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漢字と英単語を覚えるときに心得ておくべきこと
勉強をする上で、生徒に丸暗記を求める場面は必ずあります。
たとえば、都道府県の漢字とか過去形の不規則動詞とかでしょうか。
まずはある程度覚えないと先の学習へ進めませんが、暗記の際は意味不明な文字列を覚えているような感覚ではなかろうか…私にとって意味不明な文字列…想像するに、難読漢字とか自然対数の底とかを丸暗記しろと言われているようなものかと考えます。
以前1週間ほど入院をしたことがあります。体は元気だったので、どうせヒマなら、ということで漢検1級の勉強をしてみたのですが、これがまあ苦痛でした。1級の漢字の非日常感というか、生活感の無さというか…当時の私は漢検1級に必要を見出せませんでした(漢検1級が無駄だとはまったく思いません)。
生徒にとっても、自分に必要を見出せない事柄の丸暗記は相当な苦痛だろうなと、この入院を通して知りました。それからは、生徒に暗記を求めるときは、生徒にとってはどれくらい困難であろうかを想像するようにしています。
暗記に対する人の感情は千差万別かと考えます。
暗記を苦に感じたことがない(効率の良い暗記が無意識にできる)とか、相当苦労したができるようになった(暗記の苦労も成功体験もある)とか、結局暗記ができなかったとか…
暗記は、具体的な指導無しでも出来る人が一定数いるため、また時間をかければ出来る人も増えるため、気合と根性論になりがちです。
得意な人はもちろん良いのですが、苦手な人はかなりしんどいです。不真面目な人は知りませんが、真面目に取り組んでいるつもりの人は、劣等感を感じていると思われます。
私が現場で生徒たちを観察してきた結果、暗記が得意な人が無意識にやっていることについて、つまり、暗記をするときに意識しておくべきことについて、ひとつの結論を得ましたので、記録したいと思います。
暗記事項のメモをどうしていますか?
生徒を指導しているときに、生徒がある漢字(or英単語)を知らないことに私が気づいたとします。 そのとき私は、その漢字なり英単語なりの正解を書いてもらいます。そしてこのとき、私は生徒をよーく観察します。
①手本(正解)を何回見るか:
1~2回で書く子が多い印象です。
多いと、2~3画ずつ見ながら書き写す子もいました。
②複数回書こうとするか:
1回で終わる生徒が多いですが、3回書くと決めている子もいました。
③自分の間違えた字(orつづり)を修正するのか、それとも書き直すか
たとえば、「昧」を「味」と間違えていたとき、
くちへんに横棒を加えるか、それとも「昧」を横にもう一度書くか、を見ます。
自分の名前を漢字で書いてください
次に、私は生徒に、生徒自身の名前を漢字で書かせます。
当たり前ですが、書けます。
なお、小学生は書けない漢字もあるでしょうから、そのときは数字とか、曜日とかを書かせます。逆順でも良いと思います(土金木水火月日とか)。
要は、自分が今完璧に覚えていることをどう書いているかを考えてもらうために書かせます。
さて。ここで、新しく出会った漢字(or英単語)と、苦労せずに書ける自分の名前の漢字、何が違うのかを考えさせます。分からないとしても、考える時間は大切だと思っていますので、発問します。
私は、完璧に覚えていることを人が書くときには、
書くスピードが一定であると思っています。
途中で止まったり、逆に速くなったりしません。
1文字目を書き終わる頃に、2文字目を頭の中で意識しているからだと思っています。つまり、
完璧に覚えているので、次に書く文字を予め思い出せるからできる所作だと気づきました。
これをもとに、先の生徒の観察を改めて考えると…
①手本を何回見るか について。
最初の1回だけでないとダメです。複数回見たら、もう一度書かせます。
最初の1画目(1文字目)から、最後の画(最後の文字)までを
何も見ずに書き続けられるまで練習させます。
②複数回書こうとするか について。
複数回書く目的によって、良いか悪いかが変わります。
①のように、何も見ずに書き続けるまで書く、という目的であれば良いですが、
ただ複数回書くだけであれば時間の無駄ですので止めさせます。
繰り返しますが、「何も見ずに書けるまで書く」です。
③自分の誤答を修正or書き直す について。
誤答を修正するだけではダメです。
今書いた文字が見た目上正解になっただけで、覚えていません。
これは書き直すほうが正しいです。
そして、①です。「何も見ずに書けるまで書く」です。
このように、暗記事項を頭に入れるときは、
「何も見ずに書けるまで書く」(何回言うのだ)
これを意識するだけでだいぶ変わります。
1回で何も見ずに書けたのであれば、書くのは1回で良いのです(念の為もう1回、とかは言います)。
10回書く、とか、ノートを埋める、などという小学校の宿題によくあるようなルールに縛られず、結果、時間節約にもなります。
「何も見ずに書けるまで書く」(ダメ押し/これがこの文章のキーワードなのか)
これが、自分の中で書けるかどうかのチェックになります。
いわば小テストです。小さな小さなテストを心がけることで、時間は少しずつ短縮されていくと思います。
時間はかかりますが、慣れれば早くなります。
結果として、効率的です。
以上、私の半生の中で、経験として得てきたものを記録するための文章でした。その中の、生徒を直接指導していて感じた「漢字と英単語を始めとする、暗記事項を覚えるときに心得ておくべきこと」でした。
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