見出し画像

第2話「はじめてのコイン、君の名は」【億万長者物語】

暗号資産。

2019年5月31日、資金決済法と金融商品取引法の改正が参議院本会議において可決・成立し、それまで「仮想通貨」と呼ばれていたデジタル通貨は、「暗号資産」と呼び名を変えることとなった。

だからといって、「仮想通貨」という呼び方が使用禁止されたわけではなく、いまだに使い慣れた「仮想通貨」という言葉を使っている方々も多々いるし、私としても、「暗号資産」ではなく「仮想通貨」という言葉の魔力に魅せられてこれまで翻弄させられてきたような気がするので、このnoteでは、あえて、「仮想通貨」を貫いていこうと考えている。

ちなみに、「いまだに仮想通貨って言っているクセに億万長者になれたとかウソくさいな……」というツッコミを避けられればという意図もあり、2本目の記事の前口上とさせて頂いた。

では、気を取り直して、さっそく、私が最初に持ちかけられたプレセール中の購入を求められた仮想通貨が何だったのかを発表しておきたい。

「仮想通貨」という響きのうさん臭さよ。

君の名はADA

そう、私が最初に手に入れた仮想通貨は、何を隠そう、あの「ADA」である。

"あの"と言われたところでピンとこない方ももちろんいるとは思うけれど、もしもこの"あの"に反応された方がいたとしたら、その方はこの頃からの仮想通貨狂であり、そして、プレセール時にこのコインがどんなレッテルを貼られていたかもご存知かもしれない。

ADAは、詐欺。

それが、当時、蔓延していたADAコインのイメージなのだ。

そもそも、このコインの読み方、私は最初、「アダって何だよ」と心の中でツッコンでいた。ではなくて、"エイダ"であることはすぐに知ることにはなるのだが、ADAコインがなにゆえ、"詐欺"呼ばわりされていたかについても少々お話しておこう。

というか、当時、ADAのプレセールの存在すら、知る人ぞ知るものだったので、"怪しさ"はとにかく満点だった。

そして、それまでにも、仮想通貨のプレセールにおいて、プレ段階でお金をとにかく集めるだけ集めて、発行することなくそのまま運営者が持ち逃げするというパターンがあったようで、ADAについてもそんなウワサが絶えなかった。いわゆる「ICO詐欺」と呼ばれるもので、「ICO」とは、企業が「トークン」と呼ばれる未公開の独自の暗号資産を発行し、そのトークンの購入を促すことで資金調達を行なう仕組みのことだ。

まぁ、このnoteは暗号資産のややこしい話を解説するものではないので、不明な用語などは自身で検索をかけていただきたいが、つまり、ADAは公開すると言われていた時期をどんどん過ぎていったこともあり、もはや、完全に"ヤラれた"んじゃないかという声も多々あったのだ。

さらに、ADAを手に入れるための代理店的な仲介業者もだいぶ怪しげで、いかに情報を調べても、実態がまったくつかめなかった(素人にはかもしれないが)。

当時、というか今もそんなに変わりはないが、この手の業界に関しては相当なる情弱であった私としては、購入の誘いを促してきた元ボスに、完璧に"してやられた"ともんだと開き直り、ある程度時間が過ぎてからは、もはやADAのことは自然と記憶の彼方へと追いやられていた。

ちなみに、いわゆる「詐欺コイン」と呼ばれるものは、取引所での売買ができなかったり、代理店経由でしか購入できなかったりする。だからこそ、正体不明の代理店が絡んでいるプロジェクトは、だいだいにして怪しさは満点だったのである。

だが、私はADAを買った。

ここでサクッとぶっちゃけておくと、私が購入したADAは、第何期のプレセールだったかはもはや忘れてしまったが、60万円分だった。

私がこのコインによって億万長者になったかどうかはさておき(※紆余曲折のドラマがあるからこそ綴り出したので)、プレセール時の価格と現在の価格を見比べてみると、これがいかにとんでもない金額であることがおわかりになるだろう。

ADAコインを発行しているカルダノ財団のロゴ

現在のADAに換算すると……

そう、私がプレセールにて60万円を支払って手にしていたADAの数は、約190万ADA。

本記事を執筆時である2022年4月21日現在のADAを日本円に換算すると、1ADA=約120円

仮に、私が最初にゲットしたADAを持ち続けていたとしたら……。

190万×120=228,000,000

に、2億2千8百万円ーーーーーーーー!?

なのである。

60万円が億越え!?

というだけでもトンデモない衝撃なのだが、もちろん、これは、当時購入したADAを今現在まで持ち合わせていたらというお話。だだ、つまり、それだけ仮想通貨がもつ、投資としての可能性は、恐ろしいほどのポテンシャルなのである。

詐欺ではなかった! 公開直後の歓喜!

現在の価格を考えると大したことないと思われるかもしれないが、未公開だったADAがリリースされたときも、十分すぎるほどの上昇率を見せた。

2017年の9月だったか10月、ADAがBittrexに上場した瞬間、プレセール平均価格が1ADA0.3円だったものが、あっという間に3円にたどり着く。

そう、いきなりのテンバガーを達成したのである。

60万の原資が10倍の600万円に!

よくよく考えたら、そもそも「詐欺詐欺」言われていたコインがめでたく販売開始となったわけなので、そんな「詐欺まがいコイン」がいきなりの10倍を達成した時点で、もはや売却するのがふつうの心理状態ではないかとも思えるのだが、とりあえずすごい値動きを見せたことに面食らってしまい、公開直後は、ADAを勧めてきた元ボスとふたり、ただただいまだかつてない歓喜に震えていた。

あのときの感情は、今でも忘れられない。宝くじに当たった人間も、同じような高揚感を体感しているのだろうなと思うが、宝くじに当たった人はすでにその時点で大金持ちであるけれど、株や仮想通貨で儲かっている人はそれをしっかり現金化しなければ一攫千金を勝ち得たことにはならない。その事実が頭からスッポリ抜けた状態で、元ボスと、互いにインターネットで情報を収集しては報告しあい、値段が乱高下するたびに一喜一憂した。

「まだまだ上がるらしいぞ……」

元ボスに勧めてきた、ADA勧誘の大元となる人間からの情報を聞きつけ、私たちはもう少しだけ、ADAの上昇の様子を見ることにした。

いま600万円ならば、もう少しあがれば1000万。そこまでいったらキリもいいし売却しよう。

株売買で、もっともやってはいけない判断を下していた。

仮想通貨は現金化しなければ、文字通り〝仮想〟通貨

to be continued


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?