#2-3 エリート×守破離×岡田メソッド
「新しい教育」の形を探るべく、この1ヶ月、日本やバルセロナの友人にインタビューを敢行しております。先日は小学校教諭をしている高校サッカー部時代の友人たちと、今の学校教育について思わず熱く語ってしまいました。アホだとお互い思っていた戦友が逞しく成長していることにお互い驚いたことでしょう笑
その中での気付き、自分が考える教育のあるべき姿、そして岡ちゃんこと岡田武史さんの「岡田メソッド」にも出てきた「守・破・離」の概念について今回は触れていきます。
高学歴は日本に残る
その教師の友人たち曰く、現在の小学校教育では「主体性」を育み、そして学業成績以外での評価やキャリア教育などを実施。従来の学業偏重スタイルからの脱却を図っているとのことでした。
とは言いつつも、まだまだ偏差値偏重の意識が強い日本。学びたいことがあるというよりは、人に学歴で勝つことが優れている、それによって評価されるということが多い、そう信じている人も多い。
自分もそうでした。
国立大(授業料安い)> 偏差値が高い > 学びたいことが学べそう
一部の進学校を除き受験に出題される内容は、学校の授業では対応できず、それをカバーすべく予備校が多く存在する。学業面は主にそちらに任している学校もあるとか。結局、学歴が教育のゴール。
ところで、いわゆる高学歴と言われる人の同年代人口比は;
東大・京大・医学部 1%
旧帝大・早慶上智 5%
GMARCH・関関同立・準難関国公立大 12%
(たくみっくさんのblog参照)
もちろん時代背景により進学状況が異なるため人口ピラミッドと進学率の関係は考慮すべきですが、今回はざっくりとこれが人口割合に比例すると考えて、日本の人口1億2,000万のうち2,160万人の人がエリートってことになります。実際には過去の18歳人口は現在よりも多く、進学率が今よりも低かったことを考えると、エリートの割合は大きく下がるので、1,000万人〜1,500万人ぐらいかと思われます。つまり人口の10人に1人ほどがエリート。
ちなみに4年制大学への進学率ですが;
今の80代の人たちは約8%、60代は約25%、40代は40%、現在は55%
<参照:4年制大学への進学率と18歳人口の推移>
続いて海外留学に行く日本人はというと2017年で年間7万人程度。
Education Careerさんのデータを参照すると;
2008-2017(10年間)の留学経験者数 約43.7万人
留学生における;
・1年以上の留学経験者の割合 1%
・半年〜1年も含めると 15%
→ 海外での大学 or 大学院経験者は6.6万人以下
日本のエリート数:約1500万人
海外長期留学経験者:約6.6万人(10年間で)
※ 海外長期留学経験者の人口比割合はさらに多いと思われますが。
海外長期留学者が全員エリートの人たちだと仮定して計算しても(6.6/1500)0.4%しか海外の長期留学を経験しないことになります。
つまり、人口の0.04%が海外長期留学しているエリートとなる。
→ ざっくり多く見積もって約48,000人、思ったより多い?少ない?
国内でエリートと言われ、それが故に大企業で働くことができ、給与も生活も安定する。わざわざ外国語学んでリスク冒してまで海外に挑戦する人は少ないと考えているんですが、数字見て改めてその説の可能性の高さを感じました。
守破離の破と離をどう促すか?
日本の高学歴っていうのは要は受験勉強で勝ち残った人たちです。その努力は間違いなく目を見張るものがあります。そしてその過程で様々な能力を鍛えることもできると思います。知識だけでなく忍耐力、計画を立て実行する能力など、生きていく上で必要な力も身につきます。
ただ、あまりにもそこを過剰に評価しているのも否めません。
受験という経験は、守破離(しゅ・は・り)の「守」or 「守」→「破」の段階に過ぎないと思うからです。
守破離とは、もともと武道や茶道で用いられ、ものごとを学ぶ基本的な姿勢、または取り組む順序のことをいいます。
① 型(基本)を身に付ける第一段階「守」
② 型を応用・改良する第二段階「破」
③ 型から独立する第三段階「離」
というようです。
これを教育に置き換えて考えると;
知識を得ること=「守」
その知識を自分の人生や社会に役立てる=「破」
新しい知識や生き方を生み出す=「離」
日本の義務教育は優秀で、教育格差が比較的少ないといわれています。いくら勉強苦手でヤンチャしてた人でも日本語を読めない人なんていないでしょう。
辛口で有名なめいろまさんも、日本の基礎教育の高さに関しては褒めています笑
ただ「守」→「破」や「破」→「離」を促す教育が高校までに実施されているのかは疑問です。
そもそも守→破→離を実現する必要があるのかという疑問もあるかもしれませんが、あります。そうすることで、「人生を豊かにできる」と思うからです。それは金銭的な余裕や社会的地位を得られるということではなく、自分で考え・行動し満足のいく人生を過ごせるということでしょうか。要は、守破離を実現することでQOLを高めることができると思うのです。
その知識を身につけるとどういう生き方ができるのか?何ができるのか?それを指導する、守の先を導く教育も必要だと思うんです。
知識を詰め込み、受験に受かり、学歴を手に入れて「はい、おしまい」。
そんな君は賢い、素晴らしいと評価するのは違うんではないかなーと。
岡田メソッド
そんな守破離をフットボールに当てはめた選手育成メソッドを述べているのが岡ちゃんこと岡田武史さん(現FC今治CEO)。同じ大阪の旧第7学区の高校に在学していたこともあり、勝手に親近感をもっています。バルサのメソッドに感銘を受け、自身の経験とも照らし合わせ独自の育成方法を記しています。
ユース年代では徹底的に型(守)を覚えさせ、→破→離を実践できる選手育成を目指す。
アメリカやスペインでボールを蹴ってみて感じることですが、一見技術的に大したことないんじゃないかという選手でも、何かうまいし勝てないことがけっこうあるんです、アマチュアレベルでも。
目標やゴールから逆算し、必要な戦術理解、技術を身につけていく。こんな当たり前のことですが、体系的に言語化するのは難しい。何度も世界と戦った岡ちゃんだからこそ、その目標・ゴールをしっかり設定し逆算することできたんじゃないでしょうか?
目標 = 世界で勝てるフットボール
一方で学校教育のゴールは、間違いなく受験でしょう。受験をうまくやり遂げられればそれで良しですが、受験に受かれば人生充実するわけではありません。
上述した通り、日本の義務教育は素晴らしいものがあると僕も思います。徹底した型(守)の取得というか詰め込みというか。
でも受験で合格することではなく、その先を見据えたところに目標を設定し、指導する教育があるべきだと思うんです。中高含め教師の友達たちの話を聞いていると、決められたこと意外やる時間がない、やれる雰囲気がない、そもそも教師が→破→離への重要性をわかっていないなど、様々な問題があるようです。
自分で考え行動し、自分に合った生き方を実現する力を身に付けさせること
僕が考える教育が成すべき目標は、こうであって欲しいと考えます。受験はあくまで1つの手段。エリートも1つの生き方。エリートでなくても金稼いでいる人、賢い人、素晴らしい技術がある人、人生充実している人はいくらでもいます。
やりたいことをやれず身を粉にして頑張っている若い先生がたくさんいます。でもその人たちのQOLが低く、やりたいこともやれず、時代の流れを無視し学ぶ姿勢のない保守的な上司と責任感のない親への対応に苦しめられている状態で、生徒に良い教育なんて与えられるわけない。
少しでもそういう状況が改善されることを願いつつ、自分も小さなことから変えていきたいと思います。
はー、今回も不満をぶちまけ愚痴っぽくなってしまった…ご容赦ください。
今週のあとがき
9月の事業立ち上げに向けてGo GlobalメンバーにTrialレッスンを実施しております。受験英語ではなく、海外進出に向け勉強されている方に英会話をし、かつ気づいたことをアドバイスするという、日本人の日本人による日本人のための英語授業をしています笑。
前職での受験英語の指導にはモヤモヤしたものもありながら割り切って教えていた部分もあるんですが、自分の経験も踏まえて「英語を使うため」の勉強法を指導するのは、新鮮で楽しさもあります。
高いモチベーションを持ち、日々オンライン英会話されたり、目標に向けて前向きにチャレンジしている人たちが多く、すごい可能性を感じます。一方で日本で英語を勉強する難しさを感じている人も多いようです。
少し厳しい言い方かもしれないですが、英語学習に近道は無いんですよね。なんとなく英会話続けてたら上達するわけではなく、語彙や文法をインプットすれば良いわけでもなく、TOEIC高得点取れたらすごいわけでもなく、全部やらんとダメなんですよ。それこそ受験以降疎かにしていたであろう、文法、精読(文法ルール・文構造の分析をしながら読む)、英作の強化を今こそやるべきだと勧めています。
海外での挑戦を目指し英語を勉強している人にとって最も大事なことは、まず英語習得には時間がかかることを受け入れ、それでも全部やるという覚悟し勉強することでしょう。
ちなみにネイティブによる英語・スペイン語授業もTrialレッスンにて展開中です。8月いっぱいは無料Trialやる予定なので興味ある方はご一報ください。それではこの辺で、adéu!
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