカオスな状態も楽しみながらお仕事されてるって感じですかね?
はい、割とそういった状況も好きなので楽しみながらやっています。(笑)
【5】今後チャレンジしていきたいこと、これからカスタマーサクセスをスタートする方へ
-ありがとうございます!今後浅倉さんがやってみたいこと・チャレンジしてみたいことってありますか?
そうですね、自分の中では今後やってみたいことは2つあって。
ひとつは営業の延長かつ技術的な経験っていうところを活かして、より大規模なシステムのプリセールスっていう選択も視野に入れていきたいなって思っています。
もうひとつもやっぱり今の経験の延長ではあるんですが、お客様の声をちゃんと知っているかつそれをプロダクトの企画に落とし込んでいけるという意味で、最近話題になっているPMMって職種にも興味がありますね。
-なるほど。そしたらこれからはカスタマーサクセスの職種だけにはとどまらず、例えば営業前のマーケティングから運用に至るまで、ビジネスの一連の繋がりに深く関わっていきたいって感じでしょうか?
そうですね。逆に今の職場でそれを経験できたからこそっていう部分もありますね。
-浅倉さん自身いろいろなことにご興味がありつつ、でもしっかり実績を出しながら今後もキャリアを築いていくんだろうなって印象を受けました。
ちなみに、これから先もカオスで未知なSaaSシステムってたくさん生まれてくるんじゃないかなと思うんですが、これからカスタマーサクセスって職種にチャレンジしていく方に向けてのアドバイスをするとしたら、どんな点があると思いますか?
そうですね、僕自身もそんなにアドバイスできるような立場ではないんですけれど…。
SaaSって仕組みの中で一番お客様のことがわかるっていうのは、やっぱりカスタマーサクセスにしかできないことだと思っています。もちろん、あまり寄り添いすぎてもあまりよくない部分もありますが、大前提は顧客に寄り添った提案をしていきたいっていう気持ちを持って働くことはすごく大事だなと思っています。
アドバイスっていう意味でいうと「カスタマーサクセスとしてお客様の声を知っているからこそ、そこをちゃんと社内に還元していく」っていう部分は絶対にやるべきだろうなと思っています。
自分の経験上、規模の大きなシステムになればなるほど、現場の声が滞りやすいのかなと思っていて。対してベンチャーのような規模感であれば社内の距離が近くて、本当に横で話している声が聞こえるくらいの感じだと思うので、それはわざわざ共有しなくても大丈夫だろうと思うんですけど。
やっぱり大規模な環境で組織が分かれてくると、現場の声って届きづらくなってくると思うので、意識してやっていくべきだろうなと思っています。
-今浅倉さんの在籍している会社はかなり規模が大きくなっていると思うんですけれど、そこでもやっぱり情報の社内還元をするっていうのは決めてやっているところなんですか?
そうですね。自分の会社にはもちろんカスタマーサクセスが何名かいるんですけど、自分が率いて開発の人に声を届けたりとか、新しい機能が出たら、直接お礼のために声をかけにいくとかの共有は大事にしている部分ですね。
そこでお客様が喜んでました!っていうポジティブな意見を伝える半面、使いづらかったとかネガティブな課題とかももちろん会話に出てくると思うので、そういういいも悪いもしっかり共有していくっていうところは、大きい組織だからこそしっかりやっていくべきだなって思っていますね。
-なるほど、それは大事ですね。そうするともう部署を超えて、企業全体でお客様の「カスタマーサクセス」に向かっている感じがしますね。
そうですね!やっぱり社内で一丸となってお客様に向かっていることを意識するのがとても大事な気がしますね。
-そういった考えが広がれば広がるほど、いいカスタマーサクセスに繋がり、顧客にとって使いやすい・運用しやすいプロダクトがどんどん世の中に生まれていくんだなと感じました!
浅倉さん、本日はありがとうございました。
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