将来の夢は何ですか

小学生の頃、将来の夢を聞かれると「可愛いお嫁さんになる」と答えていた。周囲がそう答えると喜ぶのを知っていたので、無難に答えたまで。本当は本を読むのが大好きで、物書きになりたかった。

中学生になって将来の夢を聞かれると「保母さんになりたい」と答えるようになった。今から40年以上前は保育士という言葉がまだなくて、保育は女性の仕事というのが社会通念だった。ちなみになぜ保母さんになりたいと答えたかというと、そう答えると周囲が喜ぶと知っていたからだ。

ちなみに2人兄妹だったわたしは自分より年下の子とどう接したらいいかわからず、こどもは苦手な存在だった。だから保母さんになりたいと言って周囲の大人を喜ばせていたが、実際は本が大好きだったのでものを書く仕事がしたかった。

高校生になって文月今日子氏の「エトルリアの剣」「地中海のルカ」といった海外の歴史ものにドはまりした。西洋史のギリシャ・ローマ時代は教科書を暗記するくらい読み込んだ。カルタゴはいつか行きたいと思った。もう将来の夢を聞かれることはなくなったが、この頃は図書館司書に憧れていた。朝から晩まで本に囲まれて過ごせるなんて夢のような生活に思えた。

文月今日子をはじめ、漫画は大好きだったのに、漫画家になりたいと思ったことはなかった。絵を描くより文字を書く方が好きだったからだ。

大学生の頃は学生競技ダンスにのめり込んだ。それでも自由時間があれば本を読んでいた。でも自分が小説家になる夢は、きれいさっぱり忘れていた。就職して結婚して家庭を持って・・・当時は女性の賞味期限はクリスマス、つまり25歳までに結婚しろという社会的プレッシャーがあった。なので25歳までに結婚しなくちゃいけないと焦っていた。好きな人もいなかったのに。

大学を卒業し、紆余曲折を経て海外を転々とした。海外にいた頃は目標はあったが夢は特になかった。それが日本に帰国してから、こどもの頃の夢を思い出すことが増えた。そして、高校生の頃のカルタゴに行きたいという夢をまず叶えた。つぎに婚活して可愛いかどうかは別にしてお嫁さんになった。

今年の4月に縁あって副業ライターになり、今は副業から本業になるべく努力中。仕事はお願いすると貰える恵まれた環境だ。全てに感謝しかない。

夢をかなえた私は、明日死ぬとしたら後悔するだろか。

うん、する。だってまだ銀座に家を買ってない。世界一周もしていない。よし、次の夢は世界一周だ。

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