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『それは「ポン」から始まった』の紹介と感想


『それは「ポン」から始まった』 赤木真澄・著、2005年9月発行

ビデオゲーム、とりわけアーケードゲームの歴史を語る上でぜひ手元に
置いておきたいと思わせる、至高の一冊です。

著者の赤木氏はアミューズメント業界紙「ゲームマシン」にて70年代から
国内外の業務用ゲームに関するニュース記事等を記してきた、まさに
ビデオゲーム史の生き字引ともいうべき方で、よくぞこういった本を
まとめてくださいましたと感謝するばかりです。

タイトルこそ1972年に発表されたアタリ社の「ポン」から始まっていますが、本文はそれよりもはるか昔、アメリカで「アーケード」が遊戯場という意味でも使われるようになった19世紀から始まる、壮大なゲーム史となっております。
ピンボールやスロットマシン等の製造会社が次々と誕生し、それらが現在の
ビデオゲーム産業へと繋がっていく道筋には唸らされますし、「ポン」以降の歴史を追っただけではわからない、様々な「歴史の必然」を読み取ることができます。

貴重な資料や当時の写真などを交えつつ紡いでいくゲーム歴史書の決定版
ともいえる本書は、これ自体がゲーム史の一部として語り継がれてく存在
なのかもしれません。

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