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J1 第6節 vsマリノス マッチレビュー

 こんにちは、神戸市在住セレサポ、セレサポ神戸です。今回は、第6節の横浜Fマリノス戦のマッチレビューを書いていきます。

 この試合は、カプコンのシャツが貰えたり、自由席の値段が安かったり、相手が去年王者のマリノスだったり、ということで過去最大の客入りでした。天気も良く、最高の雰囲気の試合で勝ってくれて本当によかったです。

 試合内容も、両チームの切り替えが速く、運動量も多い面白いゲームでした。

スタメン

 両チームのスタメンはこの通りです。セレッソはいつもの4-1-4-1、マリノスは破壊力のある3トップを並べてきました。また、マリノスは右サイドバックに特別指定選手の大学生、吉田を起用してきました。

マリノスの攻撃、セレッソの守備

 この試合は基本的に、マリノスが攻め、セレッソが守るという流れで進みました。その時の両チームの配置は、基本的にこのようになっていました。

34分のシーン
41分のシーン

 マリノスは攻撃時に、後ろに3枚、ボランチの位置に1枚、トップを1人置いて、2列目に5枚を並べるという、3-1-5-1のフォーメーションを取ります。前方に多くの人数を割く攻撃的なポジショニングです(配置はこの通りですが、人は流動的に入れ替わります)。

 そしてセレッソは、マリノスの2列目5人に対抗して、中盤に5枚を並べました(4-5-1)。狙いは、マリノスの中盤への縦パス(図では水沼、西村、永戸)を阻止すること、攻撃に多くの人数を割くマリノスに、数的有利を作られないことです。

 マリノスの攻撃陣は強力なので押し込まれてはいましたが、この守備はある程度機能していました。

 もしこの試合で、いつもの4-4-2の守備ブロックを採用していると、、

 相手の5人に対して中盤が4人では、オレンジのスペースへのパスコースが空いてしまいます。また、前を2人したところで、ピンクのエリアでは2対3の数的不利なので、効果的にプレッシャーをかけることはできません。

 なので、守備での4-5-1ブロックの採用は成功といえるでしょう。

セレッソの攻撃の狙い

 4-5-1で良い守備をしているセレッソが狙いたいのは、中盤でのパスカットから速攻です。

 マリノスは前方に多くの人数がいるので、カウンターに備えるDFは多くありません(ピンクのエリア)。なので、ボールを奪ってからマリノスが帰陣する前に攻め切ってしまうのがセレッソの狙いです。

 その狙い通り、速攻でビッグチャンスに繋がったシーンがいくつかありました。まずは、18分のシーンです。このシーンは、マリノスCBのエドゥアルドの縦パスから始まります。

エドゥアルドから2列目への長い縦パスをカットして、、
毎熊へ繋ぎ
パス2本でで裏のスペースへ

 中盤でパスカットしてから、少ない手数で裏のスペースを使えています(レオセアラが持っていき、CKを獲得)。

 続いては、66分のシーンです。

中盤5枚で相手のパスミスをカットして、、
香川からワンタッチでレオセアラへ。上手い!
キーパーと1対1へ

 このシーンは、マリノスの井上のミスからではありますが、ボールを奪ってから手薄なDFラインの裏を素早く狙ったことで、キーパーと1対1になりました。この試合で最も狙い通りに行ったシーンだと思います。

 ちなみに、

レオセアラがこぼれ球を拾い、、
素早く裏を狙う

 得点シーンも、レオセアラがこぼれ球を拾ってから、マリノスDFが戻る前に、素早く奥埜が裏のスペースを狙っています。セレッソとしては狙い通りのカウンターでした。

ジンヒョンからのビルドアップ 

 速攻は狙いを持ってできていたセレッソですが、遅攻は上手く機能しませんでした。特に、この試合で改善できると思ったのは、ジンヒョンから始まるビルドアップです。

毎熊と為田が内側にポジションを取り、松田と山中がサイドでロングパスを受ける

 前からの相手のプレッシャーを、相手WGの頭を越すジンヒョンからのロングパスで回避するのは、ここ数年のセレッソの定番のパターンです。しかしこの試合では、これが上手く機能しませんでした。

 例えば、58分のこのシーンです。

松田はエウベルの背後にポジションを取っているが、、
左SBの永戸が出てきて対応される

 エウベルの頭を越して展開するまでは狙い通りなのですが、ここにマリノスの左SBの永戸が出てきて対応してきます(その間にマリノスのDFラインはスライドする)。このシーンでは、ボールを奪われてしまいました。

 マリノスは、後ろに引くことなく、ボールを奪いに前へ出てくるチームなのでいつもの展開ができなかったように感じます。このように前に出てくる相手に対しては、、

毎熊と為田がライン際で高い位置を取り相手SBを引きつけて、松田と山中に展開する方が有効であるように感じました。

 もちろん、今までのやり方も悪く無いです。ただこの試合では、いつもなら通るはずのジンヒョンからのパスがカットされることが多かったので、相手に合わせることも必要かなと感じました。

後半雑感

 後半も、両チームの戦術的な変更はありませんでした。セレッソとしては無失点で守れている、マリノスとしては押し込むシーンを作れているので、戦術を変える必要がありません。

 マリノスの交代は、エウベル→マテウス、西村→マルコスJR、水沼→井上という、戦術的な交代ではなく、”人を変える” 交代でした。

 しかしこの交代で、マリノスの右サイドに微妙な変化が起こります。代わって入った井上はドリブラーらしいので、中に入ってくることはなく、ライン側に開きっぱなしでした。

 マリノスが押し込んでいる中で、セレッソが中央を固める展開が続いたので、大外からのドリブルでの打開を期待したのでしょうが、逆にオレンジのエリアでのマリノスの流動性を失わせてしまっていました。

 あとは、鈴木→喜田の交代についてです。確かに徳真にも疲れは見えていましたが、2点を守りたい状況であればより守備に貢献できる鈴木を残し、奥埜を先に下げた方が良いと思いました。

5バックについて

 セレッソは84分から、松田→進藤の交代でフォーメーションを5バックにしました。

 セレッソの配置はこのようになりました。シンプルに守備の人数を増やして、終盤の失点を減らす狙いです。例えば、89分のピンチのシーンと、4節鳥栖戦の失点シーンを比較すると、、

89分のシーン
鳥栖戦失点シーン

 確かに、中央に戻ってくる人数が1人増えています(間に合っているかは微妙ですが、香川疲れてたし)。このように、人数を増やして頑張って守るという狙いはある程度機能していました。

 強力な攻撃陣を誇るマリノス相手を0点に抑えられたのですから(5バック時)、この5バックの完成度が高まれば終盤の安定感も高まると思います。

 また、終盤の失点を減らすためには以下のようなシーンを増やすことも重要です。

中盤でボールを奪い喜田からクルークスへパス
ゴール前には加藤もおり、クルークスはクロスを上げることもできるが、、
喜田へのバックパスを選択
そこから毎熊にわたり、クルークスは深い位置へ走る

 このシーンでは、クルークスはゴール前へクロスを上げることもできたのですが、バックパスを選び、もう一度深い位置でボールをキープすることで、安全に時間を使うことができました。

 クロスをカットされて中央からカウンターを受けるのと、サイドの深い位置でボールを奪われるのとでは、どちらが失点繋がるかはすぐにわかるでしょう。

 途中出場のクルークスは、得意のクロスで攻撃面をアピールしたかったでしょうが、我を出さずチームプレーを選択しました。小菊さんの作るチームカルチャーがしっかりと浸透していることがわかりますね。

まとめ

 この試合は、攻撃的なマリノスに対してセレッソの守備からの狙いが機能した、良いゲームだったと思います。ボールを持たれる相手に対して、このような守備ができれば、リーグ戦の順位も上がっていくでしょう。

 また、この試合で見せた5バックの完成度が上がれば、試合終盤も安心して見ることができるでしょう。

 この勝利の勢いでで、明日のルヴァン、週末のリーグ戦と連勝を狙ってほしいです。

 ここまで読んでいただき、ありがとうございました🌸

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