シェア
楊宏琪
2024年4月22日 22:45
四月を迎え、幾分か暖かくなった札幌の街。ひとりの男を待つために札幌の駅に降り立った。日陰には雪がちらほらと残る舗道を歩いていつもの喫茶店へと向かった。 店の奥、窓際に並んだふたつの大きなスピーカーからはジャズの名盤が身体を芯から揺さぶるような音量で流れ、わたしはスピーカーからほど近い席で時間つぶしの週刊誌を読み、“名店”の情報サイトを眺め、何本かの煙草を灰にして男を待った。 店内を流れる