『ゲーセン戦記』の紹介と感想

『ゲーセン戦記』
池田 稔・著、ナカガワヒロユキ・構成　2023年6月発行

懐かしいアーケードゲームのラインナップが充実している事でも
知られるゲームセンター「ゲーセンミカド」の経営者兼店長、
池田稔氏による奮闘記です。

自身が体験してきたゲーセン史を振り返り、やがて夢でもあった
ゲーセン経営の実現にたどり着くのですが、その後襲いかかる
様々な試練との苦闘はまさに「戦記」というワードをタイトルに
選んだのにも納得できるほどです。

ただでさえ家庭用ゲームの進化した今の時代においてビデオゲーム
中心のゲーセンを続けるのが大変であろう事は素人の私でも想像
できますが、そのうえに大震災やコロナパンデミック等、個人の力
ではどうする事もできないピンチに何度も見舞われるのですから、
普通だったら諦めて店をたたんだとしても仕方ない状況です。

しかしゲーセン文化の灯を消したくないという店長の熱意により、
どうすればこのような事態の中でも店を続けられるか、いくつもの
アイデアがここには綴られています。

また、いつかゲーセンを経営してみたいという人へのアドバイス
なども込められていますので、本書がきっかけで「次世代」へと
バトンが受け継がれていったらいいなと願ってやみません。