見出し画像

"わかりあえなさ"を理解する

トランスレーションズ展を観に行ってきました。

トランスレーションズ展
@21_21DESIGN SIGHT
開催期間 〜2021.6.13まで
http://www.2121designsight.jp/program/translations/

こちらの展示では、翻訳をという行為をわかりあえないはずの他者同士が意思疎通を図るためのプロセスであると解釈しています。

下の写真は本多達也さんのOntennaという作品です。周囲の音をキャッチし振動と光の強さに変換することで、聴覚に障がいを持つ方もクリップから音を感じることができます。

言語から言語への変換に限らず、手話や感覚・感情といった別の要素に変換する行為も翻訳ととらえている点が印象的でした。

✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎

先日、家族と他者とのコミュニケーションについて話す機会がありました。

医療機関で働く家族から、近隣病院から患者を受け入れる際、患者に関する情報から容体・処置を見極めることの難しさを聞き、
仕事によって周囲との関わり方が違っても、お互いにコミュニケーションの齟齬を感じる場面があるんだなと思いました。

昨年、自分が勤める会社もリモートワークを中心とした働き方にシフトし、周囲の方との関わり方が変化した年になりました。

直接対面しながらコミュニケーションが取れない環境では、他者から発される言葉からでしか相手の意図を読み取ることができないため、
顔が見えていた時よりも言葉の印象が鮮明に強く伝わってきた気がします。

視覚で得られる言葉に、自分の価値観のフィルターが重ねられ、
自分も他者も意図したことが伝わらない、または異なった解釈で受け取られる場面もありました。

人はそもそもお互いの全てを分かり合えるわけではないけれど、"わかりあえなさ"をマイナスと捉えず対話をすることを諦めないでいようと思えた美術展でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?