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マネーは回る。日本は世界に、世界は日本に投資する。

日本人が海外の株を買い、海外が日本株を買う。うま過ぎるくらいお金は世界を回っています。

NISAが進化し、日本人の投資への関心が高まっています。さらに、日本株も長い間続いたバブル以来の上昇を記録しています。しかし、日本人は国内株に投資せず、代わりに海外の株式市場に資金が流れており、逆に海外からの資金が日本株に流入しています。

なぜ日本株に投資しないのか

私自身も実は日本株にはほとんど投資していません。なぜかというと、これは個人的な感覚ですが、日本にいると日本のことがよくわからないからです。自分が溶け込んでいるためか、日本が世界の中でどういうポジションにあるのか、世界的に見て経済成長する可能性はあるのかどうか、個別の企業が将来どのくらい成長する可能性があるのか。日本にはたくさんの情報が流れてきますが、海外でどのように評価されているのかはあまりわかりません。
一方、海外の株式に関しては、海外の会社が世界的にどうなのかという情報はある程度知ることができますし、アメリカの企業が日本でどのように評価されているのかというのも感じることができます。
例えば、アップルやアマゾン、スターバックスなどのアメリカ企業は日本でも定着しています。つまり、アメリカ本土だけではなく、日本でも十分な評価を得ているということを実感することができますし、サービスの良し悪しも感じることができます。
それに対して日本企業については、日本国内で高く評価されていても、海外でどうなのかは感じることができません。ソニーやトヨタといった会社は世界的な企業であり、海外でも売り上げが大きいですが、例えばアメリカで他社に比べてどのようなポジションにいるのか、一般消費者からどのように受け入れられているのか、私には感じることができません。そのため、たまたま売れているだけなのか、将来の成長が期待されているのか、実感としてはわかりにくいのです。
日本市場でどれだけ受け入れられているかはよくわかりますが、残念ながら日本市場はアメリカや中国、ヨーロッパの市場と比べると相対的に小さいです。そのような小さな市場でシェアを確立していたとしても、海外で成功するのは難しいと感じています。私が日本株にほとんど投資していないのは、世界的な評価がわからないためです。

企業が成長するかどうかには、国内市場だけでなく、世界市場での成長も重要です。

ここまでは私の感覚のお話をしましたが、おそらく、NISAでアメリカや世界のインデックス投信を購入している人のほとんどは、日本より海外の方が成長しそうだという直感的な感覚で購入しているのではないかと思います。私もその感覚が理解できます。日本人の感覚として、自分が勤めている会社や自分の事業などが将来的に大きく成長するという意識を持てていないのかもしれません。

日本株に投資する海外勢

一方、海外の投資家は日本株に投資しているようです。それは海外から見て日本の企業は成長しそうだと思っているのと、円安でお買い得感があるような気がします。
なぜ成長しそうなのかというのは一つの推測として、中国とアメリカの対立があると思われます。アメリカは中国にかなり投資しましたが、中国が成長しすぎてビビり始めています。そこで、製造拠点として改めて日本を見直し始めていると思われます。
今のところ、日本はアメリカとの繋がりが強く、それなりに国力もありますので、万が一のことがあったとしても、中国が日本を強制的に支配する確率は朝鮮半島や台湾などに比べて低いと考えているからだと思われます。
特に象徴的なのは半導体です。半導体の製造拠点を日本に作ろうとしています。そういった地政学的な状況変化に加えて円安なのでコストも抑えられるというわけです。つまり世界的に見て日本は投資の安全性や成長性が相対的に優位であると見られている可能性があります。
それは中国から見てもそうなのかもしれません。中国と日本の地理的距離は日本とアメリカに比べてはるかに近い。なので、中国から見ても日本はいざという時に影響を与えやすいと見られている可能性もあります。つまり、アメリカとの関係が強くあっても、中国と絶縁することはできないということです。もちろん日本にもそんなつもりは無いでしょうからちょうど微妙なバランスになっているということなのかもしれません。

さて、海外から見た日本の成長可能性を活かせるかどうかは、今後の日本人の考え方にかかってくると思います。日本は長い間、低位で安定した経済状態に慣れてきましたが、この状況から抜け出せるかどうかが、持続的な成長を復活させるかどうかに影響を与えることでしょう。

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