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第六話 リバポーのお財布事情② 「誘惑」

新年明けましておめでとうございます。初蹴りの日に発熱し、熱は下がったのですが何度かぶり返し、鼻詰まっている→口で呼吸すると咳が出る→頭痛→鼻が通ったと思えば腹痛いの地獄ループ。誘惑に乗って誘われたら飲み会や旅行に顔出し…完全に年末年始の不摂生がたたりました、自業自得。運良く本日1/6(月)は祝日のため、授業は明日から。治して事前課題もやれるだけやろうと思います。

<前回のおさらい>

<課題概要>
・欧州5大リーグから1チーム選び
・そこのCFOアシスタントになったつもりで20/21シーズンのP/L予測
・重要なポイントをまとめ、その予測を導く方法も示せ
<リバプールの現状>
・クロップ就任以降成績の改善とともに売上・利益ともに向上
・選手への投資(給与・購入資金)もアップ
・資産の安全レベルは決して高いとは言えない

これらを踏まえ今回は、リバプールは今後どうなっていくのか?今抱えている問題点を中心に予想を立てようと思います。

20/21シーズンがピーク

先に自分の結論を言うと売上・収益に関しては来シーズンがピークだと予測します。

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16/17シーズン以降20%以上の売上げ成長を見せていたが10%台に留まると思います(単位K£)。その理由は;

プレミアの放映権収入が下がった
・2017年のネイマール移籍以降、移籍金バブルが少し落ち着いた
・リバプールの収益構造

上2つは外的要因で掘り下げればもう少し詳細な内容にはなるのでしょうが、今回は3つ目のみに焦点を当てます。

リバプールの収益構造

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Matchday : チケット、飲食など試合日に関わる収入
Broadcast : 放映権料
Commercial : スポンサー料・グッズ販売などの収入

Matchdayの売上がひときわ少ないですが、これでもだいぶ改善され誇らしいってことが分析に書かれていました(Price of Football, “Liverpool 2017/18: Toxteth O’Grady”, 15TH FEBRUARY 2019 BY THE BARON)。

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これ17/18シーズンの平均観客数何ですがアンフィールドのキャパが54,074人ってことで、毎試合97.9%埋まってるわけです。ここに関してはチケット価格上げるか、爆発的にうまい飲食発明するか、アンフィールド改装するしかない。

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どのチームもMatchday収入は一番割合少ないです(このランキングに乗らないようなクラブには最重要)。トップのマドリード、バルサ、マンUは7万超えのキャパ。それを思えばリバプールは大健闘でしょう。Broadcastはマドリードと並んでトップ。そう、改善すべきはCommercial収入。トップのマドリードより€185.4Mも少ない(£と€が入り混じって申し訳ないです)。

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これは全収入(Match,Broadcast,Commercial)のエリア別内訳なんですがほぼUK。プレミアの放映権と全Match収入が入っているとはいえ、こんなにUK外収入低いのか(笑)マドリードやマンCは中東のオーナー、バルサは中東や日本、マンUやユーベは株式を上場し豪族が所有。そのため経済的なバックアップが強い。今回の南野キュンの獲得には少なからずこういった意味も含まれていると思います。ただし極東経済は下火なのでさらなる発展を目指すには東南アジア、インド、中東と組むべきではあると思います。ちなみにリバプールと日ハムはパートナーシップ結んでいるらしい。

栄枯盛衰

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これは選手償却費用でadministrative expense(一般管理費)に計上されます。選手購入金額を契約年数で割ったものですが、要はこの値が高いほど購入した選手の価格がでかいor数が多いってことです。実質的なキャッシュの流出はありませんが、選手を契約期間途中で買値より安く売却したりすると実質赤字になります。そのため安く買った選手を高く売却、契約満了まで放出しないってことがよく起こります。

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18/19シーズンは過去にない爆買いをしましたが今シーズンは大人しい。選手償却額や給与上昇の兼ね合いもあると思います。チームのスカッドだけが全てではなく、財政的な方針、チームの戦術、スタッフの配置など様々な要素が絡み合ってチームは回っています。リーズやマラガ、サンダーランドや横浜フリューゲルスなどお金が問題で降格や消滅したクラブもあります。マンUやアーセナル、ブレーメンにジュビロ磐田のようにかつての栄光が嘘のような現状を抱えるクラブもあります。イタリア代表、フランス代表、スペイン代表、ドイツ代表、W杯取った後どうなってますか?奢れるものは久しからず。Broadcast収入の伸びは正直読めませんが、最低でもこの2年はリバプールが財政面でも伸びるでしょう。堅実に土台を築くとしたらビッグバイは当面なさそうですが、CLとプレミア取れば20/21はリスク冒してでも1人ビッグネーム取りそうな気はします。うちの大学講師曰く、「フットボールはどれだけ利益を出すかではない、どれだけお金を使えるかだ」なので。22/23までサラー、マネ、フィルミーノ、ファンダイクの契約延長されてるようなので、大きく動くとしたらその前年ぐらいかと。ってことでさっき飲んだバファリンが効き始めたので寝ます。くれぐれも体調管理にお気をつけください。それではAdéu…ぐはっ。

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